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cinema

2016-01-04 17:35


萩尾望都、オールタイム・ベスト映画6作を語る

萩尾望都、オールタイム・ベスト映画6作を語る
ムービープラスで2016年1月に放送「この映画が観たい#28 ~萩尾望都のオールタイム・ベスト~」より、萩尾望都さん

CS映画専門チャンネル「ムービープラス」で放送中の「この映画が観たい」1月放送回に、「トーマの心臓」などの作品で知られる漫画家の萩尾望都さんが出演。様々な分野で活躍する著名人に記憶に残る映画体験と、それにまつわる人生の様々なエピソードを聞くこの番組で、オールタイム・ベスト映画を明かしている。

父親に連れられて怪獣映画を観に行ったことが映画の原体験だという萩尾さんが選んだのは、『タイム・マシン』『ゴジラ』『2001年宇宙の旅』『惑星ソラリス』『ブレードランナー』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の6作品。番組ではこれらの作品への思いとともに、自身の創作にまつわる貴重なエピソードも語っている。番組は1月4日(月)23:00から放送される(初回/以後再放送あり)。


『タイム・マシン』

「H・G・ウエルズの原作をどのように映画化するのかと思っていたのですが、主人公がちょっと未来に行ってまた戻ってくる、1日1日があっという間に過ぎていく様子をきちんと描いていて、ワクワクしました。どんな突飛な発想でも、丁寧に説明するエピソードを加えれば、人に説明することができる、ということを教えてもらいました」

監督:ジョージ・パル
出演:ロッド・テイラー、アラン・ヤング
1959年/アメリカ




『ゴジラ』

「戦後日本が生み出したスーパーヒーローのひとつ、こんなに怖がられて愛されるキャラクターはいません。ゴジラはそもそもビキニ沖の水爆実験がきっかけで生まれましたが、正体不明の巨大な怪物が街を潰しまくる姿には、太平洋戦争とはなんだったのか、日本人の戦争に対する原体験が集積しているのではないかと思います」

監督:本多猪四郎
出演:志村喬、河内桃子
1954年/日本





映画『2001年宇宙の旅』より

『2001年宇宙の旅』

「無機質でクリーンに磨き上げられた宇宙船の内部の描写や、宇宙空間を行く宇宙船の光と影のコントラストが美しく、素晴らしいアイディアが詰まっています。アーサー・C・クラークの原作小説は読んでいましたが、ラストの意味については映画を観ても分からず、10年くらい経って、新人類が生まれる話なんだ、と分かりました」

監督:スタンリー・キューブリック
出演:ケア・ダレー、ゲイリー・ロックウッド
1968年/イギリス、アメリカ




『惑星ソラリス』

「タルコフスキーは、「われわれはどこからきてどこへゆくのか」というオマル・ハイヤームの詩のことをずっと考えながら、過去を振り返って自分を見ることを繰り返し映画にしている感じがします。スタニスワフ・レムによる原作には「われわれはどこにもいけない」という絶望がありますが、映画はもう少し曖昧で優しい。タルコフスキーみたいなエンディングの作り方は私にはできないので、すごいなと思います」

監督:アンドレイ・タルコフスキー
出演:ナターリヤ・ボンダルチュク、ドナタス・バニオニス
1972年/ソビエト




映画『ブレードランナー』より

『ブレードランナー』

「死ぬ時にもしDVDを1本棺桶に入れられるなら、これを選びたいです。第三次世界大戦後の地球の未来はいろんなSF作家が描いているなか、フィリップ・K・ディックの原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』はほんとうに絶望的で、リアルなのかそれとも夢なのか崩壊した世界が多重的に進んでいく。でも映画では、ハリソン・フォードの明るいキャラクターで救われています。歌舞伎町を参考にしたという宣伝看板だらけの高層ビルなど、東洋的なテイストもおもしろいです」

監督:リドリー・スコット
出演:ハリソン・フォード、ルトガー・ハウアー
1982年/アメリカ




映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』より

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』

「未来と過去のギャップを楽しむ、とてもモダンなタイムスリップ・コメディ。主演のマイケル・J・フォックスの表情がこの作品の成功の半分を占めているといってもいいくらいです。過去に行くまでに、現代の世界の学生生活でアメリカのティーンの日常が積み重ねられていく脚本により、主人公がいろんなことに悩んだり考えたりする姿にシンクロして、彼への共感がどんどん深まっていきます」

監督:ロバート・ゼメキス
出演:マイケル・J・フォックス、クリストファー・ロイド
1985年/アメリカ


【ムービープラス】
「この映画が観たい#28 ~萩尾望都のオールタイム・ベスト~」

初回放送:201年1月4日(月)23:00~23:30
再放送:1月11日(月・祝)深夜3:00~3:30、13日(水)11:00~11:30、17日(日)8:30~9:00、22日(金)18:15~18:45、26日(火)11:15~11:45

公式サイト:http://www.movieplus.jp/guide/mybest/1601.html

キーワード:

萩尾望都 / SF


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