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終了笠間悠貴写真展“雲が山を越えるとき気流に姿を変える”

本展では、南米アンデスの4800メートルの高地で撮影した新作8点が発表されます。

  • 日程
    2017年11月22日 ~ 2017年12月06日

  • 時間
    12:00

  • 会場
    photographers' gallery

 笠間悠貴は、2008年12月にギャラリー山口で開催された写真展「風景をかじったねずみ」以来、大判カメラを使ったモノクロの作品を制作してきました。2013年の「顫え」以降は気象、特に風をテーマに撮影を続けています。風は、被写体として直接写り込むことがなくても、光の状態や水蒸気などを通じてフレーム全体に影響を及ぼすものです。形のないものをあえてテーマにすることで、写真のフレームの外側について思考する試みでもあります。
 本展では、南米アンデスの4800メートルの高地で撮影した新作8点が発表されます。そこは一年を通してほとんど気温に変化がない一方で、一日のうちに四季が訪れるという場所です。アンデスの尾根では、朝のうちにめまぐるしく天候が変化します。偏東風に乗ってアマゾン上空を渡ってきた湿気を含んだ空気は、アンデスを越えるとき、手前で水分がせき止められて濃密な雲となり、そこから乾燥した気流となって一気に吹き下ろすのです。雲を撮るという行為は、これまで写真史のなかでも長らく繰り返されてきました。本作では、そのパースペクティヴを逆転させて、雲を対象としてではなく、まさに雲のなかから地上の風景を撮ることをおこないました。雲のなかではほんの5メートルの先も見えない一面真っ白の世界です。そこに折からの風が雲をかき消し、時折外の景色が見えるのです。その一瞬に垣間見えた風景は、どこかこの世ならぬ別世界のように写し出されています。
展示内容/ゼラチンシルバープリント 8点

キーワード:

写真 / アート


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