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投稿者:mari


7月

22

終了第25回<東京の夏>音楽祭2009 <海を渡った移民ソング> 桃源郷(ユートピア)へ ~ハワイ生まれの日本民謡「ホレホレ節」

明治・大正期、広島、山口、沖縄などから多くの日本人が、ハワイに渡った。 サトウキビ畑で働く人々の、望郷の想いが生んだ「ホレホレ節」。移民のソウルが蘇る。

  • 日程
    2009年07月22日

  • 時間
    18:30

  • 会場
    草月ホール

http://www.arion-edo.org/tsf/2009/program/m05/ 

 かつて近代日本の幕開けとともに、多くの日系人が移民として海を渡った。労働者として、仕事を求めて日本をあとにした彼らは、やがてそれぞれの土地に根付き、そこで日本から持ち込んだ古い風習や伝統文化を、「ふるさとのよすが」として大切に守り育てつつ、独自の文化をはぐくんでいった。

 そんな、海を渡ったハワイの日本人が、現地のマルチ・エスニックな社会状況のなかで生み出した知られざる日本民謡「ホレホレ節」。さとうきび耕地の過酷な労働に耐え、歌い継がれてきた共同体の歌「ホレホレ節」を紹介するとともに、台湾への出稼ぎ移民や、日本のさまざまな労働歌でつづるレクチャー&コンサート。
 
「日本」でも「外国」でもない、いわば「内」と「外」のはざまに力強く生き続けた、移民文化の歴史に視線を注ぐ。

●ハワイで生まれた日本民謡「ホレホレ節」

ハワイ 、 ハワイと夢見てきたが
流す涙は甘庶(きび)の中

 ホレホレ節は、ハワイの日本人一世が生み出した労働歌。19世紀末に日本人労働移民が組織的にハワイに送り込まれ、ハワイ各地の砂糖耕地で重労働についた。ホレホレ節は、その砂糖耕地での労働の中から生まれてきた民謡である。「ホレホレ」とは、砂糖黍の枯れ葉を手作業で掻き落としていく作業を指す。他の耕地労働に比べ比較的力がいらなかったため、これは主に女性の仕事だった。炎天下での「ホレホレ」の作業の中で、ともに励ましあい、力を合わせるために、また少しでも気を紛らわせるために、即興的にいろいろな歌詞をつけて歌われたものと思われる。ホレホレ節は、日本人移民がアメリカで生み出したおそらく唯一の民謡で、人々の間で歌い継がれてきた共同体の歌である。

 七七七五調の歌詞の内容は、砂糖耕地での生活、男女関係、とばく、今後の身の振り方についての思案、ふるさとへの思い、など、当時の移民の生活に密着したもので、日本語、ハワイ語、英語が入り混じっている。

 ホレホレ節の旋律は、移民の出身地であった広島、山口、熊本などの各地方の民謡が混ざり合ってできたものといわれ、耕地スタイルとお座敷スタイルの二つがある。耕地スタイルとは、文字通り、砂糖耕地で歌われたスタイル、一方お座敷スタイルとは、日本人労働者が町に出て自営業などを営み、日本人町が発達した1890年頃から、町の料亭のお座敷で芸者が歌い出したスタイルで、小唄風にアレンジされ、三味線伴奏で歌われる。耕地スタイルがゆったりと哀愁を帯びているのに対して、お座敷スタイルの「ホレホレ節」はテンポが早く、リズムも軽快である。また、ハワイ語を取り入れた囃子言葉(例:「アー そのわきゃチャッチャでヌイヌイカマアイナ(=素晴らしい土地の人)」など)が入っているのも特徴的だ。

 ハワイ出身の沖縄系四世のアリソン・アラカワ(新川)は、2000年の「NHKのど自慢inハワイ」で優勝、2002年に放送されたNHK連続テレビ小説「さくら」にも出演して、さとうきび畑から生まれた日系移民の労働歌「ホレホレ節」を日本に知らしめるきっかけを作った。

今日のホレホレ 辛くはないよ
夕べ届いた 里便り

横浜*出るときゃ 涙がでたが
今は子もある 孫もある

*日本人労働移民は、横浜を出航する船でハワイへ旅立った
(出典:早稲田みな子「ハワイ日系人の民謡 ホレホレ節」、立命館大学アート・リサーチセンター/アメリカンフォークソング資料保存プロジェクト)
http://www.arc.ritsumei.ac.jp/folksong/

【出演】

ソウル・フラワー・モノノケ・サミット

フランクリン王堂 (レクチャー)
アリソン・アラカワ (ホレホレ節)
ソウル・フラワー・モノノケ・サミット
大工哲弘 (唄、三絃)
大工苗子 (唄)
久保田麻琴 (ギター、ベース)
ロケットマツ (キーボード、アコーディオン、マンドリン)
服部正美 (ブラジル・パーカッション)
八木啓代 (司会)

【プログラム】

<PART1:歌い継がれる「ホレホレ節」レクチャー&デモンストレーション>
フランクリン王堂(スミソニアン協会アジア太平洋系アメリカ人プログラム・ディレクター)レクチャー:「民謡―ホレホレ節―ハワイの砂糖きびプランテーションの日系移民から」
アリソン・アラカワ(ホレホレ節)

<PART2:大工哲弘 移民の心を歌う>
八重山出身の沖縄民謡の唄い手、大工哲弘氏が、ハワイや台湾への移民、出稼ぎから生まれた、移民ソングを中心に歌う。
出演:大工哲弘(唄、三絃)、大工苗子(唄) ほか

<PART3:ソウル・フラワー・モノノケ・サミット ライヴ>
95年阪神淡路大震災をきっかけに誕生し、日本の労働歌、壮士演歌などをレパートリーに世界各地をめぐる、異色のアコースティック・チンドン・バンド、モノノケ・サミットによるライヴ。

全席自由
¥4,000

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