骰子の眼

cinema

東京都 中央区

2012-09-04 11:00


園子温監督が描く原発事故半径20キロで分断された家族

震災後の日本が直面する過酷な現実の姿を暴く『希望の国』レビュアー募集
園子温監督が描く原発事故半径20キロで分断された家族
映画『希望の国』より (c) The Land of Hope Film Partners

『愛のむきだし』『冷たい熱帯魚』『恋の罪』など、現実の事件を題材にした作品の数々で、“性”や“暴力”といったタブーに挑み続けてきた鬼才・園子温。新作を発表するごとに世界の映画祭を席巻し、『冷たい熱帯魚』で第67回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門出品、『恋の罪』で第64回カンヌ国際映画祭監督週間出品、そして前作『ヒミズ』で主演の染谷将太、二階堂ふみに第68回ヴェネチア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)をもたらした彼が、今回テーマとして選んだのは現在の日本が直面する最大のタブー“原発”だった。

webdice_希望の国:サブ3
映画『希望の国』より (c) The Land of Hope Film Partners

舞台は東日本大震災から数年後の20XX年、長島県。酪農を営む小野泰彦は、妻・智恵子と息子・洋一、その妻・いずみと満ち足りた日々を送っていた。あの日が来るまでは。長島県東方沖を襲ったマグニチュード8.3の地震と、それに続く原発事故は、人々の生活をたちまち一変させる。原発から半径20キロ圏内が警戒区域に指定される中、強制的に家を追われる隣の鈴木家と、道路ひとつ隔てただけで避難区域外となる小野家。だが、泰彦はかつてこの国で起きた未曾有の事態を忘れていなかった。国家はあてにならないと言い、自主的に洋一夫婦を避難させ、自らはそこに留まる泰彦。一方、妊娠がわかったいずみは、子を守りたい一心から、放射能への恐怖を募らせていく。
「これは見えない戦争なの。弾もミサイルも見えないけど、そこいらじゅう飛び交ってるの、見えない弾が!」
その頃、避難所で暮らす鈴木家の息子・ミツルと恋人のヨーコは、消息のつかめないヨーコの家族を探して、瓦礫に埋もれた海沿いの町を一歩一歩と歩き続けていた。
やがて、原発は制御不能に陥り、最悪の事態を招いてしまう。泰彦の家が避難区域となり、強制退避を命じられる日も刻一刻と迫ってきた。帰るべき場所を失い、放射能におびえる人々。終わりなき絶望と不安の先に、果たして希望の未来はあるのだろうか?

webdice_希望の国:サブ4
映画『希望の国』より (c) The Land of Hope Film Partners

東日本大震災直後に撮影された前作『ヒミズ』で、「3.11」後の希望を謳いあげた園監督が、あの日から1年以上を経た本作で暴き出すのは、震災後の日本が直面した過酷な現実の姿だ。実際に被災地で取材を重ね、そこで見聞きした事実をもとに描かれる今回の物語は、フィクションでありながら、未曾有の事態に巻き込まれた人々の“情感”を克明に記録する。かつて今村昌平や大島渚ら、日本の巨匠たちがえぐり出したように、この映画は社会を鋭く切り取ることで、そこに暮らす人々の“生”や“尊厳”を鮮やかに描写している。クリント・イーストウッドやスティーブン・スピルバーグらの名を挙げるまでもなく、社会問題を通じて人間のあり方に迫るその手法は、もはや世界標準であるとすら言っていい。原発事故を題材に、多くのメディアが報じながら、実際には伝えきれなかった人間の心に迫る、社会派エンタテインメントの傑作が誕生した。(以上、プレスより引用)




映画『希望の国』
10月20日(土)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー

脚本・監督:園 子温
出演:夏八木勲、大谷直子、村上 淳、神楽坂恵、清水 優、梶原ひかり、筒井真理子、でんでん
撮影:御木茂則
照明:松隈信一
美術:松塚隆史
装飾:石毛 朗
録音:小宮 元
整音:深田 晃
編集:伊藤潤一
プロデューサー:定井勇二 國實瑞恵 汐巻裕子
ラインプロデューサー:鈴木 剛
共同プロデューサー:Adam Torel James Liu
製作:『希望の国』製作委員会
共同製作:Third Window Films
Joint Entertainment International
配給:ビターズ・エンド
宣伝:メゾン
2012年/日本=イギリス=台湾/133分/カラー/ヴィスタ
公式サイト:http://www.kibounokuni.jp




試写会に3名様をご招待

公開に先立ち、本作品の試写会を観て400~600字程度のレビューを書いて頂ける方、3名様をご招待します。応募方法は下記から。ご応募の際、webDICEのアカウントをお持ちでない方は新規登録が必要です。(※当選された場合に必ず試写会に参加でき、レビューを書いてくださる方の応募をお待ちしています)

『希望の国』試写会
日時:2012年9月12日(水)9:30開場/10:00開映

会場:松竹試写室[東京都中央区築地4-1-1 東劇ビル3F](地下鉄都営浅草線・日比谷線「東銀座」東口6番出口より徒歩1分)[地図を表示]

【応募方法】

webDICE会員の『webDICE編集部』アカウントまでメッセージをお送りください。
(ログインした状態でのみメッセージ送信が可能です)

■メッセージ送付先

webDICE編集部
http://www.webdice.jp/user/283/

■件名を「9/12 希望の国」としてください

■メッセージに下記の項目を明記してください

(1)お名前(フリガナ必須) (2)電話番号 (3)メールアドレス (4)ご職業 (5)性別 (6)ご住所 (7)応募の理由

※『webDICE編集部』アカウントにメッセージを送るにはwebDICEのアカウントを取得する必要があります。登録がまだの方は以下ページより、新規ご登録ください。

webDICE新規登録ページ
http://www.webdice.jp/signup.html

■応募締切:2012年9月10日(月)午前9:00

※当選者の方のみ、ご応募いただいたアカウントに9月10日(月)中にメッセージにてご連絡いたします。

▼『希望の国』予告編



レビュー(0)


コメント(0)