2012-08-29

『最強のふたり』クロスレビュー:痛快な社会派ムービー このエントリーを含むはてなブックマーク 

この映画は、意外な二人の物語である。

一人は、移民で失業者で前科者という社会のはみ出し者。
もう一方は、裕福だが天涯孤独、全身麻痺という障がい者。

ひょんなきっかけで出会った二人の共通点、
それは「社会的弱者」であること。

しかし、肌の色や収入など、目に見えるものは関係ない、
大切なことは至ってシンプル。

「ただ、ありのままの自分を生きればいい」

とこの映画は教えてくれる。

そうはいっても「ありのままの自分をさらけだすこと」なんて、
日常的に取り繕うことに縛られた大人には容易なことではない。
そんな人の弱さも丁寧に描きながら、「友情」によって少しずつ
変わっていく主人公達の姿に胸を打たれる。
そして、心を通わせることが人生をいかに色鮮やかな世界へ
と導いてくれるのか、ぜひ映画館で堪能していただきたい。

また、この作品では、社会が持つ暗部—格差社会、移民・貧困問題、
ドラッグ、人種差別、障がい者介護—の要素を盛り込んでいるが、
重くなりがちなテーマを途切れないユーモアとポップな音楽を絡めながら、
痛快に吹き飛ばす。人の心が持つ温かさ、タフさが描かれる様をみて、
観ている者は明るく前向きな心へとと勇気づけられるだろう。

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marimari

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