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終了風俗資料館内特別展示「中川彩子原画展」のお知らせ

孤高の幻想画家・藤野一友の貴重な中川彩子名義の原画14点を初公開

  • 日程
    2009年05月09日 ~ 2009年06月09日

  • 時間
    10:00

  • 会場
    風俗資料館(新宿区揚場町2-17川島第二ビル五階)

東京飯田橋にありますSM・フェティシズム専門図書館「風俗資料館」にて、2009年5月1日から7月1日まで中川彩子氏の原画資料を公開いたします。
当館は会員制の図書館ですので、ご鑑賞いただくには通常の方法にてご入館いただく必要がありますが、会員以外の方は「ビジター」、女性の方でしたら水曜日の「夜の図書館」の時間をご利用いただければ、蔵書の閲覧とあわせて、ゆっくりとご鑑賞いただけます。「どなたでも」「お気軽に」というわけにはまいりませんが、興味のある方は是非足をお運びください。

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2009年 初夏の風俗資料館内特別展示
所蔵原画セレクション第二回

中川彩子原画展
~ある矯正具の裏面史 背骨のまがった娘たち~

■期 日:2009年5月1日(金)~2009年7月1日(水)
■場 所:風俗資料館(新宿区揚場町2-17川島第二ビル五階)
■入場料:不要

※本展示は、正会員・準会員・研究者会員およびビジター・夜の図書館にてご入館いただいた方のみがご鑑賞いただけます。

http://pl-fs.kir.jp/pc/info/tenji/nakagawa.htm

〒162-0824
東京都新宿区揚場町2-17川島第二ビル5F
風俗資料館
Tel:03-5261-9557
E-mail:pl-fs@kagoya.net
URL:http://pl-fs.kir.jp/pc/index.html
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■所蔵原画セレクション 第二回――
 2009年5月1日(金)~7月1日(水)の二か月間、風俗資料館内にて中川彩子氏(1928-1980)の原画を公開いたします。中川彩子氏の本名は藤野一友。三島由紀夫や澁澤龍彦が愛した幻想画家としても知られています。中川彩子という筆名は、1950年代~1970年初頭にかけて『風俗草紙』や『裏窓』『サスペンスマガジン』などの今でいうSM雑誌に藤野氏が密かに発表されていた美しい残酷画のための筆名です。
 今回公開する作品は、1964年に『裏窓』誌上にて発表された「ある矯正具の裏面史 背骨のまがった娘たち」の挿絵14点となります。古い銅版画のように繊細な線で描かれた中川氏の作品は、美しく気品にあふれ、見る者を妖しい異世界へといざなってくれます。
 藤野一友氏が中川彩子名義で活躍されていた当時、「SM」という言葉は現在のように即「SMプレイ」を想起させるものではありませんでした。SM誌には人々の幻想妄想空想が渦巻き、混沌としたアブノーマルなエロティシズムの表現に満ちていました。中川氏の作品世界はその筆頭ともいえるでしょう。当時のSM誌の(時に不条理な夢や憧れさえも包みこむ)豊かなイマジネーションの世界を皆様に思い出させてくれるものと確信いたします。
 是非、原画のご鑑賞とあわせ、掲載誌をご覧いただき、岐阜須三夫氏の真摯で不思議な味わいのある文章とともにお楽しみいただきたく思います。

■本展示関連書籍のご紹介――

・裏窓1964年3月号
  「ある矯正具の裏面史 背骨のまがった娘たち 第一回」
・裏窓1964年4月号
  「ある矯正具の裏面史 背骨のまがった娘たち 第二回」
・裏窓1964年5月号
  「ある矯正具の裏面史 背骨のまがった娘たち 第三回」

・裏窓叢書第十集『海賊奴隷島』
  著者・南郷京助 挿絵・中川彩子
  1965年8月1日発行 あまとりあ社
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  今なお多くのファンを魅了する名作「トロイの女奴隷」(サスペンスマガ
  ジン1965年5月号~8月号所収)の南郷・中川コンビによる長篇小説。
  南郷氏の硬質な残酷世界を中川氏のイマジネーション豊かな挿絵が彩り、
  妖しい戦慄を誘う魅力的な作品。

・画集『縄と女』
  編集・譚奇会
  1970年12月10日発行 三崎書房
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  『裏窓』『サスペンスマガジン』の執筆画家たちが大集合した豪華な箱入り
  画集。収録画家は中川彩子、鬼頭暁、東桂史、古正英生、都築峰子、山田彬
  弘、沖渉二、小日向一夢、椋陽児、石塚芳幸の十名。

・風俗草紙第7集『甘美な拷問』篇
  著者・中川彩子
  1971年5月28日発行 日本文芸社
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  大変珍しい中川彩子氏の小説作品集。中川氏は絵だけでなく多くの文章も
  発表されました。「哀しいマニア諸氏の哀しみに贈る」と題された前書き
  は必見です。なお、風俗資料館では1953年~1954年に日本特集出版社より
  発行されていた月刊誌『風俗草紙』も所蔵しております。

・藤野一友=中川彩子作品集『天使の緊縛』
  著者・藤野一友
  2002年8月30日発行 河出書房新社
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  中川彩子の活躍から四十年以上、藤野の死後からも、すでに二十年以上の
  月日が経過している。本書は、たぶん藤野の作品と中川の作品を並列させて
  掲載した、最初の画集になるだろう。(序文より)

・その他にも当時の『裏窓』それに続く『サスペンスマガジン(初期)』には、
 ほぼ毎号中川彩子氏の作品が収録されております。『風俗草紙』『風俗奇譚』
 などもどうぞ併せて閲覧ください。

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■風俗資料館内特別展示とは――
 風俗資料館では書籍や映像作品のほかに、多くの作家達が描いた膨大な原画コレクションや貴重な写真資料(その他、自筆の書簡など、作家ゆかりの品々)を所蔵しています。普段は閉架書庫に収められ、会員も目にする機会の少ないこれら秘蔵資料を、二か月ごとにテーマを変えて館内で公開しております。
 期間中は、一つのテーマに沿ってセレクトされた様々な資料が展示ウォールを中心にあらゆる場所に配置され、風俗資料館内を彩ります。展示は通常の図書館と併設しておこないます。ここでしか見ることのできない貴重な作品に囲まれて、ゆっくりと蔵書を閲覧する贅沢な時間をお楽しみください。

■ご入館について――
 風俗資料館内特別展示は別途入場料は必要ありません。ただし、本展示はこれまで数回開催いたしました「会員以外の方も入ることのできる展覧会」ではありません。正会員・準会員・研究者会員・ビジター・夜の図書館といった通常のご入館方法で来館された方のみが、蔵書の閲覧を楽しみつつ、ご鑑賞いただけるものです。会員以外で鑑賞を希望される方は「ビジター」や「夜の図書館」もどうぞ便利にご利用ください。
 閉架書庫の中で貴重な資料を死蔵させることなく、今の時代に一人静かに本と向き合い空想の世界に浸る時間を大切にされている皆様とともに、本物の作品に触れる喜びと感動を共有いたしたく思います。展示作品の当時を知る方も、初めて見るお若い方も、それぞれに心の奥底の記憶を呼び覚まし、新鮮な衝撃や感動、そして懐かしい安らぎを実感していただければと思います。

※正会員・準会員・ビジター・夜の図書館・研究者会員の詳細は以下URLをご確認ください。
http://pl-fs.kir.jp/pc/intro/admission.htm

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コメント(1)


  • 風俗資料館   2009-05-09 13:51

    【補足のご案内】


    ■風俗資料館とは――
     1984年に東京神楽坂にて設立された風俗資料館は、日本で唯一のSM・フェティシズム専門図書館です。戦後日本を代表するSM誌『奇譚クラブ』『裏窓』『風俗奇譚』は勿論のこと、大正時代の『変態資料』や、戦後間もなく乱造されたカストリ雑誌、SM黄金期を築き上げた『SMセレクト』『SMファン』『SMコレクター』『SMキング』等、さらには現在発行中の雑誌までを蒐集保存し、会員であればそれら1万7千冊あまりの膨大な蔵書を館内で自由に閲覧することができます。
     また当館には、雑誌・書籍・映像作品の他にも、様々な資料があります。伊藤晴雨氏や秋吉巒氏、中川彩子氏、椋陽児氏、喜多玲子(美濃村晃)氏、観世一則氏、四条綾氏の数々の原画、或るマニアの注文によりプライベートに描かれた四馬孝氏のオリジナルの原画、知る人ぞ知る孤高の画家臼井静洋氏の膨大な原画コレクション、粋古堂(本屋には流通しない会員頒布という方法をとって、伊藤晴雨氏の和綴じ本などを発行された伊藤敬次郎=竹酔氏)から頒布された膨大な緊縛写真(古い密着写真)、女性切腹の会「桐の会」の頒布作品、ビデオテープが生まれる前に制作された貴重な8ミリフィルム、戦後SM誌の歴史を敷衍する「濡木痴夢男(=「裏窓」元編集長)の自筆仕事メモ」など、ここでしか見ることのできない貴重な資料を大切に保管しています。
     書架に並ぶ蔵書は現在入手困難なものが多く、汚れたり破損をしてもなかなか補充することが出来ません。そこで会員制度を設け、これらの資料を保管する意味を理解していただける会員の方のみに大切に閲覧していただいています。

     過去から現在まで脈々と受け継がれた多くの方々の熱い思いが結集した風俗資料館は珠玉の作品の宝庫です。この財産は後世に残すべき貴重な文化だと思います。悪書追放の時代には「不健全図書」として表社会から排除され、現在も国会図書館の蔵書目録にさえ載っていない資料の蓄積は、多くの作り手と読者の魂の砦です。設立から四半世紀。初代高倉一館長の理念を受継ぎ、過去から現在そして未来へと繋がる一つの歴史を具現する場所として、私達はこの貴重な文化を東京の片隅で静かに守り続けます。



    ■女性限定「夜の図書館」
     風俗資料館では、多くの方のご要望にお応えし、毎週水曜日の19時~21時までの二時間、女性のみがお入りいただける時間を設けております。会員の女性は無料、会員以外の女性は1500円でご入館いただけます。男性の視線を気にせずにゆっくりと読書を楽しんでいただけるよう、スタッフも女性のみとなります。
     古いSM雑誌には何ともいえぬ味わいがあります。かつて「SM」という言葉は、現在多くの方がイメージするような「SMプレイ」を意味しておらず、何ものにもカテゴライズすることのできない空想妄想幻想の混沌としたアブノーマルなエロティシズムへの憧れそのものを指しました。読み応えのある小説や、美しい挿絵、熱い思いが伝わる撮影記や告白手記、真摯な評論や考証もの等々。マニア一人ひとりが夢見る世界は純粋なロマンチシズムに溢れ、SM好きの方は勿論のこと、イマジネーション豊かな女性の皆様に、自由な感性でお楽しみいただけることと思います。是非お気軽にご来館ください。



    ■会員制度等の詳細は以下HPにてご確認ください。ご入会前に試しに中を見てみたいという方への一日特別入館「ビジター制度」もございます。何かご不明な点、ご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。


    【風俗資料館HP=PC用】
    http://pl-fs.kir.jp/pc/index.html

    【風俗資料館HP=携帯用】
    http://pl-fs.kir.jp/index.htm

    開館時間=10:00-18:00
    休館日=木曜日・日曜日
    金曜日は21:00まで
    水曜日の19:00-21:00までは女性限定「夜の図書館」

    〒162-0824
    東京都新宿区揚場町2-17川島第二ビル5F
    Tel:03-5261-9557
    E-mail:pl-fs@kagoya.net

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