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3月

06

終了配給サポートワークショップ「映画をヒットに導く宣伝とは?」トークショー開催

数々のヒット映画の宣伝に携わってきたデスペラードの森下詩子さんをナビゲーターとして招き、3/1公開映画『ペネロピ』を題材に宣伝の仕方についてお話を伺います。

  • 日程
    2008年03月06日

  • 時間
    21:00

  • 会場
    アップリンク・ファクトリー

来月より公開のクリスティーナ・リッチ出演話題映画『ペネロピ』とケイト・ブランシェットが第80回アカデミー賞の助演女優賞にノミネートされているゴールデン・ウィーク映画『アイム・ノット・ゼア』。
これらの作品はどのように宣伝されているのか?
数々のヒット映画の宣伝に携わってきたデスペラードの森下詩子さんをナビゲーターとして招き、企画から展開されるまで、映画をヒットへ導く宣伝の仕方についての現場のお話をしていただきます。
映画業界に興味のある方はぜひご参加ください。

今期で18期を迎える当社主催の<配給サポートワークショップ>は、映画の買付から上映、そしてDVD化、テレビ放送、インターネット配信といった映画配給の全プロセスと、買付の値段、契約の条件、興行成績、DVDの実売枚数、テレビ放送権の販売価格、インターネット配信権の販売価格等できるだけオープンにして、数字から見えてくる現在の日本映画業界の現状を知ってもらう事を趣旨としています。

◎ 日程:3/6(木)  21:00~23:00 
◎ ゲスト:森下詩子さん(株式会社デスペラード 劇場配給部 宣伝担当 チーフ・プロデューサー)
1997年 映画配給会社コムストック入社
2001年 退社後、フリーのパブリシストとして2作品受託
2002年 宣伝会社オフィス・エイト入社
2006年 退社後、デスペラード設立時に参加。現在に至る。
【主な配給・宣伝作品】
ドーベルマン、TAXi、ラン・ローラ・ラン、 ラブ・アクチュアリー、ビッグ・フィッシュ、エリザベスタウン、 エターナル・サンシャイン、華氏911など。
◎ 参加費:500円
◎ 会場:アップリンク・ファクトリー (東京都渋谷区宇田川町37-18 トツネビル1F)
TEL:03-6821-6821 / FAX:03-3485-8785

★予約/問い合わせ: TEL:03-6821-6821 (ワークショップ担当/星)

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  • 株式会社デスペラード 劇場配給部 宣伝担当 チーフ・プロデューサーの森下詩子さんをお呼びして、映画をヒットへ導く宣伝の仕方についての現場のお話をして頂きました。(一部内容をカットしている箇所がございます。)

    森下さんは、最近では映画「ペネロピ」の宣伝を手掛けられました。
    そこで具体的に「宣伝」とは、どういったお仕事なのかスタッフとの対談
    によりお聞ききしました。


    スタッフ:まず、映画「ペネロピ」はどういった映画なのでしょうか?
    森下さん:裕福な名家のお嬢様として生まれたが、主人公ペネロピは先祖が魔女にかけられた呪いのせいで豚の鼻を持って生まれてきた。
     両親は結婚をさせて呪いを解こうと何度もお見合いをセッティングするが、お見合いの相手は財産目当ての男ばかりである。
     彼らはペネロピの姿を見る度にその場から立ち去ってしまう。
     そんな中、唯一自分の姿を見ても逃げ出さない、マックスという人物に出会うが、またも裏切られてしまう。
     傷ついたペネロピは、自分の思い通りに生きて行くことを決意して家を飛び出すのだが、ペネロピの呪いは解ける日が来るのか、?といったストーリーです。
     テーマは、自分を好きでいられないと他人のことも好きになれない、 といった部分です。
    この映画は買い付けの段階で東京手アトルさんと一緒にお仕事をすることが決まっていました。


    スタッフ:「ペネロピ」はアメリカでも上映されていますが、日本とアメリカにおいて宣伝方法に違いはありますか?
    森下さん:アメリカのほうが日本よりもアートに対しての層がもっと狭いです。なので、アメリカではコメディーっぽく宣伝を行っています。


    スタッフ:制作費や宣伝費はおいくらぐらいかかりましたか?
    森下さん:今回の「ペネロピ」に関しては来日の記者会見を行いました。
     やはり、おもてなしの心は大切にしたいのでそれなりに金額も多く見積もらなくてはなりません。
     しかし、クリスティーナ・リッチは一人で来られて、衣装もご自分で用意されていたし、メイクに関しても日本のメイクアップアーティストを付けてよいとのことだったので、金銭的に考えれば他のハリウッド女優の方々よりも費用はかかりませんでした。


    スタッフ:クリスティーナ・リッチはサービスや対応がよいという噂を聞きましたが実際にメディアに対してどの位アプローチを行いましたか?
    森下さん:3日間程日本に滞在していましたが、朝の10時から18、19時位まで取材を行いました。だいたい50メディア位だと思います
    「ペネロピ」のターゲットの層は25~35歳位の方々なので、新聞の広告はそこまで大きく取り上げる必要がないと考えました。
     

    スタッフ:テレビの宣伝は局によってやはり値段が異なったりするのでしょうか

    森下さん:そうですね、あとは駆け引きの部分もかなりあるでしょう

    スタッフ:今回「ペネロピ」では様々なタイアップを行っていますが、詳しくお聞かせ下さい
    森下さん:例えば、普段折り込みチラシを作るのがあまり好きではないのですが、今回はタイアップした商品を押していきたかったので、力を入れて制作しました。
    チラシの一番上に載っているSUSANNAH HUNTERの鞄については、以前の経験を踏まえてかなり早い段階でタイアップのお話を持ちかけて行きました。
     またこのブランドの世界観は「ペネロピ」の世界観とぴったりで是非タイアップを行いたいという私の熱意を伝えました。
     そのこともあり、イギリスのデザイナーの方が一からデザインから起して下さりこだわの一品を作ることができました。
    アパレルのタイアップは制作するのに時間がかかるので、はやめにお話をしておくべきだと再度実感しました。

    スタッフ:飲食のタイアップはアパレルに比べてやりやすかったですか?
    森下さん:はい、だいぶやりやすかったです。
     しかしペネロピの映画の中に食べ物が出てこなかったのでので、どういった食べ物を考案すべきか、考えるのはやや難しかったです。

    スタッフ:ところで、代理店にはどういったことを依頼されましたか?
    森下さん:一人で宣伝を行うには限度がありますので、タイアップ先を見つけてもらったりしました。

    スタッフ:ペネロピをヒットさせる法則はありますか?
    森下さん:その法則は私自身も知りたいところですが、ペネロピに関してはターゲットがはっきりしていたので、それにあったマーケティングを行い反映させたので、やりやすい部分はありました。
    また、宣伝を行う上で多くの方々と関わりを持つので、その人達に熱意を伝え信じてもらえるようにすることは重要です。


    ここまでの質疑応答

    Q:宣伝を行う上で大切にしていることは?
    A:やはり最初の試写で観たときの感覚は常に忘れないように宣伝に携わっています。
     ペネロピを試写で観たときに「ありのままの自分でいたい」というテーマを強く感じたので、最後までそのテーマはぶれないようにしました。
     また、宣伝のお仕事を重ねる事に初見で、その映画から自らの考えを打ち出せるようになりました。

    Q:宣伝期間について教えて下さい
    A:だいたい一つの作品に半年を費やします。そして3ヶ月前にはマスコミの試写会が始まるので、その段階では全てが整っている状況にしなくてはなりません。

    Q:ペネロピの宣伝を手掛けているときに他の作品にも携わっていましたか?
    A:はい、邦画の宣伝を行っていました。丁度、東京国際映画祭に2本作品を出していましたので。


    Q:一通り宣伝を行われて、その手応えはありますか?
    A:今回ははっきり言って、辛口の批評家の方々にはうけない作品だと思っていたのですが、案外反応がよかったんです。これは、とても嬉しかったです。

    Q:配給会社と宣伝会社の違いは?
    A:配給会社は、その会社が買い付けから行いジャンルも様々です。
     もちろん自分好みではない作品に対しても宣伝しなくてはいけません
     宣伝会社は業界の中でも、とてもニーズのあるお仕事ですし、そうなるとお仕事を選ぶことも可能です。

    Q:インターネット媒体においての宣伝の可能性は?
    A:それは、これからおの課題です。
     例えば、今の段階ではブロガーをターゲットにして試写状を送り、ブログ内で宣伝をしてもらうなどといったことを行っています。


    Q:宣伝のお仕事はどこまで手掛けているのですか?
    A:例えば、映画のキャッチコピーやチラシの原稿なども極力自分で書いています自分の抱えられる仕事の限界を超えたら外注します。

    Q:今、洋画のマーケティングにおいてシェアーが下がっていますが、それによって買い付けの値段は変わりますか?
    A:確かに、ここ1年くらいでマーケットの変動があり、洋画の暴利の値段が少しおさまってきています。もうワンシーズン待ってみようといった風潮も見られますし、1つの単館の劇場がまっとうな値段で買って回せるくらいまで値段は下がってきています。これは良いことですね。
     また、制作面においても、日本の俳優さんを積極的にお誘いするようなタイアップの申し出があったりもします。

    Q:字幕の制作において苦労されることはありますか?
    A:私は直接関わったことがないので、具体的には言えませんが、映画「アイムノットヒア」では、音楽やその歌詞がとても重要な映画なので、苦労しました。

    Q:ターゲット以外のお客さんを呼びたい場合にどうされますか?
    A:ビジュアルや予告編などのアプローチで工夫していかなければなりません。


    スタッフ:これまでのお話を踏まえて、今後どのように活動されていきますか?
    森下さん:今の時代は、その人のスキルや人脈がとても重要になってきています。
    個々がプロデューサーであることの意識を忘れずに、新しい価値の提案をしていきたいです。

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    関連URL
    *「ペネロピ」公式サイト
    http://www.penelope-movie.com/

    *「アイム・ノット・ゼア」公式サイト
    http://www.imnotthere.jp/

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