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2010-04-05 10:29


ひろゆき氏と2ch関連会社をひもづける画期的判決

2ch上の書き込みを元に出版された「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」を2008年6月に出版した新潮社側を相手に、西村氏側に支払う予定の印税を被害者に支払うよう求めて東京地裁に提訴した。原告は、損害賠償を被害者に支払うよう命じる判決を勝ち取ったが、西村氏は応じない状況が続いていたが、今年の1月新潮社が西村氏ではなく原告に直接印税を支払う和解に応じたという。

『2ちゃんねるに絡む訴訟などを30件以上扱ってきた篠崎正巳弁護士は「関連会社と西村氏のつながりが認められたのは画期的。手法を参考にさせてもらう」と話す』 asahi.com

2ちゃん側への印税、名誉毀損の被害者に支払いで和解
http://www.asahi.com/digital/internet/TKY201004040223.html

キーワード:

2ch / 2チャンネル / ひろゆき / 裁判


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コメント(1)


  • 四宮隆史(弁護士)   2010-04-05 20:44

    念のため、「画期的判決」とタイトルがなっていますが、今回は「和解」による解決なので、「画期的」ではありますが「判決」ではないです。

    「判決」と「和解」の大きな違いは、「判決」の内容は公開されますが、「和解」内容は原則として秘密保持条項が入っているので公開されません。

    なので、今回、ひろゆき氏とひろゆき氏の個人会社(シンガポール法人)が実質的には同一(=法人格否認の法理、という)という判断を、裁判所が「どういう理屈」で下したかが正確に分からないのが残念なところです。

    さらに若干の補足をすると、今回の裁判は、「債権差押命令の申立」という種類の裁判で、民事執行法という法律の「強制執行」に当たります。
    東京地裁の裁判官は「差押命令」を出して強制執行するのではなく、両者に和解を勧めたんですね。

    「強制執行」は、判決や公正証書のような債務名義がないと出来ません。だから、まずは「名誉毀損に基づく損害賠償請求」をして、勝訴判決を得たうえで、その勝訴判決をもとに今度は「強制執行の申立」をする、という段取りを取らないといけない。

    このホップ、ステップの裁判により、手間と費用がかかってしまう。今回の被害者の方は、新潮社からの印税から数十万円を得たようだが、2回の裁判費用で金銭的には「赤字」ではないか、と推測されます(あくまでも推測)。

    今回の和解により、ひろゆき氏の印税分から賠償額を回収できることが分かったが、これにより、「赤字」になっても少しでも回収できるなら訴えてやる!という被害者が続々と増えてくるかどうか、ですね。

    ちなみに、背景としては、数年前から下記のような報道がされる事態が続いていた、というのがあります。
    http://www.yomiuri.co.jp/net/news/20070306nt03.htm