平田オリザさんと京大の類人猿（ゴリラ）学者・山極先生の対談をテレビ番組でみた。
テーマは、コミュニケーション。
人間は人の心に踏み込んで語り合い、食事を共にするという点において、
一緒に生活はしても勝手に食事するゴリラとは決定的に違う。
だから、自己主張を大切にした個人主義、をすすめると無理がおこる。
「いい子を演じるのに疲れた」
という子供に向かって、
「本当の自分を出しなさい、みつけなさい」
と大人がいうことが子供を追い詰めていくというのはなるほどだった。
本当の自分なんてないんですから。
自分なんてもんは、他者との関係性においてしか成立しないし、変化するものだ。
変化しながら発見していくもんだ。
他者のマネをしながら、いろいろなことを取り入れていくもんだ。
社会に出て役割を演じることに疲れず、楽しめる、タフな人間をつくらなくちゃいけないのですと語る平田さんの口調は仙人のように深く穏やかで含蓄があった。
一方山極先生は論理的なのにどこかゴリラと会話ができそうな野性味が……。
今日の本
歌がるた小倉百人一首（田辺聖子）
夜ごはん
居酒屋で飲み
