骰子の眼

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東京都 世田谷区

2008-10-15 23:00


大麻平和党 党首・前田耕一インタビュー 「これからは数の力が必要ですね。支持者を、投票という形で見せ付けていかないといけないですよ」

下北沢と大阪にある『大麻堂』そのものズバリのインパクト抜群の店名。地元の警察も一目をおくという大麻堂社長であり大麻平和党党首が語るマリファナ・ナウ。
大麻平和党 党首・前田耕一インタビュー 「これからは数の力が必要ですね。支持者を、投票という形で見せ付けていかないといけないですよ」

大麻と相撲。意外な組み合わせで話題となったことは記憶に新しい。自宅から大麻がでてきた若ノ鵬が処罰された事はわかるが、尿検査で陽性反応が出ただけで犯罪を立証したかのように騒ぎ立て露鵬と白露山を相撲界から追放した事に違和感を感じた人は多いのではないだろうか。 大麻のことなら大麻堂に聞けというわけで大麻堂のホームページを見ると、なんと「大麻平和党(仮称)設立準備掲示板」がアップされていた。総選挙も近いので大麻平和党党首の前田耕一氏に話を聞きにいった。


この一連の事を僕はメディアのリンチだと思っているんです

浅井 : 大麻平和党、これは準備段階だということですが、今日はその大麻平和党の話と日本の大麻状況のお話を聞きたいと思います。最初にロシアの力士の大麻事件で、初めて知ったのですが吸引することは違法ではないのでしょうか。

前田 : 違法ではないというか、法律の文章を作る時に忘れたんでしょうね。

浅井 : もらって吸ってもダメなんですか。

前田 : もらったというのがダメなんです 。譲渡になりますから、譲渡は罰則があります。誰かが横で吸っていてその煙がたなびいてくるのは仕方がない。副流煙だったのか主流煙だったのかというな事を相撲協会側が言ってましたよね。だけど、あれは全体がおかしいと思います。

浅井 : どのへんがおかしいですか。

前田 : 吸ったかどうか、尿検査をしたこと自体メディアのプレッシャーですよね。若ノ鵬の自宅から大麻が押収され、他の力士も吸っていたんじゃないかということで自主検査しろということになった。メディアによる半分強制ですよね。それで検査をやったところが、露鵬と白露山に陽性反応がでた。でも、それ自体が違法ではないから警察は動いてないわけですよね。それを立証して裁判にかけられないから、有罪にできない。ところが、メディアがよってたかって犯罪者扱いで報道する。しかも、違法でもないのにああいう詰め腹をきらせていくやりかたをする。

浅井 : 陽性反応だけは警察も動きようがないという事ですね。

前田 : 陽性反応が出たか出ないかという検査自体がマスコミによって 無理強いされたという事です。その辺が違法、合法に関係ない事を無理やりさせてその結果でやめさせるというところまできているわけですよね。二人の力士をやめさせて、北の湖理事長も無理やりやめさせて。この一連の事を僕はリンチだと思っているんです。メディアによるリンチ。リンチというのは、私刑ですよね。法的根拠がないことです。リンチというのは、リンチに加わらないやつをまたリンチするというのがあるんですよね。学校皆でボコボコニやって、なんでお前手出さなかったんだよみたいな。そういうことが、この間に週刊ポストのメディアウォッチングというページに記事が出ていたんです。それは読売新聞があまりこの一件に突っ込んだ記事を書かなかった、それは取材不足であって、他のメディアが横並びなのになぜ、書かなかったんだよみたいな非難の記事が載ってました。

浅井 : それで、週刊ポストは読売新聞に対して他紙と同じようにリンチをしろと。

前田 : だから、マスコミの立場っていうのは、横並びなんですよ。それで、合法、非合法とか関係なく大麻だったらどんなに叩いてもいいだろう。ロスで吸ったとか、吸わなかったという話がでていましたよね。そんなの関係ない話なんですよね。じゃ、アムス行って吸ったらどうなんだという話ですよね。で、ロスで吸ってましたという事を新聞が書いているわけですよ。それが誰かもわからない。そういうのは報道ではないわけですよ。ただの噂に基づいているだけです。しかもその噂の出所はたぶん一つで他の新聞全部横並びでが書いている。

浅井 : で、それをマスコミが一様に魔女狩りのように動くのはロシア人力士を排斥したいのか、それとも大麻ということだったら何やってもいいのかなと。

前田 : その両方じゃないですかね。なんなんですかね。要するに相撲があって、大麻があってその二つくっつけたら話題性が上がるじゃないですか。そこに週刊現代がくいついた。じゃ他のメディアも横並びにボコボコにやろうかと。これは、力士でなく民間人なら普通は名誉毀損の問題ですよ。でも大麻に関してはそうはならない状況なんですよ。

浅井 : それはどういう事ですか。

前田 : ようするにお前ら麻薬やっといて、何だって言われる社会的圧力が大きすぎて、ギブアップしてしまうわけですよ。そういう、社会的状況、雰囲気を作り上げる。その為には横並びにやらないとダメですよね。マスコミが同じように書いて、同じように叩いて、批判 して。それが今回の全体の悪なんじゃないかと思うんですけどね。

浅井 : それは、結局週刊誌の部数が伸びる、テレビの視聴率が取れる、そこだけで、弱者叩くという事ですか。

前田 : 僕はそうだと思いますけどね。それ以上の意味はないと思います。キャンペーンというのは、いきさつから見たら反大麻キャンペーンの一環とは言えないと思うんです。最初の入り口はね。若ノ鵬が捕まったことで、後の部分で警察庁とか、それはほとんどが相撲協会側の発表なんですよね。警察発表じゃなくて。


週刊誌も新聞もテレビ局も、自社の社員の尿検査をしろといいたい

浅井 : 今回の報道によって、逆に大麻がフューチャーされました。当然、海外で吸える国もあるし、さっき言った副流煙なら合法という理屈を弁護士側が持ちだしてきた。そこで、一般の人は大麻自体の存在は違法ではなくて、副流煙吸うだけならいいのかと疑問を持つようになったと思うんですよね。

前田 : 相撲なんて極限のスポーツですよね。そういう力士たちが大麻を吸っていて、いい成績を残せてるわけですよね。これは、大麻に害はないという証明のはずなんですがね。

浅井 : (笑)

前田 : 覚せい剤とかLSDやりながら、ボクシングしたり相撲はできないですから。だから、大麻では絶対的、少なくとも肉体的害はないという証明なんですよね。

浅井 : それはちょっと無理があるんじゃないですかね。

前田 : なんで。

浅井 : もし、吸ってなかったらもっと強いかもしれないという人もいるんじゃないですか。

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前田 : それは、ちょっと違うんじゃないですかね。でも、例えば他の覚せい剤とかドラッグだと、体ガタガタになりますからね。覚せい剤なんて、一回やると相撲なんてとれないですよ。その時だけはいいですけどね。だけど練習とかには使えないわけですから. 究極の肉体の限界までアスリート達が、大麻を常用している。

浅井 : なるほど、それが大麻が ダメージ肉体的害がない事の証になると。

前田 : の、はずなのにそういう事は、メディアは全然語らない。書けないですよね。そういうこと書くとまた、横並びに外れるから。で僕は、今回新聞記者がああいうふうに追い詰めていって、親方を辞めさせて、尿検査をさせて、「おまえら自分の会社でやれ」といいたい。朝日でも読売でもいいから。全員を対象にして、尿検査しろと、それで一人でもでたら社長クビだと。

浅井 : テレビ局も全社員にやれば危なそうですね。

前田 : そうそう。だから特にそれ書いた講談社の週刊現代の関係者、3,4誌全てが即時、尿検査して、それで一人でもでたらそいつをクビにして、社長もクビにしろと、おまえらがやっているのはそういう事だと。

浅井 : それは、検査で陽性になった新聞記者が、カンボジアで副流煙をちょっと吸ってと、言うかもしれないですよね。

前田 : だけど、そういう事は通用しないですよ。あの二人の力士はロスで吸ったと言う噂があるという噂記事をながして、それを傍証しているわけですよね。だから、日本でもやっていただろうという推測を。

浅井 : という事は、とにかく彼らは裁判を起こすかもしれないですね。

前田 : 僕は彼らにがんばってもらいたい。

浅井 : 若ノ鵬は一応、引退だと。で、彼は、彼が言っているのは他の大麻で捕まった芸能人だなんだってきちんと社会復帰できているじゃないかと。だから、相撲協会から脱退しろということは、自分が選んだ職業の道が全く絶たれてしまうという理屈ですけど、露鵬達は全く犯罪もなにも成立してない。

前田 : あの人たちはロシアだったらロシアの格闘技でやっていけてたかもしれない。それを日本の相撲を選択して人生賭けて日本にやってきているわけですよ。それをやめさせて、日本はむちゃくちゃな国ですよね。裁判をおこして、闘って頂きたいですよ。



メディアの内部ではマリファナ擁護派も一杯いると思うんですよ

浅井 : 覚せい剤は体を滅ぼしていきますよね。で、大麻はそうでないとするなら、大麻を取り締まろうとする国家の意図はどこにあるんですかね。

前田 : 一応、保険衛生的な害があると、有害であるというのが根拠なんですよね。で、有害か無罪で争った裁判が一杯あるんですよ。ところが、昭和62年に最高裁が有害であると認めたということで、それ以後は全部有害になるわけですよ。最高裁の判例を覆さないと下の下級審が従うわけですから。じゃ根拠はあるのかというと、全部アメリカ調査のそのまま受け売りで。

浅井 : 最高裁を覆すような証拠がないとダメなんですよね。

前田 : そうそう。それほど有害性がないとしてもなんでも ともかく、有罪なんですと。その理由が一切ないと説明することは難しいです。後は、社会の雰囲気が大麻に対して寛容になると最高裁も変わる。

浅井 : 大麻平和党党首が大麻は無害だと言ったらどうなんですかね。

前田 : 大麻平和党が公式的に言ったとなると一応、政治組織であり、認証されると一応あるグループのはっきりした主張になるわけですよ。そうするとメディアが書きやすい、あそこが言っていたと触れやすいんですよ。それで後でこちらが責任を持てばいいわけですから。そういうふうな、流れですよね。

大麻堂 看板

浅井 : なるほど、メディアに発言を出していくには大麻堂社長よりも、政党の党首の肩書きが必要ですよね。

前田 : そうですね 大麻についていろいろ言う人が増えてきたんですよね。でもまだバラバラで弱い。それを一つに結集してやれば、発言力が高まり、信頼性が高まるわけですよ。どこの誰が言っているんだよみたいなことがメディアに出たって、やっぱり組織として事務所があって、いつでも答えてくれるようなところがあると信頼度が違うと思うんですよ。メディアはロシアの力士を叩いているけどメディアの内部ではマリファナ擁護派も一杯いると思うんですよね。今は大麻を叩くという社会の流れで、でもその反動が来る可能性があるんですよ。

写真 : 前田氏が経営する大麻堂 東京店(下北沢)


大麻平和党が提案する日本の大麻政策

浅井 : 大麻平和党というのは今どの段階なんですか?

前田 : 今は、設立準備で、綱領とかスローガンとかこれから作って行きたい。ただ、僕の中ではすでにできているんだけど。産業大麻については、医療大麻についてはどうなのかとかあるんですけど。

浅井 : それで、掲示板で意見を募っている訳ですね。

前田 : 2、3日前に始めたばかりです。掲示板にはもっと自由に書きこんでもらって、スレッドもいっぱい立てて、それらの意見を拾っていって、そういうふうにして物事ができていくんだなっていうことを共同で作って行きたい。

浅井 : 最終的にはこの大麻平和党は大麻というのを、日本の国内においてはどういうふうにするのですか?

前田 : 産業大麻については、ヨーロッパの基準を適用していわゆるTHCの低い精度のものを栽培することについて、規制緩和をしてもらいたい。ヨーロッパの産業大麻のTHCの低いものは、吸ったらワッときて10秒くらい効いて終わりなんですよ。効きが薄いから誰もやらないし盗みにいったりもしない。ということで、日本でもっと産業用の 特に食料としては、栽培させろというわけですよね。で食料については、今の食料自給率の問題がありますよね。減反で空いている土地に産業用大麻を栽培したら植えるだけでカロリーベースで5%アップするんですよ。それを食べたら食料自給率5%アップする。だから、他の所にも植えたら10%、20%アップする。

浅井 : 医療用は完全にフリーですか。

前田 : そうです、医療用は、完全合法化しないといけません。でないと、医者は使いません。

浅井 : そりゃそうですね。

前田 : で、政府が支給する形にならないといけないですよね。種を確保できるような政策をとれという。それが輸入であっても政府が栽培しなければなりません。カナダの政府が栽培して支給しています。患者や患者の家族による本数を制限した栽培を認めるというのが筋でしょうね。世界の医療大麻合法化の流れをくむと。日本は今、逆流しているだけなんです。

浅井 : 一般嗜好としての大麻はどうでしょう。

前田 : 一般嗜好については、非犯罪化と。こういうふうに分けていけばいいのではかなと。一般については、タバコと同じようにしろという事なんですけど。例えば、20歳未満は違法ですとか。吸ったところで、別に重く罰せられるわけじゃないですよね。年齢制限をして売買はダメだよと。個人が個人使用のための所持はいいとか。

浅井 : 現在も税法の問題でタバコとかお酒は勝手に作れないですよね。そうすると、日本のJT製の大麻という事ですかね。

前田 : んー、それが望ましいんですが。

浅井 : そこにきちっと税金をかけて。

前田 : それが、やっぱり国の売上にもなるわけですよね。

浅井 : いち早くJTで大麻を売り出せば

前田 : 2010年にアメリカのどこかの州が、住民投票をして大麻に税金をかけ公的に認めるかを住民投票が行われる予定なんですよ。もし、可決すればアメリカでも初の大麻合法の州ができる。

浅井 : じゃ、大麻平和党としては個人の楽しみで成人が大麻を吸うことは、将来認めろという事ですか。

前田 : そうです。

浅井 : 法律で認められた以外の吸引には罰金をかけますか?

前田 : 重罰を科さないで、例えば20歳未満はだめですよ。とか、売買はだめですよとか、家の中に100本も植えたらだめですよとか、3本までですよとか。というのは欧米の流れですけどね。個人消費、個人所持に関しては罰するに値しないと。

浅井 : 逆に税金を取り入れると、自分で植えると脱税行為になって、また禁酒法時代になってきますよね。

前田 : そうそう。でもそれは納得すると思うんです一箱大麻が5,000円でもね。

浅井 : これだけ、国の財政が厳しい状況では、一定の規制をかけた上で、税金をとって、タバコのように、大麻3,000円でも5,000円でも税金をかけて販売するのはいいですね。

前田 : 10,000円でも、売れるでしょうね。

浅井 : 買うでしょうね。国の財政が潤うと思うんですけど。

大麻切手アップ
写真 : 今や幻の大麻堂オリジナル『大麻切手』(店頭で購入可能)

まずは東京都都議選から立候補をすることを考えている

浅井 : ここ最近、ネットで検索したら大麻がらみの検挙が多いようですが。露鵬達の事件の後に、急に取締りが厳しくなっているようなことはないですか。

前田 : ないですね。今回は当局が やったことと違うから、メディアが勝手にやったことだから。僕はそう思っていますよ。確かに、当局も逮捕者が増えてるといってますけど、あんなものさじ加減ですよ。僕だったら一日に100人捕まえられますよ。顔見たらわかります。パッとみたら、一万人なんて確実ですよ。

浅井 : 例えば、さっきのアメリカの2010年の合法化で税金を課税するということがあればそれをある種、それを証拠にして最高裁の昭和62年判決を覆すようにはならないんですかね。

前田 : その立法運動をする時期に来ているんだなと。大麻の問題と言うのは健康問題とかじゃなくて、政治問題なんですよね。はっきりと。アメリカによって禁止されたものですから。しかも、日本の文化の古代史からずっと関係あるものをアメリカの政治的圧力で占領下に禁止になったわけです。だから、それは政治的解決しかないわけですよ。それを変える為には、力をもたないと、わあわあ言ったってだめなわけで。だから、大麻平和党は、法律を変えることを最終的な目標としてます。その為には、選挙ということも必要でしょうね。

浅井 : なるほど。何か応援するかというか大麻平和党を盛り上げていく為には、僕らもそちらのサイトに行って、いろいろ意見を書き込めばいいわけですね。

前田 : そうです。それに、これからは数の力が必要ですね。今までは先端的な奴らが考えて、反論してやっているんですけど、それを寄せ集めて、支持者を、投票という形で見せ付けていかないといけないですよね。最初は1%とかかもしれないですけど。党員になると義務が生じるんですけど。

浅井 : どういう義務ですか。

前田 : 党できまったことは、一切守らなければいけない。(笑)皆で決めた事はね。それでないと、党員の意味ないですから。

浅井 : まだ、党の綱領はないわけですね。

前田 : つくるのは簡単ですよ。

浅井 : 立候補の予定はないですか。

前田 : まー僕が出るかどうかはどっちでもいいんですけどね。

浅井 : 前田さん以外はいないですよ。

前田 : まーしゃーないから、しばらくはやろうかと思ってます。でもっと優秀な奴が出てくれば、僕は党首になりたいわけじゃないから任せます。どっちかというと、僕は寝てるほうが好きだから。一応、ここまで来たから、外枠作りをして、自立して自動的に動くようになればそいつらに任せたい。

前田 : ただ、選挙の金がないんですよね。

浅井 : 供託金が必要ですよね。

前田 : 得票が少ないと取り上げられますから。最初は小さい選挙でいいですよ。でもメディアは同じように扱いますよ。東京都議選。そういう、戦略があるわけです。だから、小さいところからやっていけばいいんですよ。

(取材/浅井隆・山口生人)

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