2011-02-04

『kocorono』クロスレビュー:剥き出しで繊細な映画 このエントリーを含むはてなブックマーク 

暴力的でありながら繊細さを兼ね備えているバンド。
それが私のブッチャーズに対するイメージ。
正直、私がブッチャーズをしったのはここ最近で、はっきり言って熱心なファンでもない。
ただとても興味があった。なぜ孤高と言われるか、何かを表現する人として興味があった。
何やら結成23年らしい。私が勝手に想像するには23年も同じメンバーでやっていくくらいのバンドなら(途中で脱退、加入などあったが)、メンバーもお互いを知り尽くしていて口論なんてそんなに無いものだと思っていた。でも違った。最初から裏切られた。
お金の事から音楽の事まで、なにやら上手くいっていないようだ。
もっと上手くまとめる術だってあるはずなのに、もっと要領よくやっていく術があるはずなのに。
それはもう心に突き刺さる程、あまりにも不器用で、純粋で、それを剥き出しのまま、ずっとスクリーンに映し出される。
確かにそこには鬱屈した何かがうじゃうじゃと溜まっていて、吉村さんの「何で分からないんだ!」とう叫びが痛い程伝わってくるようだった。
こうなったら私が彼らのファンとかそんなの関係ない。
私も真剣にそれを受け止めようとスクリーンに挑む。
これを見て私は彼らの10年、20年後の姿も見たくなった。
きっとこんな鬱屈とした緊迫した状態だからころ、彼らの音楽が誕生したのだろうと思ったから。どう変化していくのか、何処に向かって行くのか。

映画を見て、最初に私が思った
「暴力的でありながら繊細さを兼ね備えているバンド。」はその通りだったが、
「繊細がゆえの暴力的」なんだと感じた。

この映画の公開を機に彼等の入手困難になっている名作の数々を是非再発して欲しい。

キーワード:


コメント(0)


guruguru

ゲストブロガー

guruguru


月別アーカイブ