骰子の眼

cinema

東京都 渋谷区

2012-08-03 19:52


溢れんばかりのサービス精神、超正しい「娯楽」映画

ダンスや歌を散りばめ、ラジニカーントも登場するインドSF大作『ラ・ワン』クロスレビュー
溢れんばかりのサービス精神、超正しい「娯楽」映画
映画『ラ・ワン』より

なみいるインドの娯楽作品のなかで、この『ラ・ワン』が記録的興収を挙げたのは、様々なメディア・ミックスによるプロモーションの効果だけではない。現実世界とゲームの中のバーチャルの世界が交錯するというSF的設定を、最先端のVFXを随所に用いながら、家族の物語、神話のモチーフ、おなじみのダンスシーンといったインド映画の伝統を加えることで、ハリウッドでもこれまでのインド映画でも成し得なかった折衷感を持つ作品として完成させている。この完成度は、自らの会社レッド・チリーズ・エンターテインメントによる製作を決め、主演を名乗りでたシャー・ルク・カーンの、インド映画界を次のステップに押しあげたいという意思と、観客がなにを求めているかキャッチする才覚によるものだろう。

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映画『ラ・ワン』より
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映画『ラ・ワン』より

子どもからの信頼を失ってしまったダメな父親像をコミカルに表現しながら、同時に男前なスーパーヒーロー、Gワンをポーカーフェイスで演じきる“キング・オブ・ボリウッド”の名で知られるカーンの芸達者ぶりをたっぷりと堪能することができる。レディ・ガガを手がける世界的プロデューサー、エイコンが参加したゴージャスな音楽や、大スター・ラジニカーントが『ロボット』の役柄そのままでカメオ出演するなど、隅々にまでエンターテインメント精神が発揮され、フリークはもちろん、インド映画初心者にもきっと楽しめる娯楽作に仕上がっている。「インド映画、NEXT LEVELへ」というキャッチコピーは伊達ではない。

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映画『ラ・ワン』より



映画『ラ・ワン』
2012年8月4日(土)より、東京都写真美術館ホール、他全国順次公開

監督:アヌバウ・シンハー
出演:シャー・ルク・カーン、カリーナー・カプール、アルジュン・ラームパール、アルマーン・ヴァルマーほか
提供:マクザム/パルコ/アジア映画社
配給:パルコ
配給協力:アップリンク
2011年/インド/156分/ヒンディー語
公式サイト:http://www.uplink.co.jp/raone/
公式Twitter:http://twitter.com/RAONE_jp
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▼『ラ・ワン』予告編



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