骰子の眼

cinema

東京都 ------

2014-10-20 18:30


映画『最後の吉原芸者四代目みな子姐さん』リトアニア上映クラウドファンディング実施中

渋谷アップリンクで満員を記録、350年の歴史を背負った吉原芸者を追うドキュメンタリーが海外へ
映画『最後の吉原芸者四代目みな子姐さん』リトアニア上映クラウドファンディング実施中

クラウドファンディングサイトMotionGalleryとwebDICEとの連動連載第8弾は、ドキュメンタリー映画『最後の吉原芸者四代目みな子姐さん―吉原最後の証言記録』のリトアニアでの上映を成功させるためのプロジェクトを、安原眞琴監督からのメッセージとともに掲載する。

今回のプロジェクトでは、200,000円を目標に、2014年11月17日23:59までクラウドファンディングを行なう。1,000円からファンドが可能で、8,000円以上で作品のDVD、15,000円以上で、11月22日に開催される吉原の芸「二調鼓」の生演奏を体験できるイベントの招待券などのプレゼントが用意されている。

詳しくはプロジェクトページまで。

『最後の吉原芸者四代目みな子姐さん』は、2010年に90歳で亡くなる直前まで現役で活躍した吉原芸者・みな子姐さんを、2005年の夏から2010年の1月まで密着して撮った映像記録。吉原とは、1650年頃に公の許可で作られた、江戸(東京)で唯一の盛り場(遊廓)のこと。現在では、日本各地に芸者がいるが、1900年頃までは公認の芸者は、吉原芸者のみだった。みな子姐さんは、その正統な芸者の最後のひとりだった。この映画は、吉原芸者として80年を芸一筋に生きた彼女の姿と、いたずら好きなキャラクターに迫る。

minakoneesan1
みな子姐さん

安原眞琴さんは、2005年にみな子姐さんに出会い、歴史的価値と人間的な魅力に取り憑かれ、すぐにカメラを借りて、その日から毎日のように撮影を始めた。日本文化研究のための屋号としてmakoto officeを設立し、その最初の活動として、2013年にこの『最後の吉原芸者四代目みな子姐さん―吉原最後の証言記録』を完成させた。

安原さんは、みな子姐さんの希望でもあった映画上映のためにクラウドファンドを実施し、その支援により2013年の6月渋谷アップリンクで上映イベントを実現させる。2週間にわたり、太鼓持ちなど吉原以外の芸者や、落語家の三笑亭夢花さん、美術家/ドラァククイーンのヴィヴィアン佐藤さん、みな子姐さんに吉原の幻の芸「二調鼓」を仕込まれた吉田睦子さんなどを招き開催し、連日満席を記録した。この成功をきっかけに、その後もさまざまな会場で上映イベントを開催。半年間で合計2,000人以上を動員した。

みな子姐さんB
落語家の三笑亭夢花さん(渋谷アップリンクでの上映より)
みな子姐さんC
吉田睦子さんの二調鼓さん(渋谷アップリンクでの上映より)
みな子姐さん2
浅草の太鼓持ち七好さん(渋谷アップリンクでの上映より)

安原さんは、かねてから海外での「フジヤマ・ゲイシャ」という、芸者についての誤解されたイメージを払拭するため、海外で上映したいと思っていたという。今回、在リトアニア日本国大使館の協力により、初の海外上映として、リトアニアで上映会が開催できることになった。今回のクラウドファンディングは、その上映会のための渡航費などに充てられる。

minakoneesan2
クラウドファンディング特典のみな子姐さんポストカード

また、米国のZakka Filmsより英語字幕版のDVD『The Last Geisha Madame Minako』のリリースも実現。このDVDはクラウドファンディングの特典にもなっている。安原さんは、このリトアニアでのイベントを皮切りに、アメリカやヨーロッパ、アジアなど、世界中でイベントを行いたいと、実現へ向け活動を続けている。

安原眞琴監督からのメッセージ
「フジヤマ・ゲイシャという誤解を解きたい」

photo

2013年夏、渋谷アップリンクで満員御礼の2週間上映をした『最後の吉原芸者四代目みな子姐さん―吉原最後の証言記録』が海外へ羽ばたきます!

英語のタイトルは『The Last Geisha Madame Minako』。撮影のきっかけは高校の授業。お座敷芸の先生として来てくださったみな子姐さんの人間的魅力に惹かれ、2005年から2010年まで密着取材することに。そして2013年春に完成したのがこの映画。

一介の国語の先生(しかも非常勤)にすぎなかった私は、クラウドファンドのお陰で第1回上映会を開催し満員御礼。そして夏、渋谷アップリンクで公開して頂けることに。

昔はアイドルだった芸者さんも今や遠い存在。そこでアップリンクでは上映イベントを企画。日替わりゲストに、浅草の芸者やドラァククイーンなどをお招きして、ご来場者様に江戸文化を満喫して頂きました。
この成功がきっかけで、その後も各地で上映イベントを開催させて頂き、半年で2,000人以上の方々に参加して頂けました。

でも実は、私にはもう1つの夢が。それは海外で上映すること。「フジヤマ・ゲイシャ」という誤解を解きたい。そして、最後の吉原芸者みな子姐さんの人生や芸を通して、海外の方々に、ホンモノの芸者とその背景にある日本文化の真髄を伝えたい。そんな思いが天に届いたのでしょうか、いま夢が実現しようとしています!

2014年11月2日~9日に、リトアニアで上映イベント開催決定!協力は在リトアニア日本国大使館。今回のゲストは日本伝統のジャグリング「太神楽」。国際交流のためにもがんばります!
渋谷アップリンク・ファンの皆様、そしてwebDICE読者の皆様!お陰様で「みな子姐さん」は海外に羽ばくことができます!これからも応援よろしくお願いします!

応援、ご支援、メッセージなど、クラウドファンドでお待ちしております!




安原眞琴(やすはら まこと)

1967年、東京生れ。文学博士。父は故編集者の安原顯。
主な研究対象:日本の中世・近世の文学、美術、文化。
講師:立教大学、法政大学、大正大学、NHK学園、東武カルチュアスクールなど。
研究員:天台宗総合研究センター、日本時代劇研究所など。
著書:『「扇の草子」の研究─遊びの芸文』(ぺりかん社、2003年)、『超初心者のための落語入門』(主婦と生活社、2009年)ほか。
公式HP:http://www.makotooffice.net/




IMG_2714-400x600
みな子姐さん

映画『最後の吉原芸者四代目みな子姐さん
―吉原最後の証言記録』

撮影・編集・制作:安原眞琴
出演:四代目みな子(吉原芸者)、二三松(元吉原芸者)、聖子(浅草芸者)、七好(浅草芸者)、渡辺憲司ほか
協力:佐藤一彦、中野三敏ほか
2013年/日本/59分

▼映画『最後の吉原芸者四代目みな子姐さん―吉原最後の証言記録』予告編

▼映画『最後の吉原芸者四代目みな子姐さん―吉原最後の証言記録』英語版予告編

▼浅草の太鼓持ち七好さん(渋谷アップリンクでの上映より)

レビュー(0)


コメント(0)