骰子の眼

cinema

東京都 目黒区

2011-02-22 16:30


小劇場から映画の最前線を発信、映画/演劇の現在そして未来に迫る7日間、こまばアゴラ映画祭が2/22開幕

深田晃司、柴田剛、真利子哲也、瀬田なつき、今泉力哉など、いま注目の監督作品を一挙上映!!
小劇場から映画の最前線を発信、映画/演劇の現在そして未来に迫る7日間、こまばアゴラ映画祭が2/22開幕
東京国際映画祭日本映画「ある視点」部門作品賞を受賞した深田晃司監督『歓待』、深田晃司は本映画祭の企画者の一人でもある。

2月22日(火)-28日(月)の7日間にわたり第一回こまばアゴラ映画祭が開催される。青年団若手自主企画として発足した本映画祭は、舞台と客席が密接する極めて演劇的な空間で映画を上映することで、「映画」「演劇」の垣根を超えて多元的な劇場のあり方を提案する。

上映作品は、青年団製作の深田晃司監督『歓待』、ハイバイ・岩井秀人の監督作品『金子の半生』をはじめ、真利子哲也監督『イエローキッド』、柴田剛監督『おそいひと』、瀬田なつき監督『彼方からの手紙』、今泉力哉監督『微温』『TUESDAYGIRL』など、今後の日本映画を担う若き作家たちの作品、無声映画の活弁公演や抽象アニメーションなど、ジャンルの枠を越えた30作品以上、多彩なラインナップが特徴的だ。
さらに、俳優、評論に興味を持つ人を対象としたワークショップや、入江悠、柴田剛といった監督勢をはじめ、様々な映画人・演劇人による公開座談会といったイベントも開催。映画/演劇の現在、そして未来を多角的に検証する。




上映作品

■『歓待』 監督:深田晃司

96分/Blu-ray
下町の印刷所を舞台に、一見平凡な家族が流れ者の来訪によって変化を余儀なくしていく人間模様を描く。感傷を排した厳密な空間造形と人の往来によって世界 を掴む、劇団青年団演出部に所属する気鋭の若手深田晃司監督の意欲作。

■『イエローキッド』 監督:真利子哲也

106分/HD
ゆうばりファンタスティック映画祭などで数々の賞を受賞した真利子哲也監督の長編デビュー 作品。漫画とボクシング、現実と虚構を縦横無尽に駆け回る主人公たちを、疾走感溢れる映像で描いた真利子監督の演出力が光る一作。ポツドール・サンプルなどの舞台で活躍する岩瀬亮の好演も見逃せない。

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『イエローキッド』(C):東京藝術大学大学院映像研究科

■『おそいひと』 監督:柴田剛

83分/DVCAM
第5回東京フィルメックスでプレミア上映され、センセーショナルなテーマが物議を醸した。重度の脳性麻痺を持つ障害者・住田雅清が本名のまま「襲い人・住田」役に体当たりの演技で挑戦、 全編モノクロームで構成された映像、執拗なノイズ・ミュージックが観る者の身体感覚を揺さぶる。

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『おそいひと』

■『金子の半生』 監督:岩井秀人

40分/DV
ハイバイの劇団員である金子岳憲の半生を、演出家・岩井秀人が独特の語り口で描いた舞台「金子たけのりの半生」、さらにその40分間の舞台を1カメ1カットで捉えた意欲作。

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『金子の半生』

■『彼方からの手紙』監督:瀬田なつき

85分/HD
2011年1月公開『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』で商業映画デビューを果たした瀬田なつき監督が東京芸術大学大学院映像研究科映画専攻の修了作品として制作された作品。瀬田監督ならではのカラフルでポップな世界観が存分に発揮されたロード・ムービー。

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『彼方からの手紙』(C):東京藝術大学大学院映像研究科

■『フーガの技法』石田尚志

19分/16mm
映像作家・石田尚志による抽象アニメーション作品。・S・バッハの「フーガ」のそれぞれの旋律を膨大な絵画素材に置き換え、譜面の構造に忠実に重ね合わせ、撮影された傑作バロック音楽の巨匠J・S・バッハの同題曲をモチーフとした映像化の試み。

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『フーガの技法』(C):石田尚志

■『PASSION』 監督:濱口竜介

115分/HD
日韓共同製作による監督作『The Depths』が第11回東京フィルメックス特別招待作品として上映された濱口竜介が30歳を目前にした複数の男女の恋愛風景と、その中で揺れ動く感情の機微を描いた作品。

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『PASSION』(C):東京藝術大学大学院映像研究科

■『国道20号線』 監督:富田克也

77分/DVCAM
空族の富田克也監督による国道20号線が舞台のロード「サイド」ムービー。ATM、パチンコ屋、ラブホ、ドンキといった激安な灯りに照らされ、輝き続ける国道沿いの風景、そして、そこから一歩踏み出した先に広がる闇の中で生まれる事件を描く。

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『国道20号線』

■『微温』監督:今泉力哉

44分/DVCAM
『たまの映画』が全国公開中の今泉力哉監督による短編作品。ダメ男と美女の恋愛を笑いの中に皮肉を交えて描く今泉監督独特の世界観が光る、二股男と二人の女の物語。第12回水戸短編映像祭グランプリ作品。

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『微温』

▼今泉力哉監督作品『TUESDAYGIRL』予告編 第一回こまばアゴラ映画祭招待作品


ワークショップ

□2月24日(木) 9:30〜14:30「俳優向け演技WS」
講師:古舘寛治(俳優/青年団・サンプル所属)
2月25日(金) 9:30〜12:30「評論WS」
講師:金子遊(映像作家)、若木康輔(ライター)、皆川ちか(映画ライター)WSコーディネーター:田野邦彦(青年団演出部/RoMT主宰)

座談会

□2月25日(金) 20:15〜22:00 座談会vol.1『演技と演出を考える』
加ゲスト:今泉力哉(映画監督)/植岡喜晴(映画監督)/大江崇允(映画監督)/柴田剛(映画監督)/富田克也(映画監督)/古舘寛治(俳優)/前野朋哉(映画監督)/桝井孝則(映画監督)/松井周(サンプル主宰/劇作家・演出家・俳優)/山下敦弘(映画監督) 他
□2月28日(月) 18:30〜21:00 座談会vol.2『映画とお金を考える』
参加ゲスト:入江悠(映画監督)/七里圭(映画監督)/田中誠一(配給・宣伝)/平澤竹識(「映画芸術」編集部)/藤井光(美術家・映像ディレクター)/本広克行(映画監督) 他




開催にあたり企画者の一人である深田晃司は「ひとつの劇場で、映画と演劇を隣に並べて、映画作家と劇作家を隣に並べて、映画ファンと演劇ファンを隣に並べてみると何が起きるのか――自分と異なる価値観を知ることは、現代的な多文化社会の理解と共生への第一歩である。」というメッセージを発している。
小劇場発信の映画祭『こまばアゴラ映画祭』、作り手同士の交流はもちろんのこと、演劇ファン・映画ファンがジャンルの枠に捉われることなく理解を深め、映画、演劇の双方が活性化していく為の新たなる土壌となることを期待したい。



映画祭パンフ写真面

第一回こまばアゴラ映画祭

期間:2011年2月22日(火)~28日(月)
会場:こまばアゴラ劇場[地図を表示]
料金:
予約 一般 1,000円 学生・シニア 800円 高校生以下 300円
当日 一般 1,400円 学生・シニア 1,200円 高校生以下 500円
企画制作:青年団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
協力:(有)レトル
※上映時間・料金などの詳細につきましては、
こまばアゴラ映画祭公式HPをご覧ください。


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