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2018-03-22 14:00


想田和弘『演劇1,2』等6作UPLINK Cloudで配信

想田和弘『演劇1,2』等6作UPLINK Cloudで配信

国内外で評価されるドキュメンタリー映画監督・想田和弘による、ナレーションも音楽も入れない「観察映画」と名付けられたシリーズの最新作がシアター・イメージフォーラムにて連続公開。オンライン映画館「アップリンク・クラウド」では、4月7日(土)『港町』、6月『ザ・ビッグハウス THE BIG HOUSE』の公開を記念して、想田和弘監督作を一挙オンライン上映する。

配信を開始するのは、日本を代表する劇作家で演出家の平田オリザの創作現場にカメラを向け「平田オリザの世界」を徹底解剖した『演劇1』、『演劇2』の他、全6作品。『精神』は国内初配信。そして『選挙2』、『演劇1』、『演劇2』も国内初配信で、レンタルも行っていない作品。

なお、webDICEでは想田和弘監督が『港町』『ザ・ビッグハウス THE BIG HOUSE』について語るインタビューを4月に掲載する。

想田和弘監督
想田和弘監督

アップリンク・クラウド想田和弘監督特集ページ
http://www.uplink.co.jp/cloud/features/1431/

【配信開始】
2018年3月22日(木)14:00配信スタート

【料金】
・単品:500円
・『選挙1』と『選挙2』、『演劇1』と『演劇2』はそれぞれパック設定あり:800円 ・全作6本パック:2,000円

【視聴期間】
・単品:72時間
・『選挙1』と『選挙2』パック、『演劇1』と『演劇2』パック:30日間
・全作パック:30日間




◆作品ラインナップ(全6作品)

【観察映画第1弾】

『選挙』

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©Laboratory X, Inc.

ニッポンの民主主義を大解剖
選挙運動の裏まで見せた史上初のドキュメンタリー

2005年秋。東京で気ままに切手コイン商を営む「山さん」こと山内和彦(40歳)は、ひょんなことから自民党に白羽の矢を立てられ、市議会議員の補欠選挙に出馬することになった。政治家の秘書経験もない山さんは、政治の素人。しかも選挙区は、ほとんど縁もゆかりもない川崎市宮前区だ。地盤どころか後援会すらないまま、激しい選挙戦に突入することになる。しかし、自民党としても負ければ市議会与党の座を奪われてしまう大事な選挙。何としても勝たなければならない。地元選出の自民党議員や秘書たちによる激烈な戦闘態勢が組まれ、世にも過酷なドブ板戦が始まった。

監督・撮影・編集:想田和弘
登場人物:山内和彦、山内さゆり、小泉純一郎、川口順子、石原伸晃、萩原健司、橋本聖子 ほか
製作:Laboratory X, Inc.
協力:IFP
(2007年/日本、アメリカ/120分)


【観察映画第2弾】

『精神』

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©Laboratory X, Inc.

カメラがじっと目を凝らす。固く閉ざされていた精神科の扉が開く。

格差社会、ひきこもり、ニート、ネットカフェ難民、ワーキング・プア、無差別殺人…現代日本。閉塞的で孤独感がただようこの国で、誰もが「生きにくさ」を感じたことがあるのではないだろうか。『精神』は、精神科にカメラを入れ、その世界をつぶさに観察。「正気」と「狂気」の境界線を問い直し、現代人の精神のありように迫った。同時に、心に負った深い傷はどうしたら癒されるのか、正面から問いかける。外来の精神科診療所「こらーる岡山」に集う様々な患者たち。病気に苦しみ自殺未遂を繰り返す人もいれば、病気とつきあいながら、哲学や信仰、芸術を深めていく人もいる。涙あり、笑いあり、母がいて、子がいて、孤独と出会いがある。そこに社会の縮図が見える。代表である山本昌知医師のモットーは、「病気ではなく人を看る」、「本人の話に耳を傾ける」、「人薬(ひとぐすり)」。精神科病棟の鍵を取り払う運動にも取り組んできた「現代の赤ひげ」とも言える彼は、患者たちが地域で暮らしていける方法を模索し続けている。

監督・撮影・録音・編集・製作:想田和弘
製作補佐:柏木規与子
出演:「こらーる岡山」のみなさん 他
撮影協力:こらーる岡山/共助グループ・喫茶去/パステル作業所/ミニコラ作業所/北ふれあい介護サービスセンター/岡山県介護研修センター
(2008/アメリカ・日本/135分)


【観察映画番外編】

『Peace ピース』

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©Laboratory X, Inc.

主な登場人物は、3人の人間と野良猫たち。舞台は想田監督の前作『精神』に引き続き、岡山県岡山市。そこで暮らす人々や猫たちの何気ない日常をつぶさに描き出しながら、平和とは、共存とは、そしてそれらの条件とは何か、観客に問いかける観察ドキュメンタリー。

想田の妻の実家・柏木家に住みついた野良猫グループと、突如現れた「泥棒猫」との確執。91歳の独居老人・橋本至郎と、彼をボランティア同然で介護・支援する柏木夫妻。その夫妻自身にも迫る老い。そして、己の死を見つめる橋本の脳裏に突然蘇った、兵隊としての記憶―。台本無しで回される想田のカメラは、彼らの人生や“ニャン生”に訪れる大切な瞬間に奇跡的に立ち会う。観る者は、戦争と平和、生と死、拒絶と和解、ユーモアと切なさが同居する「生の時間」を体感し、「共に生きる」ことの難しさと可能性に思いを巡らせる。

監督・製作・撮影・編集:想田和弘
製作補佐:柏木規与子
撮影協力:共助グループ喫茶去、岡山済生会総合病院、移動ネットおかやま
(2010年/日本、アメリカ、韓国/75分)


【観察映画第3弾】

『演劇1』

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©Laboratory X, Inc.

日本を代表する劇作家で演出家の平田オリザと、彼が主宰する劇団・青年団。『演劇1』は、その創作現場にカメラを向け「平田オリザの世界」を徹底解剖する。芸術とは何か?日本の演劇界を永久に変えた、平田芸術の理論と実践。その神髄にカメラが迫る!

出演:平田オリザ、青年団・こまばアゴラ劇場の人々
監督・製作・撮影・編集:想田和弘
製作補佐:柏木規与子
製作:Laboratory X, Inc.
助成:独立行政法人国際交流基金ドキュメンタリー助成プログラムbr /> (2012年/日本・米国/172分)


【観察映画第4弾】

『演劇2』

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©Laboratory X, Inc.

演劇とは、コストも時間もかかる超アナログな芸術である。不況と財政難で公的な芸術関連予算は縮小傾向に。平田は「演劇が社会にとって必要不可欠である事」を世間に納得してもらおうと東奔西走する。『演劇1』が「平田オリザの世界」ならば、『演劇2』は「平田オリザと世界」を見つめる。演劇は21世紀を生き残れるのか?演劇とお金、政治、教育、ロボット、国際化。そこから垣間見える現代社会。

出演:平田オリザ、青年団・こまばアゴラ劇場の人々
監督・製作・撮影・編集:想田和弘
製作補佐:柏木規与子
製作:Laboratory X, Inc.
助成:独立行政法人国際交流基金ドキュメンタリー助成プログラム (2012 年/日本・米国・フランス/170 分)


【観察映画第5弾】

『選挙2』

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©Laboratory X, Inc.

選挙費用は総額8万4720円。
スローガンは脱原発。

舞台は、2011年4月の川崎市議会選挙。震災で実施が危ぶまれた、あの統一地方選挙だ。映画『選挙』(07年)では自民党の落下傘候補だった「山さん」こと山内和彦が、完全無所属で出馬した。スローガンは「脱原発」。自粛ムードと原発「安全」報道の中、候補者たちは原発問題を積極的に取り上げようとしない。小さな息子のいる山さんはその状況に怒りを感じ、急遽、立候補を決意したのだ。かつて小泉自民党の組織力と徹底的なドブ板戦で初当選した山さん。しかし、今度は違う。組織なし、カネなし、看板なし。準備もなし。選挙カーや事務所を使わず、タスキや握手も封印する豹変ぶりだ。ないないづくしの山さんに、果たして勝ち目は?

監督・製作・撮影・編集:想田和弘
製作補佐:柏木規与子
製作:Laboratory X, Inc.
(2013年/日本・米国/149分)

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想田和弘


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