骰子の眼

cinema

東京都 渋谷区

2017-04-29 00:00


歌って踊るだけじゃない!全て未公開、日本初「南インド映画祭」GWに東京・大阪で開催

インド版“トッツィー”のラブコメ『レモ』、ラジニカーント『帝王カバーリ』他注目作
歌って踊るだけじゃない!全て未公開、日本初「南インド映画祭」GWに東京・大阪で開催
「南インド映画祭2017」で上映される『レモ』

日本初となる、南インドの映画界にスポットを当てた「南インド映画祭2017」が4月29日(土)より大阪シネ・ヌーヴォにて、そして4月30日(日)より渋谷ユーロライブにて開催される。

この「南インド映画祭」は、2012年より年1回開催され好評を博している「インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン」の派生イベントとして行われる。「ボリウッド」と呼ばれる北インドのヒンディー語映画に対して、南インド映画の多彩さを象徴するタミル語映画、激しいアクションを特徴とするテルグ語映画、低予算ながら風情溢れる作風を持つマラヤーラム語映画、叙情的な映像作家を擁するカンナダ語映画と、南インドの主な地方言語ごとのカラフルで地方色豊かな魅力を堪能することができる映画祭となっている。

webDICEでは上映される日本未公開の全12作品のうち、映画祭事務局のmikiさんのセレクトによるおすすめ作品8作品を紹介する。




タミル語映画

『帝王カバーリ』[アクション]

ラジニ映画とニューウェーブの融合

『帝王カバーリ』

原題:Kabali
2016年/143分/日本語・英語字幕
監督:パ・ランジット
出演:ラジニカーント、ラーディカー・アプテー、ウィンストン・チャオ

■ストーリー:マラッカ監獄から25年の服役を終えた60歳のカバーリが出所する。マレーシア・タミル人三世のこの男、ギャングながら人々からの信望が厚い。しかし出所と同時に彼の命を付け狙う勢力も始動する。
■見どころ:南インド映画の帝王ラジニカーントが、監督歴わずか2本の新進パ・ランジットと組んだ大注目作。ランジットはタミル・ニューウェーブ映像作家の中の成長株。現地の映画好きが好む、「ロウ(生の)」な感触を盛り込むことに優れている。舞台はマレーシア、バンコク、チェンナイなど。外国ロケの風景にも、ロウな非情さが滲み出る。リアリティあるガン・アクションに、ラジニ映画のあり得ない無双&あり得ない不死身ぶりが混ざり、ダークでスモーキーな不思議ワールドが展開する。
【おすすめポイント】①ラジニの「スタイル」 ②スモーキーでクールな映像 ③キレッキレの音楽 ④ラーディカーのエレガントな演技




タミル語映画

『レモ』[ラブコメ]

インド版『トッツィー』と形容されるラブコメ

『レモ』

原題:Remo
2016年/146分/日本語・英語字幕
監督:バーギヤラージ・カンナン
出演:シヴァカールティケーヤン、キールティ・スレーシュ

■ストーリー:俳優志望のSKは、オーディションで女装して看護婦として演技することを求められる。同時に彼は、一目ぼれした相手が医師として勤める病院に、看護婦として潜り込むことに成功する。
■見どころ:2010年代本格デビュー組の中ではトップの人気を誇る、シヴァカールティケーヤンの魅力を十二分に引き出したラブコメ。トレードマークの口の達者さと声帯模写、ハリウッドの特殊メイク専門家の手になる変身ぶり、看護婦さん姿での華麗なアクションが見もの。
【おすすめポイント】①シヴァカールティケーヤンの美しすぎる女装 ②人気上昇中キールティのフレッシュな魅力 ③タミル語映画有名作へのオマージュの数々




タミル語映画

『24』[SF]

超小型タイムマシンを巡るSFアクション

『24』

偶然から手に入った超小型タイムマシン
これを使えばすべての夢が叶うのか?
しかし!そのマシンには「仕様」があった!

■ストーリー:時計型小型タイムマシンという大発明をした科学者セードゥラーマンは、それを奪い悪用しようとする兄弟に殺される。その遺児であるマニは、26年後にその時計を偶然入手する。しかしそこに再び魔の手が迫る。
■見どころ:夢のタイムマシンにまさかの「仕様」があって縦横に時を駆けるわけにはいかないもどかしさ。タイムマシン・パラドックスについて立ち止まって考えることを許さないロマンス、アクション、コメディーの奔流。
【おすすめポイント】①タミル語映画としては珍しいSF ②スーリヤの一人三役ショー ③サマンタとニティヤのツインヒロイン

原題:24
2016年/164分/日本語・英語字幕
監督:ヴィクラム・クマール
出演:スーリヤ、サマンタ




タミル語映画

『事件番号18/9』[ドラマ]

胸をえぐる悲劇と清新なカタルシス

『事件番号18/9』

■ストーリー:屋台で働く少年と共同住宅の女中として働く少女との間の初々しい恋。底辺の二人のささやかな幸せを、むごい現実が襲う。愛する人を守るために二人がそれぞれに決断したこととは。
■見どころ:タミル・ニューウェーブの旗手の一人であるシャクティヴェール監督の作風がよく表れた一作。底辺の人々の過酷な運命を描き、さらにある重要な社会問題が織り込まれる。しかし、生き生きした人間のドラマがメッセージ性を凌駕し、何よりも胸を打つ。
【おすすめポイント】①瑞々しい恋の描写 ②耳に残るリリカルな民謡風メロディー ③圧巻のラスト

原題:Vazhakku Enn 18/9
2012年/124分/日本語・英語字幕
監督:バーラージ・シャクティヴェール
出演:シュリー、ウルミラー・マハンター




テルグ語映画

『誰だ!』[アクション]

アクション+セクシーなダンス サービス過剰なテルグ・ワールド

『誰だ!』

これでもかの過激アクションが炸裂!
まさかの顔面転生にお色気ダンスと人民パワー
一作品で二本分の超お得映画

■ストーリー:悪漢に攻撃され損傷した顔面を、整形手術で全く別人のものに変えた主人公による、恋人の仇への復讐譚。同時に彼は、その別の顔の元の持ち主を付け狙う別の敵とも対決するという、奇想天外なアクション。
■見どころ:怒涛のアクション、脱力のお笑い、セクシーなダンスなどがミルフィーユ状に重なりどこまでも続く、サービス過剰なテルグ・ワールド全開。映画ニ本分を一本に詰め込んだような濃密コンテンツ。売れっ子のシュルティとエイミーをツインヒロインにしてもまだ不足といわんばかりに、『バードシャー テルグの皇帝』のカージャルもゲストに迎える大盤振る舞い。もちろんアッル・アルジュンのカメオも見逃せない。ダンス偏差値が全体に高めのテルグ語映画界で精進を積むラーム・チャランの踊りっぷりは特筆もの。
【おすすめポイント】①典型的なテルグ・アクション ②チランジーヴィの息子、ラーム・チャランの暴れぶり ③アッル・アルジュンとカージャル、豪華な特別出演

原題:Yevadu
2014年/166分/日本語字幕
監督:ヴァムシー・パイディパッリ
出演:ラーム・チャラン、シュルティ・ハーサン、エイミー・ジャクソン




テルグ語映画

『ジャスミンの花咲く家』[ファミリー]

熟年・若手の二大スター夢の競演

『ジャスミンの花咲く家』

■ストーリー:妥協ができず融通の利かない兄と、スマートだが目標の定まらない弟。対照的だがお互いを思いやる兄弟が、それぞれの伴侶を見つけるまでを描く。
■見どころ:沿海アーンドラ地方の豊かな農村を舞台に繰り広げられる、心温まるファミリー映画。マルチスター映画が珍しいテルグ語映画界で、ヴェンカテーシュとマヘーシュ・バーブの共演が話題になった。サンクラーンティという重要な祭日に公開された本作には、豊穣や吉祥を表すめでたいイメージが満ちあふれている。どこにでもいそうな家族の人間模様をリアルに描きながら、同時に理想の家族愛を謳いあげた。
【おすすめポイント】①心温まるファミリー映画 ②豪華スターの競演 ③胸キュンのロマンス

原題:Seethamma Vakitlo Sirimalle Chettu (SVSC)
2013年/159分/日本語字幕
監督:シュリーカーント・アッダーラ
出演:ヴェンカテーシュ、マヘーシュ・バーブ、サマンタ、アンジャリ




マラヤーラム語映画

『オッパム ~きみと共に~』[スリラー]

マラヤーラム語映画界のスター、モーハンラールが全盲の異能の人に

『オッパム ~きみと共に~』

■ストーリー:マンションのリフト係として働く全盲のジャヤラーマンは、有能で人々から信頼される好人物。しかし彼はマンションの一室で起きた殺人事件の「目撃者」となり、同時に容疑者となってしまう。
■見どころ:『カーンチワラム サリーを織る人』のプリヤダルシャン監督が、本来の活躍の場である娯楽映画で久々に飛ばしたヒット。親友であるマラヤーラム語映画界のスーパースター、モーハンラールの魅力と演技力を十二分に引き出した。全盲でありながら諸芸に通じた主人公の魅力がたっぷりと紹介された後、物語は暗転する。殺人の濡れ衣を晴らすと同時に、大切なものを守らなければならない主人公の、頭脳と腕力を使った闘い。殺人者と主人公との間での、とある情報をめぐる攻防が最大の見どころ。
【おすすめポイント】①殺人者と主人公との間の頭脳的消耗戦 ②緊迫のラスト20分

原題:Oppam
2016年/155分/日本語・英語字幕
監督:プリヤダルシャン
出演:モーハンラール、サムドラカニ、ネドゥムディ・ヴェーヌ




カンナダ語映画

『ルシア』[ドラマ]

カンナダ語映画界の新たな流れを象徴する夢幻的な傑作

『ルシア』

■ストーリー:バンガロールの下町の映画館で働くニキルは不眠に悩んでいる。あるとき、眠れないまま夜の街路に出た彼は、怪しげな売人から「ルシア」という睡眠薬を買う。それは単に睡眠に導入するだけでなく、極上の夢を見せ、その夢を次の晩に引き続き楽ませるというものだった。
■見どころ:製作資金確保、キャスティング、コンテンツからリリース方法に至るまで、すべてが破格だった、カンナダ語映画ニューウェーブの訪れを告げた記念すべき一作。スリラー的な展開の中で、「夢見る装置としての映画」という、ユニバーサルなモチーフが現れ、カンナダ語映画のローカルな風土がマジカルに被さる。多くの場面が夜、あるいは映画館の暗がりの中で展開し、夢と現実の境界が曖昧になっていく。「映画についての映画」に惹かれる全ての映画ファンにお勧めしたい夢幻的な傑作。
【おすすめポイント】①メランコリーの美しさ ②夢と現が混然一体となるマジカルな語り ③映画への熱い思い ④ポエムの横溢

原題:Lucia
2013年/137分/日本語・英語字幕
監督:パワン・クマール
出演:サティーシュ、シュルティ・ハリハラン




「南インド映画祭2017」
4月30日(日)~5月11日(木)東京 ユーロライブ
4月29日(土)~5月12日(金)大阪 シネ・ヌーヴォ

料金:前売1回券 1,500円 3回券 3,900円/当日券 1,800円
(特別興業のため、劇場の割引制度適用外)
主催:南インド映画祭2017実行委員会

公式サイト
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キーワード:

インド / 映画


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