骰子の眼

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東京都 渋谷区

2009-01-23 21:24


RUN&SEXで決めるAV最強最速決定戦、8年ぶり堂々の復活!カンパニー松尾監督『テレクラキャノンボール』シリーズ上映会

老若男女問わず、AVをみんなで鑑賞する特殊上映会を開催!「テレクラはこんなに素晴らしい」と語るカンパニー松尾監督のトークをご堪能あれ!
RUN&SEXで決めるAV最強最速決定戦、8年ぶり堂々の復活!カンパニー松尾監督『テレクラキャノンボール』シリーズ上映会
左より雨宮まみ、カンパニー松尾、松江哲明

出場者は、決められた区間(東京→福岡)を車、バイク等で移動。その間、設定されたスポットでテレクラ等を利用して素人モデルをゲットし撮影する。走行区間、撮影区間はそれぞれステージに分けられ、順位、撮影内容などによってポイントが与えられ、終了時の獲得ポイントによって順位が決められる。優勝者には栄誉と副賞としてボールガール(まり子*Gカップ)の肉体が与えられる――これは、カンパニー松尾のAV作品『テレクラキャノンボール2009 賞品はまり子*Gカップ』の内容である。
この『テレクラキャノンボール』とは1997年から2000年にかけてリリースされた人気シリーズで、VHS/DVD共に廃盤となった幻の名作。それが8年ぶりにまさかの復活を果たした。 このDVD発売を記念して、旧作品を含む『テレクラキャノンボール』特別編集版の上映会が、1月13日・14日にアップリンク・ファクトリーで開催された。上映後にカンパニー松尾、上映会の企画者であるAVライター・雨宮まみ、映画監督・松江哲明とのトークが繰り広げられた。


『テレクラキャノンボール』にはかかせない名優、花岡じった

雨宮まみ(以下、雨宮):いま皆さんに、『テレクラキャノンボール 東京・仙台・青森 爆走1500キロ』(97)と『東京・函館・札幌・釧路爆走1600キロ テレクラ&ナンパキャノンボール3 強チン激突昇天篇』(00)の特別編集版2本を観ていただいたわけですけど、あまりAVを観ていない人からすると男優さん、特に花岡じったさんは怖いというイメージがものすごくつきそうな感じですよね。

カンパニー松尾(以下、松尾):そうですね。花岡さんはキレまくってますけど、落ち着いたら笑顔ですから。あんなふうに喜怒哀楽出せる人はいないんで。そこが花岡さんのいいところなんですね。

雨宮:そんな『テレクラキャノンボール』が好きな松江哲明さんに来ていただきましたけど、いつ頃から観てるんですか?

松江哲明(以下、松江):僕は一番最初に発売された97年のときから観ていて。

テレクラキャノンボールtalk01

松尾:そのとき松江はいくつだったの?

松江:11年前だから、ハタチ。

松尾:童貞です(笑)。

松江:結局、このシリーズは3年続いたんですよね。僕、この3年の間は童貞でしたよ。やっぱり花岡さんが印象深いですね。

雨宮:ある意味、主役ですよね。

松江:過去のシリーズを見直したんですけど、やっぱり面白いです。男優のいちはらカズさんがすごいキレイな人をゲットしたけど、花岡さんはそうでない人だったんですよ。そうしたら、くやしがって枕をバーン!って叩くんですよね(笑)。

雨宮:ナンパのシーンでは花岡さんもチャレンジするんですけど、怪しすぎてまったく女の子を捕まえられないんですよ(笑)。

松尾:服装とかがめちゃくちゃで。サメのTシャツ着てるんですよ(笑)。ジョーズじゃないんですけど、サメ付きの。

松江:あれ、大阪のオバチャンですよね。

松尾:そうそうそう。あと、タンクトップにレイバンみたいな(笑)。それがかっこいいんですよ。レイバンが似合う男はなかなかいないね。


タオルで顔を隠す女が出てくる、バクシーシ山下の才能

松尾:今日はほんとにこんなに来ていただいて嬉しいです。ただ、やっぱり昔のことなんで恥ずかしかったですね。作りは雑だと思ったし、テロップが見づらいとか問題はいろいろあるんだけど、やっぱり人間が映っているという部分でいうと、このシリーズというのはハチャメチャだなぁという意味ではいい。

雨宮:キャラクター濃いですよね。

松江:みんな自己主張が強いというか。今回の新作もそうだけど、バクシーシ山下さんが出てくるとタオルで隠さないといけない女の子が出てきますね。

テレクラキャノンボール場面01

松尾:バクシーシ山下はAV監督で、普段ハメ撮りをしない人なので実際の人間像は分かりづらい人なんですけど、女優さんのドキュメンタリーは非常に上手い。僕が思うに、山下さんは非常にフラットな人間で、フラットな姿勢でカメラを持っているんですよね。僕とか花岡じったは「自分が、自分が」というところがあって、山下さんは引き気味で撮れるんですよ。逆に言うと女の子が鮮明に映るんですよね。
これは説明がしづらいんですけど、たとえば女の子が顔を出せない場合、僕だったらAV的なお約束で目隠しにしますが、山下さんはタオルで隠しますよね(笑)。思いついたらたまたまタオルだったって言うけど、タオルから口だけ出しちゃってる(笑)。それをエロ的に解釈するんじゃなくて、「しょうがないよね、口だけ出してみてよ」っていうふうにやっちゃうっていう。そういう恐ろしさがあるんですね、いつも。


雨宮:出てくる女性が、山下さん的な女性になっちゃうっていうのが不思議なんですよね。

松尾:山下さんは人の話をよく聞いてあげるんで、女の子の話をよく拾うんですよ。コギャルの女の子にカメラを渡して、女の子をのらせるのが上手い。あれとかって山下さんが、「俺が撮るんじゃなくて、あとは適当に撮ってよ」っていうときに起きたことなんですよね。山下さんの持ち味はああいうとこなんですよ。

雨宮:山下さんは、ノリのいいギャルがのってくれるパターンと、タオルで隠してるみたいにかたくなな女の子っていう2パターンがあって、新作には2パターン両方の女性が登場するんですよね。それを狙って撮ってるわけじゃなくて、たまたま出会ってるだけで。なぜかそういう人が山下さんのところにやってくるマジックがあるんですよね。

松尾:僕は山下さんの傍に20年くらいいますけど、撮り方がいい意味で、こっちの状況をつくれるっていうところが俊英ですよね。山下さんは最近仕事してなくてどうしようもないですから、たまには褒めてあげないといけないですね(笑)。

このシリーズをやめた理由は特になかった

雨宮:1997年から2000年まで続いた『テレクラキャノンボール』シリーズを、9年ぶりに撮ろうと思われたのはなぜですか?

テレクラキャノンボール場面03

松尾:AV業界の中で『AVグランプリ』という、各メーカーが1本用意して撮りましょうというお祭がありまして。それが昨年の11月に開催されて、それに遡って夏に撮りました。最初に企画を考えていたとき、真面目に売上げを追求しても大手のメーカーさんは女優さんというスゴイのを持っていて勝てないのはわかっているので、ここは遊ばせていただこうかと。通常のラインナップでリリースするよりも、『AVグランプリ』はお祭ものだから企画でいいものを出した方が注目度はあると思って、『テレクラキャノンボール』でもやろうかなと。何にしようかとか全く悩んでないんですよ。すぐに思いついた。もともとやめた理由はなかったんです。


雨宮:別にやめたくてやめたわけじゃなくて。

松尾:シリーズ4年目のときに、もうひとつ2000年にリリースする予定があったんですが、ちょうど21世紀になる前で、21人のハメ撮り氏を呼んで撮った作品『ハメ撮り21世紀』をやったら予算がなくなったんです。どっちを選ぶのかといったら語呂のいい『ハメ撮り21世紀』になってしまったんですね。

雨宮:ちょうど『2001年テレクラの旅』とかが出た頃で。とにかく年号を合わせるっていうのが、なんとなく続いちゃたというような事情なんですよね。

松尾:そう。つまんないからとかじゃなくて。ただ、北海道までスケールアップしちゃって、次どこに行けばいいんだよっていう話があって終わったということですよね。

雨宮:新作は、いままで主役に近いほどの存在感を放っていた花岡さんが参戦できないというハンデがあったわけですけど、その代わりにビーバップみのる監督が加わりましたね。

松尾:僕的には、これは今年つくったものなのでたぶん面白いんじゃないかと思います。昔のシリーズはいま観ると、罰ゲームっぽいですよね(笑)。

「テレクラはこんなに素晴らしいんだ」と言いたい

雨宮:実際テレクラに関して、昔と変わったことはありますか?

テレクラキャノンボールtalk02

松尾:昔のテレクラの方が白と黒じゃない部分、要するに、援助交際とそうじゃない部分がちゃんと存在していましたね。今のテレクラは、援助交際というニュアンスが多い。「今どこ?会えるの?いくら?」みたいなのが多いので、それじゃない部分。たとえば声の質感というか、ゆる~い感じがして、たぶん会って話をしたらねじれるかもしれないという。
それこそシリーズの最初に行った青森は小さい町なんだけどテレクラが13軒もあって、ほんとにすごくいい場所だったんですね。それから規制でテレクラがなくなっていくんですけど、単純に援助交際っていう建前が重要なんですよ。だって、「いまエッチしたいけど会わない?」なんて女の子にいえないし。だから援助で受けるのはいいんですよ。その先で、それをテレクラみたいなのじゃなくて、いかにゆる~い感じの子と会って家にいっちゃうとかは醍醐味ですね。テレクラってそういう男と女の出会いの場だったんですよ!


松江:新作にはそういうテレクラの風景はないですね。

松尾:あれはダメですよ。2009年のテレクラはゴミ拾いだよ。2000年の条例でティッシュを撒けなくなったんですね。ということは電話番号を知っている人はいない。要するにテレクラ店は街に対して宣伝ができない。昔はティッシュに電話番号を書いてあって、無料で手に入ったのに今は一切出来ない。

雨宮:ちなみに、いま電話かけても普通に繋げませんよね。

松尾:そうですね。基本的にダイレクトに繋いでいるのは一部で。相手の女の子が18歳だったら、年齢確認をとらないといけないのが条例で決まっちゃったんです。お店はそんなシステムを導入するわけがないし、お金もないし。そこで店をたたんじゃったのが現状ですね。いま既存で残ってるチェーン店のテレクラは、そういうシステムを入れてますよという建前のもとにやっている。だけど、ダイレクトに女の子自身が広告とかで番号を手に入れて、ふらっと電話をかける状況ではないですね。

雨宮:昔よく、バレンタインコールというのをかけていて(笑)。ホームページもまだあるんですけど、かけてもダイレクトに繋げてくれませんね。

松尾:ほんとに昔は駆け込み寺だったんですよ、テレクラっていうのは。深夜までやっていたし。いまは夜12時で終わってしまう。昔の『テレクラキャノンボール』というのは、「テレクラはこんなに素晴らしい」と言いたいんだという感じがする。

雨宮:俺はテレクラに救われたっていう感じですよね。

AVドキュメンタリーがジャンルとして成立しなくなった

(以下、質疑応答)

質問:今回、ドグマで活躍しているビーバップみのる監督が出ていましたが、たとえば、石橋渉さんや松本和彦さんなど他社で撮影されているナンパで有名な方を参戦させる考えはありますか?

テレクラキャノンボール場面02

松尾:もちろんキャラの立っている人は他にいらっしゃいますが、人選に関しては僕とのフィッティング、テレクラキャノンとのフィッティングだけを考えているんですよ。誰が来たら、この仲間に入りやすいのかなって。腕っぷしナンバーワン決定戦とかって言ってるけど、ほんとの腕っぷしではギスギスすると思う。だから僕が知らない変な人はあまり呼びたくないなと思って。一緒に戦う上でも、同じようなものを持ってる人がいいですね。

雨宮:M-1じゃないんだよっていうことですよね。一番強い人を決めようっていうのではない。

松尾:これを面白がっていけるメンバーは誰かっていう感じですね。僕は言い訳する奴は嫌い。あとガチでこない。ガチでこないっていうのは見かけじゃなくてね。

雨宮:仕事じゃないよっていうのも。

松尾:仕事で呼んじゃうと困る。そういう人選になるんですね。

松江:たとえば男優で加藤鷹さんがいないとか、そういうところですかね。AVに対するスタンスっていうか。出てくる人たちがみんなAVに対して松尾さんと近い人たちが集まっていますよね。


松尾:加藤鷹さんだったら、みんなのイメージでは指を使ってイカせる男優さんじゃないですか。僕と山下さんにとったら爪を研ぐイメージ。だから、僕たちが鷹さんを呼んだら、黙って控え室で爪を研ぐところを絶対撮る。そういう感覚を共有できる人。要するに、よーいスタート!で、「加藤鷹です。今日は吹かせますよ」っていうところを撮る人は好きじゃない。その手前で、朝来てなにげなく爪を研いでる鷹さんの姿を撮れるような監督がいたら僕は仲間にしたい。物事が起きていることをどう撮るかということなんです。鷹さんが指で潮を吹かせるのは当たり前だし。そんな鷹さんも爪を研いでますという視線を同時に持てる人ですね。

質問:新作で花岡じったさんが出ていなかった理由を教えてください。あと、昔に比べてドキュメンタリーのAVが減ったと思いますが、そこは実際どうなんですか?

松尾:まず、花岡じったの欠場の理由は、本編では家庭の事情とだけ書いてあるけど、単純に言うと結婚して女房がうるさくなった。一週間もロケに出れない、それだけ。ロケに行くといったら怒られたみたいで(笑)。家庭の事情とはそういうことです。 あと、ドキュメンタリーが廃れたことで言うと、確かにドキュメントとして撮ろうとしている監督がもういないかもね。けど、もともと少ないんだよ。いまは、売れる売れないっていうそういう選択があまりにもまかり通りすぎている。売れないからそういう企画はやらない、売れるのはこういう企画っていう。くだらない。いまのやり方はリサーチとか、過去の数字。

雨宮:マーケティングですよね。

松尾:嫌な言葉ですけど。もちろんハマジムもそうです、一部分で言えば。だけど、そういうことによってドキュメンタリーがはじき出される。さぁ、ドキュメンタリーをやりましょうねと言って撮れるもんじゃないんだよ。たとえば加藤鷹さんが入ったときに、どういうふうに撮るかっていう、こっち側の準備ができていないと。それは経験なんだよね。俺も最初からできたわけじゃなくて、ずーっとやっていたらなるほどねってなってきて。ドキュメンタリーが育たなきゃいけない部分がAV業界にはもうない。

雨宮:チャンレンジっていうのをさせてもらえない状態になっていて。たとえばドキュメンタリーの企画をだして、一回撮ってみて売れなかった、じゃあやめようっていう話じゃなくて、会議の時点で「これ売れるの?売れるわけないよね。じゃあだせないでしょ」っていう、その時点でつぶされる感じですよね。

松尾:そうですね。たとえば女の子と一緒に旅をしたい。けど、そこでお前何するんだ?っていうことも踏まえていろいろ企画をださないといけない。ただ単純にかわいい女の子と行きたいっていうのは、ちょっとなって感じだし。何を撮るのか、どういうテーマなのかをはっきり提示した上でやる分ではいい。ただ、今の場合はドキュメンタリー自体がジャンルとして成立しなくなっている。それは単純に、数字とかマーケティングの世界。それによって、作り手がいなくなっちゃったんだね。こればかりは怖いけど。自分でやりたいっていうことを言う人がもういなくなってるかもしれないですね。

(構成・文:牧智美)

「テレクラキャノンボール」ジャケット

『テレクラキャノンボール2009 賞品はまり子*Gカップ』
THE SEX CANNON BALL RUN 2009

東京、名古屋、福岡を股に駆け、テレクラ、出会い系を駆使して素人娘をゲットせよ!出場者は前回チャンプ*負けず嫌いのグルメ王*バクシーシ山下おなじみハメ撮り隊長*カンパニー松尾謎の覆面ファッカー*ミスターXドグマからの刺客*新世代ナンパ師*ビーバップみのるハメ撮りDNAを継ぐ男*アキヒトという5人!!!!! 優勝者へのご褒美は、去年のAVGPでファイナルを飾った伝説の素人まり子*Gカップを帰りのフェリー特等室でヤリ放題。限定復活!まり子のウルトラボディを射止めるのは誰か?意地とポコチンを賭けた熱いバトルが今、始まる!

監督:カンパニー松尾
出走:バクシーシ山下&アルファロメオ147、カンパニー松尾&CBR1100XX、ミスターX&アルファード3.0G、ビーバップみのる【免許なし】、アキヒト&ZZR1400
出演:まり子*Gカップ T.164 B92(G-CUP) W.62 H.97 と名古屋&福岡の素人娘11人

収録時間:240分
価格:3,990円(税込)

※詳細はコチラから



【関連リンク】
ハマジム
雨宮まみの「弟よ!」
松江哲明ブログ(every japanese woman cooks her own curry)

レビュー(0)


コメント(1)


  • 佐藤秀樹(サトッス)   2009-01-24 09:50

    このイベント行って参りました
    生で松尾さんを見るのは初めてで
    松尾さんのドキュメンタリー論を聞いて勉強になりました

    それにしても松尾さんもおっしゃっていましたが
    編集機材の進歩に驚いたのと同時に
    画質の違いにはかなり驚きました!!
    映像の進歩がわかりやすく画面に出てましたねえ