イギリスのバンド、ピンク・フロイドが10月6日、公式Facebookでガザ支援活動への支持とともに、デヴィッド・ギルモア、ニック・メイソン、ロジャー・ウォーターズという3人のメンバーで再結成すると発表した。2005年に行われたイベント「LIVE 8」での再結成以降、脱退したウォーターズ抜きのメンバーで制作された“最後の”アルバム『永遠/TOWA』が2014年にリリースされ、3人でバンドとしての活動は行っていなかった。今回の具体的な活動内容はまだ明らかになっていない。
イスラエルBDS(イスラエルに対する制裁を求める運動)賛同やパレスチナ支援表明など、その活動によって“ナチス”や“反ユダヤ主義”のレッテルを貼られているウォーターズは、2月20日付のINDEPENDENTでのインタビューで「音楽業界では、パレスチナ問題について声を上げることすらできない。公の場で(反イスラエル)発言をすれば、キャリアを失い、業界から抹殺されるからだ。僕は、彼らが怖がらずに立ち上がってくれるよう、何とか勇気づけたい。ベトナム戦争を止めるためミュージシャンがプロテストに加わる必要があったのと同じように、パレスチナ問題でもミュージシャンが必要とされている」と発言している。
【webDICE】元ピンクフロイド「パレスチナ支援は業界で禁句」
発表された声明文は以下の通り。
ピンク・フロイドは「女性ガザ自由船団」支援のために再結成します
デヴィッド・ギルモア、ニック・メイソン、ロジャー・ウォーターズは、「女性ガザ自由船団」支援のために団結し、イスラエル国防軍による国際水域での女性たちへの不当な逮捕と勾留に遺憾の意を表します。
▼ピンク・フロイド公式Facebookの投稿
イスラエル軍は5日、パレスチナのガザ地区からのロケット弾攻撃への報復として、ガザ地区を拠点とするイスラム原理主義組織ハマスの訓練施設などに空爆を行った。イスラエルによるガザ地区包囲解除を目指す団体「国際自由船団連合」の活動のひとつである、女性によるガザ支援船「女性ガザ自由船団(Women's Boat to Gaza)」は9月よりスペインのバレンシアからガザへと航海を行っている。そして10月5日には、アイルランドのノーベル平和賞受賞者マイレッド・コリガン・マグワイアなど13人の女性活動家を乗せた船がイスラエル海軍によって逮捕されたことが報道されている。
2011年にロンドンのO2アリーナでのロジャー・ウォーターズのツアー「The Wall Live」のステージにギルモアとメイソンが出演したことはあったものの、ピンク・フロイド名義としては11年ぶりの3人での活動となる。
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