骰子の眼

cinema

東京都 中央区

2011-08-13 15:00


[CINEMA]『未来を生きる君たちへ』クロスレビュー「果たして自分の大切にしているものが奪われても冷静でいられるか?という問いかけがある」

2011年アカデミー賞とゴールデン・グローブ賞の最優秀外国語映画賞を受賞、9.11以降の「復讐」の持つ意味に焦点を当てる。
[CINEMA]『未来を生きる君たちへ』クロスレビュー「果たして自分の大切にしているものが奪われても冷静でいられるか?という問いかけがある」
『未来を生きる君たちへ』より

スサンネ・ビア監督は今作についてのインタビューのなかで「ここ5、6年を振り返ってみると、西欧諸国では復讐や報復が容認され易くなっている風潮が強まっている」と語っている。9.11以降、社会や生活の様々な局面で滲み出てきている目には目を、というムードを、今作はビア監督の出身地であるデンマークと、紛争の絶えないアフリカというふたつの2つの国を舞台に描写している。医師としてアフリカとデンマークを飛び回る父親と、学校でのいじめに苦労しながらも、父親を愛する息子。ふたりの間に、いじめっ子たちに報復しようとする転校してきた少年が加わることで、家族はあらためて「やられたらやりかえす」という行動がどんな意味を持つものなのかを考え始める。

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『未来を生きる君たちへ』より

子供の仲裁に入ったところを経緯も知らない相手の父親に殴られたり、アフリカの難民キャンプで、悪事を働いてきた男の怪我を治療すべきかどうか、医師はいくかの葛藤を繰り返す。言葉に描いてしまうと、あまりにも小さく単純な事件かもしれない。けれど突然そのような自体に直面した人間が、どのように対処し、乗り越えていくのか。埃っぽいアフリカのキャンプ地内と、穏やかなデンマークの風景を対比させながら、復讐の感情をコントロールするために必要なのは、家族の関係をきちんと築きあげ人と人との絆を深めていくことだ、とビア監督はこの作品で決して政治的にではなく、伝えようとしている。

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『未来を生きる君たちへ』より



『未来を生きる君たちへ』
8月13日(土)、TOHOシネマズ シャンテ新宿武蔵野館にてロードショー
全国順次公開

監督:スサンネ・ビア
脚本:アナス・トーマス・イェンセン
出演:ミカエル・パーシュブラント、トリーネ・ディアホルム、ウルリッヒ・トムセン
提供:東宝、ロングライド
配給:ロングライド

公式HP

▼『未来を生きる君たちへ』予告編



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