骰子の眼

art

東京都 新宿区

2008-07-14 13:39


身体が点や線になる!? 今までにない新しい身体感覚を体験!

7月12日より西新宿ICCにて『君の身体を変換してみよ』展開催中。
身体が点や線になる!? 今までにない新しい身体感覚を体験!
(写真)《計算の庭》佐藤雅彦+桐山孝司 2007年

展覧会、ワークショップ、シアタープログラムなど子供から大人まで楽しめる総合プログラム「ICCキッズ・プログラム」が今年で3回目を迎え、7月12日(土)よりICC(NTTインターコミュニケーション・センター)にて開催されている。
今回は、作品監修に佐藤雅彦氏(東京藝術大学大学院 映像研究科教授)と桐山孝司氏(同大学 准教授)を迎え、『君の身体を変換してみよ』展と題して、現代のテクノロジーを使って、身体感覚の新しい統合やズレを引き出す実験装置ともいえる作品を紹介する。

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会場内で大きく展開している作品「点にんげん 線にんげん」は、黒いスクリーンの前に立つと、身体の動きが点や線のアニメーションとなって現れる、視覚的にも面白い作品。これは「バイオロジカル・モーション(※)」という現象を応用しており、まるで自分が「点」や「線」でできているような体験ができる。
(※バイオロジカル・モーション…生物の関節などの位置を示すポイント(点)の動きだけで、脳が「生物的な動き」として、ひとまとめに認知してしまうこと)

(写真)《点にんげん 線にんげん》 安本匡佑(桐山孝司研究室)+石川将也(トピックス)、佐藤雅彦 2008年

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また、佐藤雅彦氏と桐山孝司氏の制作による、身体を使って計算するプログラム「計算の庭」は、計算式のゲートをくぐりながら選んだ数字が73になれば、この庭から出ることができるという内容だ。佐藤氏によると「普通、人間は紙の上で計算をするが、ゲートを通過する動きによって新しい計算方法を体験してほしい」と述べた。

(写真)作品について解説をする佐藤雅彦氏(手前)

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他にも、棒を穴に入れると画面の中で線が折れ曲がったり、自由にめぐっているような感覚が生まれる「21世紀如意棒」、手をパタパタさせると、壁に映った小さな自分が浮遊するという奇妙な感覚の「翔べ!小さな自分」、映像の中の自分の腕が伸びて、手が届かないはずの牛乳パックに触っているような感覚が味わえる「伸びる腕」など、視覚と身体感覚のズレを体験できるさまざまな作品が用意されている。

(写真)《21世紀如意棒》勝目祐一郎(佐藤雅彦研究室)、佐藤雅彦 2008年
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身体の一部をとり出して表現された身体像と遊んだり、隠れた身体感覚や身体能力を刺激する体験などを通して、人間が感覚情報をどのように受け止めているのかがわかる仕組みとなっている。同時に、認知心理学や行動分析学など、人間の「心」や「脳」のはたらきを知るための知見を応用した新しい表現を展望しようとするものだ。

(写真)《伸びる腕》ユーフラテス 2008年

今回の展覧会について佐藤氏は、「テーマは別に難しくはありません。点だけで人間だと認識できる“新しいわかり方”がテーマです。まだ、体験していないことを新しい技術で是非体験してください」と述べた。



ICCキッズ・プログラム2008『君の身体を変換してみよ』展

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会期:7月12日(土)~8月31日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC][地図を表示]
(東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階)
開館時間:10:00~18:00
休館日:月曜日(月曜が祝日の場合翌日)、8月3日(保守点検日)
入場無料

<関連イベント>
■工作ワークショップ「機械の素」
8月10日(日)13:00~17:00
■アニメーション・ワークショップ「指で見る 目で触る」
7月19日(土)・20日(日) 14:00~17:00
■特別上映「日常にひそむ数理曲線」
7月26日(土)から8月31日(日)までの毎土日(8月3日を除く)
※詳細はICCホームページをご覧ください

ICCホームページ


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