イベント

11月

30

12月

13

終了中国インディペンデント映画祭2013

第4回目「中国インディペンデント映画祭」は、鑑賞機会の少ない中国の最新インディペンデント映画を網羅的に紹介する国内唯一の映画祭です。

  • 日程
    2013年11月30日 ~ 2013年12月13日

  • 時間
    13:00

  • 会場
    オーディトリウム渋谷(東京都渋谷区円山町1−5 KINOHAUS2F

独立(インディペンデント)映画が現代中国を内側からあぶり出す!
 ゲイのクラブ歌手、やらしい夢を見る人妻、死体密売人、北朝鮮から脱出してきた子供たち、妊娠しちゃった中学生……きれいごとではない生々しい中国の姿を、中国人が思いのままに描いた映画、それが独立映画。たとえ検閲を通らなくても、中国国内で上映できなくても、撮らずにはいられなかった映画たち。だからこそ感じるこの迫力、この面白さ。これを見ずして中国映画は語れない!

中国インディペンデント映画祭は、日本で鑑賞する機会の少ない中国の最新インディペンデント映画を網羅的に紹介する、国内唯一の映画祭です。

本映画祭は、主催者による独自のネットワークで中国の才能あるインディペンデント作家たちの最新作を集めて企画しております。企業スポンサーや行政からの支援を受けずに完全な有志で続けている、まさにインディペンデントな映画祭です。2008年8月に初めて開催し、翌年の2009年以降は2年に1度のペースで開催を重ねております。これまで中国の監督や日本国内からも多くのゲストを招いて交流するほか、大学との共同イベントなども企画してきました。回を追うごとに作品やゲストの数が増え、今回はフィクションとドキュメンタリーを合わせて上映本数14本と過去最多、中国からのゲストも前回を上回る予定です。
本映画祭で上映される作品には、普段のニュースで取りざたされるような「中国」とはまったく異なる、多面性のある中国社会、素顔の中国の人びとの姿を見ることができます。インディペンデント作家たちが、中国政府の検閲をほとんど受けずに自由な表現を追求した作品がそろっております。本映画祭は、多くの方々にこれらの映画に触れ、監督たちと言葉を交わし、ここでしか味わえない映画体験をする機会を提供いたします。

※本映画祭は特定の宗教・政治団体とは一切関係のない、映画を楽しむための企画です

【開催概要】
◆正式名称
 中国インディペンデント映画祭2013
 (略称:CIFFT 2013/英題:The 4th Chinese Independent Film Festival in Tokyo)
◆開催日程
 2013年11月30日(土)~12月13日(金)の14日間
◆会場
 オーディトリウム渋谷
 (住所:東京都渋谷区円山町1−5 KINOHAUS2F/電話番号:03-6809-0538)
◆主催
 中国インディペンデント映画祭実行委員会(代表者:中山大樹)
公式ウェブサイト http://cifft.net/  
公式twitter https://twitter.com/cifftnet  
公式facebook https://www.facebook.com/pages/中国インディペンデント映画祭2013/689093134451477?hc_location=stream

◆お問い合わせ
 広報宣伝チーム cifftpr@gmail.com

【上映プログラム】
◇フィクション作品
 『ホメられないかも』 監督:楊瑾(ヤン・ジン)/2012年/100分
 小学校を卒業した夏休み、ヤンジンは長距離バスに乗って同級生のシャオポーの田舎に遊びに行く。アニメーションを交えた独特のタッチで少年たちの成長を描く。ベルリン国際映画祭児童映画部門で上映された100分バージョン。(協力/東京国際映画祭)

 『卵と石』 監督:黄驥(ホアン・ジー)/2012年/101分
 都会で働く両親と離れて農村に留まる14歳の少女・紅貴は、幼なじみの男友達と会うのが唯一の楽しみだが、実は深刻な悩みを抱えていた。84年生まれの監督がパートナーの大塚竜治と制作した。ロッテルダム国際映画祭の大賞受賞作。(協力/大阪アジアン映画)

 『小荷(シャオホー)』 監督:劉姝(リウ・シュー)/2012年/90分
 田舎の高校で国語教師をしている小荷は、職場の空気に耐えられなくなって北京に出て行くことにするが……理想を持つほど生きづらい中国社会の現実を女性監督が描く。主演は『スプリング・フィーバー』などでヒロインを演じた譚卓(タン・ジュオ)。

 『白鶴に乗って』 監督:李睿珺(リー・ルイジン)/2012年/99分
 中国西部の農村で暮らす大工の馬さんは、棺桶作りの名人。しかし政府が土葬を禁ずるようになり、密かに埋葬した親友も役人に掘り返されてしまった。そこで馬さんが下した決心とは……美しい風景も魅力的。ヴェネツィア国際映画祭出品作品。

 『嫁ぐ死体』監督:彭韜(ポン・タオ)/2012年/90分
 火葬場で働く曹は、古い風習「鬼妻」にもとづく女性の遺体のブローカーという人に言えない副業を持つ。自分の死期が近づいていることを悟り、若い女性遺体をキープするが……『小蛾(シャオオー)の行方』で人々に衝撃を与えた彭韜監督の新作。

 『春夢』監督:楊荔鈉(ヤン・リーナー)/2012年/98分
 妻として母としてソツなく生活してきたファン・レイだったが、夢に出てくる男にすっかり心を奪われてしまう。中国映画ではほとんど語られることのなかった女性の性を描いた。かつてジャ・ジャンクー作品に出演していた楊荔鈉が監督。(協力/SKIPシティ国際Dシネマ映画祭)

◇ドキュメンタリー作品
 『マダム』 監督:邱炯炯(チュウ・ジョンジョン)/2010年/120分
 服飾デザイナーをする傍ら、派手な女装をしてステージに立つクラブ歌手。同性愛者が生きづらい中国社会でゲイとして生きる思いを赤裸々に語るドキュメンタリー。この歌手は撮影後に亡くなってしまい、ステージが見られる貴重な映画となってしまった。

 『治療』 監督:呉文光(ウー・ウェングアン)/2010年/80分
 2007年に母親を亡くした監督が、母親についての映像作品を作ろうとこれまでに撮りためてきた映像を編集し始めるが……中国ドキュメンタリー映画の草分けである呉文光監督が、新たに試みたセルフ・ドキュメンタリー。

 『唐爺さん』 監督:徐童(シュー・トン)/2011年/89分

 売春の元締めをして逮捕された唐小雁はその後釈放され、故郷で新年を迎えるため黒竜江省に帰省する。そこには80歳を超える父親がおり、カメラに向かって自分の半生を饒舌に語り出す。徐童監督はこの作品を『収穫』『占い師』と合わせて「游民三部作」と名づけている。

◇張律(チャン・リュル)監督特集
 『キムチを売る女』(2004)で話題を集めた奇才・張律監督の魅力に迫る特集。自分自身と同じ朝鮮族の人びとを描く作品で中国と韓国を行き来して制作を続ける張律は、各地の国際映画祭で活躍する知る人ぞ知る存在。今回は中国で撮影された3本を一挙上映。
 『豆滿江』2010年/90分 *ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門受賞作
 『重慶』2008年/93分 
 『唐詩』2004年/86分 *デビュー作

◇特別上映(関連する過去のインディペンデント映画を上映!)
 『ファック・シネマ』 監督:呉文光(ウー・ウェングアン)2005年/160分
 『占い師』 監督:徐童(シュー・トン)2010年/129分

【来日ゲスト】※予定
 楊瑾(ヤン・ジン)監督 『ホメられないかも』 :11月30日(土)、12月1日(日)
 張律(チャン・リュル)監督 『豆滿江』『重慶』『唐詩』 :11月30日(土)、12月1日(日)
 黄驥(ホアン・ジー)監督 『卵と石』 :11月30日(土)~12月12日(木)
 劉姝(リウ・シュー)監督 『小荷(シャオホー)』 :12月7日(土)、8日(日)
 李睿珺(リー・ルイジン)監督 『白鶴に乗って』 :12月7日(土)、8日(日)
 楊荔鈉(ヤン・リーナー)監督 『春夢』 :12月7日(土)、8日(日)
 邱炯炯(チュウ・ジョンジョン)監督 『マダム』 :12月7日(土)、8日(日)
 徐童(シュー・トン)監督 『唐爺さん』 :12月7日(土)、8日(日)

【中国インディペンデント映画とは】
 中国においてインディペンデント映画は「独立電影」と呼ばれています。中国の映画産業は国の管理下にあり、非常に厳しく、基準が曖昧な検閲が行われています。政治批判や性描写・暴力描写などにとどまらず、宗教や少数民族に関すること、同性愛を描いたもの、幽霊やオカルトなどの非科学的なこと、その他審査員が道徳的でないと判断するあらゆることが規制の対象になります。また、経済成長にともなって数多くの国産映画が作られるようになっている中国ですが、映画館といえばシネコンしかなく、スターが出演する大掛かりな商業映画でなければ劇場公開されないという、非常に偏った状況です。
 「独立電影」とは、こうした映画産業のシステムや商業的な制約から独立して、自由に作った映画のことを指します。ビデオカメラが普及した1990年代末から活発になりました。中には検閲を通している作品もありますが、その作風は独自性を重視しており、多くは検閲自体を受けようとせず、国内で劇場公開できないことを承知で自由な表現を追求して作られています。
現在、中国国内ではインディペンデント映画祭の多くが政府の圧力によって開催できない状況が続いています。管理体制の外にある映画を許さない政府の方針に合わないからです。しかし、その内容は決して反政府映画ではありません。純粋に映画としての魅力を追求した、力のある作品ばかりです。

【中山大樹代表プロフィール】
 1973年生まれ。金沢大学文学部社会学研究室卒。中国の中央財経大学、上海財経大学に留学後、日本法人で中国駐在員を勤める。その後、貿易会社経営を経て2008年に第一回中国インディペンデント映画祭を主宰。2009年に第二回、2011年に第三回を行い、今年は第四回となる。2010
年から2011年にかけては北京にあるインディペンデント映画支援機構・栗憲庭電影基金で勤務。現在も主に中国に暮らし、中国国内のインディペンデント映画祭や上映会に数多く携わっている。

レビュー(0)


コメント(0)


月別イベント