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2018-12-02 19:30


ジョン・ウォーターズが選ぶ18年映画ベスト10

ジョン・ウォーターズが選ぶ18年映画ベスト10

『ピンク・フラミンゴ』のジョン・ウォーターズ監督が選ぶ2018年の映画ベスト10が、アメリカのアート誌「ARTFORUM」12月号の恒例企画として発表された。

1位はブリュノ・デュモン監督の『ジャネット、ジャンヌ・ダルクの幼年期』。フランスの国民的英雄幼年期をミュージカルで描き出した作品で、「全編フランス語で歌われる、とてつもなくラディカルでヘヴィ・メタルな小学校の時代劇。君は嫌いかもしれないけど」と評している。

ウォーターズ監督は2位として、アメリカで実際に起きた盗難事件を題材に、当事者と俳優を一緒に出演させた『American Animals』(原題)を選出。「素晴らしい演技のアンサンブルに、実際の犯罪者と被害者のインタビューを編集で全編に渡り組み込んだ犯罪もの。思春期グループの狂気は美しい」と解説。

3位となったのはアーティスト、ニコの晩年をデンマークの女優トリーヌ・ディルホム主演で劇映画化した『Nico, 1988』(原題)。「“麻薬中毒者の尊厳は受け入れられるべきか?”という問いを投げかける、小さくて物悲しく大胆不敵な伝記映画。その問いの答えは“ノー”だ」とコメントを寄せている。

4位にランクインしたのはニコラス・ケイジ主演のホラー『マッド・ダディ』。「アメリカの全ての親が我が子を殺しだす、という設定の、驚異的に怖く、よく練られた漆黒のコメディ」と評している。

7位はフランスの新鋭グザヴィエ・ルグランの長編初監督作『ジュリアン』が選ばれた。離婚した両親の間で揺れ動く少年を主人公にしたドラマで、「離婚、嫉妬、女嫌いと身体的虐待、そして子供への精神的ダメージで締めくくられる“今年最も気が滅入る映画”は私をとてつもなく幸せな気分にさせる」とウォーターズ監督は形容。

その他、『それでも夜は明ける』の脚本家ジョン・リドリーが1992年のロサンゼルス暴動をテーマにしたドキュメンタリー『Let It Fall: Los Angeles 1982-1992』(原題)などが選ばれている。

トップ10のランキングは以下の通り。


【ジョン・ウォーターズ監督が選ぶ2018年映画ベスト10】

1位『ジャネット、ジャンヌ・ダルクの幼年期』
ブリュノ・デュモン監督
※12月15日からユーロスペースで開催の「カイエ・デュ・シネマが選ぶ フランス映画の現在」にて上映

2位『American Animals』(原題)
バート・レイトン監督
※ファントム・フィルム配給により2019年5月日本公開予定

3位『Nico, 1988』(原題)
スザンナ・ニッキャレッリ監督
※日本未公開

4位『マッド・ダディ』
ブライアン・テイラー監督
※2018年6月23日 日本公開

5位『Blindspotting』(原題)
カルロス・ロペス・エストラーダ監督
※日本未公開

6位『The Green Fog』(原題)
ガイ・マディン、エヴァン・ジョンソン、ガレン・ジョンソン監督
※日本未公開

7位『ジュリアン』
グザヴィエ・ルグラン監督
※2019年1月25日 日本公開

8位『Sollers Point』(原題)
マシュー・ポーターフィールド監督
※日本未公開

9位『Let It Fall: Los Angeles 1982-1992』(原題)
ジョン・リドリー監督
※日本未公開

10位『Permanent Green Light』(原題)
デニス・クーパー、ザック・ファーリー監督
※日本未公開


【ARTFORUM】
FILM: BEST OF 2018 John Waters

[写真:ジョン・ウォーターズ監督(左)、映画『『ジャネット、ジャンヌ・ダルクの幼年期』(右)]



▼『ジャネット、ジャンヌ・ダルクの幼年期』予告編

▼『American Animals』(原題)予告編

▼『Nico, 1988』(原題)予告編

▼『マッド・ダディ』予告編

▼『Blindspotting』(原題)予告編

▼『The Green Fog』(原題)予告編

▼『ジュリアン』予告編

▼『Sollers Point』(原題)予告編

▼『Let It Fall: Los Angeles 1982-1992』(原題)予告編

▼『Permanent Green Light』(原題)予告編

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