2009-06-20

小杉武久 二つのコンサート@国立国際美術館 このエントリーを含むはてなブックマーク 

ブログ「だめ日記」から
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小杉武久と高橋悠治の競演、それはびっくりするほどパワフルなパフォーマンスだった!会場は床の座布団に座る式。60名ほどのブロックのほか立ち見もたくさん。小柄なおじさんがすたすたと登場し、椅子にかけるや何の溜めもなく、ツマミを回す。すると会場の物音にまぎれるほどの小さな小さな音が出る。

音が大きくなるにつれ、小柄だったおじさん=小杉武久もまた大きくなる。音の動きは速い。ふくらみうねり、小杉武久が手をゆらゆらさせるたび、デスクライトの光量を調節するたび、ツマミに手をかけるたびに変化する。

解説には、
紙箱の中に太陽電池で作動する複数の電子音発振器を入れ、それぞれにコンタクト・スピーカーを取り付ける。電球、懐中電灯の光の操作や小さなマイクを発音体や箱に接触させることでデリケートな音を作り出す。全ての音は2つのピッチ・シフターを通して変調される。
とあります。

2曲目。小杉さんの入りの一発、「トゥイ~」といううたいが最高にかっこいい。高橋悠治のピアノを増幅させうねらせ、二人の声を劇的にからませる。5曲のうち最もメロディアスだった。きたー小杉武久のバイオリン!の3曲目は、弓の毛が何本も切れてそよいでいる。

いま一番欲しいものは、4曲目で高橋悠治さんがコミカルにダンスのように格闘していた、何かに触れると派手な音が鳴る棒!この音叉みたいな棒には、コンタクト・マイクがついているらしい。――ふらりふらりと近付いてきた高橋悠治さんに、棒で頭をちょんと触られた!

高橋悠治さんは音の出る紙袋とも格闘していて、最後には中央に置かれたごみ箱に入れておしまい。これは光反応発振機が入った袋で、音はワイヤレスでマルチ・エフェクターに送られる仕組み。アクションのたびに大仰な音を立てるのがおもしろい。

ラストは小杉さんが、ケーブルがたくさん伸びたテーブルで、マース・カニングハム・ダンス・カンパニーのための委嘱作品の一部を演奏。小杉さんが、曲の終わるたびに小さく頷くのが印象的だった。演奏がすべて終わったら、小杉さんと高橋悠治さんが手をつないで現れた!割れんばかりの拍手です。心底、来て良かったと思った。

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mari

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mari

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