骰子の眼

cinema

2015-05-23 06:00


ギャスパー・ノエ3D新作はスクリーンから精液が飛び出す

カンヌでリアルな性描写がスキャンダルとなった『LOVE』
ギャスパー・ノエ3D新作はスクリーンから精液が飛び出す
映画『LOVE』より ©GASPAR NOÉ

ギャスパー・ノエ監督が3Dに挑んだ新作映画『LOVE』が、5月20日、第68回カンヌ国際映画祭のミッドナイト・スクリーニング部門でワールド・プレミア上映された。翌21日、コムストックの配給により日本公開されることも発表された。日本での公開時期は未定。

『LOVE』はノエ監督の『エンター・ザ・ボイド』(2009年)以来の新作で、主人公の青年マーフィーが、かつての恋人エレクトラとの2年にわたる蜜月を振り返るという物語。監督はプレスリリースのなかで「愛しあう若いカップルの情熱を肉体的に、そして精神的に完全に再現する映画を作ることを夢見続けてきた」「私の初期の映画と異なり、この作品だけは、センチメンタルな暴力とエクスタシーへの愛以外のなにものでもない」と今作への思いを明かしている。

愛と性を分けて考えるのではなく、タイトルを『LOVE & SEX』とせず、すべてを包容する『LOVE』としたところに監督の強いメッセージを感じられる作品となっている。

映画『LOVE』より ©GASPAR NOÉ
映画『LOVE』より ©GASPAR NOÉ
映画『LOVE』より ©GASPAR NOÉ
映画『LOVE』より ©GASPAR NOÉ

また映画祭で行われたプレス・カンファレンスに登壇したノエ監督は、今作における道徳的な罪について質問され「この映画に道徳的な罪があるとはまったく思っていない。スイス銀行やサイエントロジーについての映画を作ったわけじゃない、人生について、愛についての映画を作ったんだ」と答えた。

映画『LOVE』より ©GASPAR NOÉ
映画『LOVE』より ©GASPAR NOÉ
映画『LOVE』より ©GASPAR NOÉ
映画『LOVE』より ©GASPAR NOÉ

3Dを使うことになったきっかけについては、「2、3年前に誰かが『ギャスパー・ノエの次の作品は3Dに違いないよ』というのを聞いて、最初はジョークのつもりだった」と告白。準備を進めるなかで、フランス政府が3D映画に助成金を出すということを知り、3Dで撮影すること決めたという。ノエ監督は「たとえ子供っぽく非合理的だとしても、3Dはどんな平面のイメージよりも強い印象を与えてくれる。この失われた愛の話を3Dを使って描くことで、登場人物と彼の持つ郷愁により共感を持ってもらえると思う」と語っている。

そしてノエ監督は、「私のすべての映画のなかで、この『LOVE』がその存在を最も近く感じられる、そして最もメランコリックな作品だ」と延べている。

映画『LOVE』ポスター
映画『LOVE』ポスター

▼『LOVE』抜粋映像

▼カンヌ国際映画祭公式サイトより、ギャスパー・ノエ監督『LOVE』プレス・カンファレンスの様子

【SCREEN DAILY】
Cannes: Gaspar Noe's 'Love' sold worldwide(2015.5.21)
http://www.screendaily.com/news/cannes-gaspar-noes-love-sold-worldwide/5088535.article

【カンヌ国際映画祭公式サイト】『LOVE』
http://www.festival-cannes.fr/jp/archives/ficheFilm/id/f2a3ad0b-68c1-4542-98f5-25b145087024/year/2015.html

【WILD BUNCH】
『LOVE』公式ページ
hhttp://www.wildbunch.biz/movie/LOVE/




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