2010-10-29

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 昨日から本当に寒くなってきました。今日の日中は寒さも幾分和らいだけれど、昨日の晩はあまりの寒さに耐えられず、遠赤外線ヒーターを入れ、浴槽に湯をはり(これまではシャワーで済ませていました)、布団も毛布を一枚追加。

 昨日の午前中そんな寒さの中、しかも雨まで降っているのに(更に極端な金欠のために中野駅までは30分も歩いて)、映画を観にラピュタ阿佐ヶ谷へ。

 観たのは、杉並区の中瀬幼稚園の年長組の卒園までの一ヶ月の様子を追ったドキュメンタリー映画『風のなかで——むしのいのち くさのいのち もののいのち——』(監督:筒井勝彦、製作:グループ現代、2009年)。

 http://www.kazenonakade.com/

 地味な内容のドキュメンタリーだし、平日の午前中だし、悪天候だし、きっとガラガラに空いているだろうと思っていたら、中高年中心の観客で会場は満席。上映開始ギリギリに入場したため、本当に隅の方の補助席での観賞を強いられてしまいました。

 子どもがいないだけでなく、将来持ちたいとさえ思わない僕は、或る意味完全に「傍観者」として、距離を置いて観ていました。

 『風のなかで』は、中瀬幼稚園で過ごす子ども達、幼稚園の先生、子ども達のお母さん、園で作業する大工さん等の様子を淡々と映し出す、地味〜な映画です。幼稚園での日々が小さな子どもの視点から描かれ、取り立てて大きな出来事が起こる訳でもありません。卒園式のシーンもありません。只管子ども達が遊んだり共同作業をしたりしながら、驚いたり笑ったり喧嘩したり泣いたりするだけです。

 ただしこの幼稚園が独特なのは、子ども達自身にたき火のための火を熾させ、屋外の小屋の解体工事を手伝わせ、園の改修工事現場に積極的に入らせるなど、トラブルを恐れるあまり、事なかれ主義になりがちな昨今の風潮とは対極的な方針をとっていることです。最初の方で、子ども達と幼稚園の先生達が取り囲む中で燃やされている竹が、何度も「バン!バン!」と大音響と共に爆発し、破片が飛び散る光景にはビックリしました。あれは大人でも恐いですよ。

 ちょっと気になったのは、園児の保護者が若いお母さんばっかりだったことです。すなわち、父子家庭とか両親共いない家庭とか、そういういろいろな事情がある、あるいは両親共に朝から晩まで働かざるを得ないような家庭は、いろんな点で通わせられないような園なのかなあ…と。月謝が高いとか、そうでなくとも平日も半ドンの幼稚園だから、日中大人が家にいないような家庭は通わせられないだろうし…。

 今調べたら、平田智久・砂上史子・小林紀子編『保育内容“表現”』、ミネルヴァ書房、2010年、150-60頁で、中瀬幼稚園のことが取り上げられているようです。
 
 帰りも中野駅からは雨の中徒歩で。下半身は大分濡れてしまったし、手は霜焼けになってしまいました。身体的にはちょっとしんどかったですね。

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知世(Chise)

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知世(Chise)

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