2009-10-14

「夏の逆襲」論考。 このエントリーを含むはてなブックマーク 

この前の日曜日に、渋谷のはすとばらと言うところで、
自身がオーガナイズしてるイベントを行った。
アナタワクセイというイベントで、レギュラーで通算10回目になる。

概要としては、毎回テーマを設け、それに合わせた店内の演出、ショーを行うというもの。

今回のテーマは「夏の逆襲」。

夏休みがあんまし無かった(笑)ということもあるが、
夏らしい事をあんまししていないなぁ、っていうのと、
店のマスターのGYUさんに花火師さんのイベント会社でプロモや宣伝用に映像を作ってる
島田清夏さんを紹介して貰ったので、彼女の花火映像をメインに組み立てて考えたところ、
夏の逆襲がいいんではないかと。

夏も過ぎ、初秋なこの時期にだからこそ、あえて夏をテーマにしてみた。

毎回のテーマは、季節に関連したモノが多い。
かつ、楽しんで、イベント企画に携わってくれる店のGYUさんと、僕の間では、
ナカナカ一筋縄でいかない感覚を共有していて、
例えば、春であれば、桜をメインにもってきつつも、春から夏に変わる境目だとか、
季節の変わりに目など過ぎて行く季節に残した想いを引きずるも、
新たな季節を心待ちにしつつも、ちょっと勇気いるんじゃね?的な、びびった感覚。

今回は、とっくに夏は過ぎてるので、多少強引に巻き戻した感も
無かったワケでは無いのだが、
店の演出としては、店内の窓を塞ぎ、割と暗めにした上で、
GYUさんが毎回何かしらを添える。
今回はススキの穂。店内BGは基本、虫の音。
この段階で、気分は秋の夕暮れ(笑)

18時から店をオープンさせ、19時、21時辺りに30分程のショーを設ける。
1回目はライブペインティングと、ブライアンイーノのアンビエントな感じのギター。

島田さんの映像には、20分かけて下から登る満月と花火を合成させ、
クロイワユミコフさんに絵を載せて貰う。
で、僕がロングトーンにアタックをゆっくりとさせたディレイのギターを弾く。
そこに、FMラジオなどでDJをやってるajaさんに朗読を収録したモノを。

普段の事ながら、毎回打ち合わせはほぼ酒呑んで終わるので、
とりあえずはインスピレーション、という名のもと、
とりあえずやってみる。

誰も、どういう事になるか判らないので、最初は、お互い様子をみつつ、
収録を20分というパッケージにしたので、その辺りで収める感じ。
コレが、全て生になると、一度収集がつかなくなった(笑)

2度目は、飛び入りで参加表明してくれた辻紗也香さん、
もはや酔っぱらってみんな描け〜、といことで、見に来てた知り合い、
子供達4人に、ハーモニカを持ってきてた人に無理矢理吹かす。

容易に想像できると思うが、ぐっちゃぐちゃに(笑)

ただ、このときの様子は、ボウルのようなお皿に手詰みの果物を落ちないように
愛おしく採っていく感じ。

ややもすれば、こぼれそうなのを、誰かが拾っていれては、誰かがこぼすような。
スクリーンに投影されてるとはいえ、満月と花火に落書きする、っていう事に、
みんな我を忘れて書き殴ってた。
花火の映像の角度によっては、描いたモノに光があたり、
時にはスポットライトのように照たる満月におおはしゃぎ。

そもそも、音楽を初め、映像など時間軸に沿っていくものが好きな僕としては、
絵を描いている最中の行為、ゲリラ的に自分の意図しない所に
絵が埋まっていくのを見てるのは愉快な事。
ただ、人柄にもよるけど、同じキャンパスにちょっと知り合ったぐらいだけの
画家さん二人を放り込むのは、少し勇気がいる。
前と、横のように棲み分けてあげないと、違う所に気を遣う。
ただ、今回に関しては、子供達の役割を大きかった様に思える。
手形、へのへのもへじ、多分、ネコ、ちびっ子ギャング共は、
好きなところに描いて、好きなタイミングで話しかける。

アート的なイベントやモノで言えば、とかく、感性や知識など、
それを理解する為の一定のフィルターがある事が多い気がする。
昔、大阪で子供ショーのバンドやらイベントをしてたこともあるが、
子供と一緒に飽きないで楽しむ事とかナカナカもって難しい。
2回目では、収録を2回ぐらい回したかな。
前後の余韻含めて1時間ぐらいはみんなで遊んだ(笑)

僕もギターを弾き、楽しみながらも、
それらを俯瞰で見てるような感じで見てたのだが、
それぞれが自分のペースで好きなように遊ぶってのは、
そうそう出来る事ではないし、それでいて、
何かしらのベクトルに向かっていたような。
途中から、夏とかどうでも良くなって行った気もするが、
終わった後一様に、みんな弾けてて楽しかった、と云い、
夏祭りの会場を後にして名残惜しげに歩く感じ、

こりゃまさしくアノ時間、「夏」でしたな、と。
気温や、シチュエーション、蝉の音やらでなくても、
熱のおび方で夏だった、と思う感じ。

次の日、GYUさんとのメールのやりとりの中で、
イベントで夏が終わり、家の近所でキンモクセイの薫りをかぐと、
足早に秋が迫ってることを感じ、早めに季節に追いつかなきゃ、と。
そして、母親の料理が食いたくなった、との述懐。

してやったりだね。

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