2012-01-27

「北欧映画屈指の名作を再びスクリーンで!」 トーキョーノーザンライツフェスティバル2012 作品紹介 File.02 『春にして君を想う』 このエントリーを含むはてなブックマーク 



【上映日時】
① 2月11日(土)/16:30
② 2月13日(月)/16:30

◆フリドリック・トール・フリドリクソン監督特集 -Friðrik Þór Friðriksson-

『春にして君を想う』
■ 原題:Börn náttúrunnar/英題:Children of Nature
■ 監督:フリドリック・トール・フリドリクソン(Friðrik Þór Friðriksson)
■ 出演:ギスリ・ハルドルソン/シグリドゥル・ハーガリン/ルーリク・ハラルドソン/ブルーノ・ガンツ
■ 1991年 アイスランド/ドイツ/ノルウェー ■ 82min ■ 言語:Icelandic/English
【受賞】 1991年アカデミー賞外国語映画賞ノミネート

【ストーリー】
アイスランドの自然豊かな牧草地帯。独り暮らしの農夫ソウルゲイルは、身辺を整理して レイキャビクの娘家族の住むアパートに身を寄せる。しかし都会の狭いアパートには老いた彼の居場所はなかった。とうとう老人ホームに入れられることになった彼は、そこで幼馴染のステラに再会する。「こんな場所で死にたくない」というステラの願いになかば引きずられるように、ある夜、ふたりはホームを脱走する。目指すのは自分の魂が還る場所、今は無人となっている遥かな故郷の島である。逃避行を続けるうちに、その旅はいつしか遠い思い出と幻影に彩られたものになってゆく。
そして最期にふたりが辿り着いた場所は…。

【解説】
いつか自分が死ぬその時、“魂の還ってゆく場所”を、はっきりと思い浮かべられる人はどれだけいるだろうか?ステラは自分の魂の還る場所を遠い故郷の島と思い定めており、幼馴染のソウルゲイルを供として、思い出に引き戻されるかのように、老いた脚でどこまでも進んでいく。それは、気付けばいつのまにか遠くまで来てしまった人生の道のりを遡っていくふたりの道行きでもあった。
公開当初は不入りだったものの、翌1992年にアカデミー外国語映画賞にノミネートされた ことをきっかけに爆発的なヒットとなり、アイスランドでは、実に当時の人口約26万人のうち 20万人が観るという現象を巻き起こした、フリドリクソン監督の名声を一気に高めた作品である。
アイスランドの原風景のなかに次第に超自然的なものが現れてくる道程の、息を呑むような美しさは圧巻である。
『ベルリン天使の詩』のブルーノ・ガンツが同じ天使役で登場するラストシーンは、映画狂であるフリドリクソン監督の遊び心と同時に、ステラの魂を最期まで誠実に見守ったソウルゲイルへの慈しみに溢れている。

※フリドリクソン監督の2010年作品『マンマ・ゴーゴー』では、『春にして君を想う』公開当時の不入りがエピソードとして盛り込まれている。(雨宮)

「トーキョーノーザンライツフェスティバル2012」公式サイト http://www.tnlf.jp/

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