映画『エイゼンシュテイン・イン・グアナファト』より
スペイン、中南米のラテン映画の最新作をいち早く紹介する「ラテンビート映画祭」が開催。今年は10月8日（木）から10月12日（月・祝）まで新宿バルト9、10月23日（金）から10月25日（日）まで梅田ブルク7、10月30日（金）から11月1日（日）そして11月3日（火・祝）に横浜ブルク13と、東京・大阪・横浜の3都市で行われる。
今年で12回目を迎える今回は、スペイン、メキシコ、キューバ、コロンビア、チリ、アルゼンチン等で話題を呼んだサスペンス、ドラマそしてドキュメンタリーの新作映画をメインに、全17作品を上映。webDICEでは、ピーター・グリーナウェイ監督が1930年代のメキシコを舞台にソ連の映画作家エイゼンシュテインを描く『エイゼンシュテイン・イン・グアナファト』や、伝説的ギタリスト、パコ・デ・ルシアの息子が亡き父を追ったドキュメンタリー『Paco de Lucia: A Journey』、この映画祭初出品となるグアテマラのフィクション作品『火の山のマリア』など、編集部のセレクトによる6本の作品を紹介する。
『Paco de Lucia: A Journey（英題）』
スペインのギタリスト、パコ・デ・ルシアの人生を追うドキュメンタリー
映画『Paco de Lucia: A Journey』より
史上最高のフラメンコギター奏者パコ・デ・ルシアは、惜しくも2014年に66歳の若さで亡くなった。息子であるクロ・サンチェスが、父であり偉大なる音楽家パコ・デ・ルシアの音楽への飽くなき情熱と探求心にスポットをあてながら、貴重なライブ映像、晩年のインタビュー、幼いころの写真などを交えて、彼の人生をひも解いてゆく。フラメンコの世界に留まらず、様々なジャンルの音楽ファンを魅了した超絶テクニックの演奏シーンも盛り込まれた珠玉の音楽ドキュメンタリー。
監督：クロ・サンチェス
配給：レスペ
出演：パコ・デ・ルシア
2014年／ドキュメンタリー／スペイン／92分
『エイゼンシュテイン・イン・グアナファト』
グリーナウェイがメキシコを舞台に描く巨匠映画作家の撮影裏
映画『エイゼンシュテイン・イン・グアナファト』より
『戦艦ポチョムキン』でモンタージュ理論を確立したロシアの映画監督セルゲイ・Ｍ・エイゼンシュテインは、ドキュメンタリー映画『メキシコ万歳』の撮影のため、メキシコのグアナファトを訪れる。彼は映画の撮影をよそに、ガイドのパルミーノとの愛とSEXに溺れていく…。『コックと泥棒、その妻と愛人』『プロスペローの本』等でカルト的人気を誇る英国の鬼才ピーター・グリーナウェイが、映画史に名を残すエイゼンシュテイン監督がメキシコで過ごした10日間を、独特の映像美で描き出す。
監督：ピーター・グリーナウェイ
出演：エルマ・バック、ルイス・アルベルティ、マヤ・サパタ
原題：Eisenstein in Guanajuato
2014年／ドラマ／オランダ・メキシコ・フィンランド・ベルギー／105分
『The Wolfpack』
親に監禁されて育てられた6人兄弟の行末は？注目のドキュメンタリー
映画『The Wolfpack』より
アングロ兄弟は、エキセントリックな父に外出を禁じられ、子供のころからNYのロウアー・イーストサイド（通称LOISAIDA）のアパートの部屋に閉じこもって暮らしている。兄弟の唯一の娯楽は映画。自らをWolfpackと呼び、『バットマン』『レザボア・ドッグス』等のパロディー映画を手作りで製作していた。ある日、兄弟の一人が部屋からの脱出に成功したことで、彼らの生活が変わり始める。2015年サンダンス映画祭でUSドキュメンタリー部門グランプリを受賞した話題のドキュメンタリー。
監督：クリスタル・モーゼル
出演：アングロ兄弟
原題：The Wolfpack
2015年／ドキュメンタリー／米国／89分
『クッキング・アップ・ア・トリビュート』
スペインのナンバーワン・レストランによる最高の料理追い求める旅
映画『クッキング・アップ・ア・トリビュート』より
世界有数のレストラン「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」のシェフであるロカ兄弟とスタッフは、5週間もの間レストランを休業し、世界各国の食文化を学ぶ旅に出かける。彼らは、世界の伝統的料理や食材に敬意を払いながら数々の新しいメニューを生み出していく。2014年のラテンビート映画祭オープニング作品『エル・ソムニ』で食と芸術のコラボに挑んだロカ兄弟が、今作では世界へ飛び出し、各国の伝統料理を探求していく美食ドキュメンタリー。
監督：アンドレア・ゴメス、ルイス・ゴンサレス
出演：ジョアン・ロカ、ジョセップ・ロカ、ジョルディ・ロカ
原題：Cooking Up a Tribute
2015年／ドキュメンタリー／スペイン／87分
『火の山のマリア』
グアテマラの先住民族、マヤ族の少女巡るドラマ
映画『火の山のマリア』より
グアテマラにある活火山麓のコーヒー農園で暮らすマヤ族のマリアは、都会での暮らしを夢見ている。両親は農園主任との結婚を望んでいたが、マリアは恋人ペペと駆け落ちし、間もなく子供を身ごもる…。様々な困難に直面するマヤ族の女性の生き方を通し、先住民族の因習や貧困、乳幼児誘拐などの社会問題に切り込んだ意欲作。マヤ族出身のブスタマンテ監督は、長編デビューとなる今作で2015年ベルリン国際映画祭アルフレッド・バウアー賞を受賞した。
監督：ハイロ・ブスタマンテ
出演：マリア・メルセデス・コロイ、マリア・テロン、マヌエル・アントゥン
原題：Ixcanul
2015年／ドラマ／グアテマラ・フランス／93分
配給：エスパース・サロウ
2016年2月13日より、岩波ホールほか全国順次公開
『ザ・クラブ』
『NO』ラライン監督の新作は、カトリック教会の闇がテーマ
映画『ザ・クラブ』より
4人の聖職者は過去に犯した罪により海辺の僻地に送られ、禁欲の日々を送っていた。新しい5人目の男が現れたことで、彼らの穏やかな日常に波風が立ち始める…。聖職者の罪と救済の道のりを通じ、伝統や掟に縛られたカトリック教会の闇に迫った社会派ドラマ。監督は『NO』（LBFF2013出品）、『トニー・マネロ』（LBFF2008出品）のパブロ・ラライン。2015年のベルリン国際映画祭で審査員グランプリを受賞した話題作である。
監督：パブロ・ラライン
出演：アルフレド・カストロ、ロベルト・ファリアス、アントニア・セヘルス
原題：El Club
2015年／ドラマ／チリ／97分
第12回ラテンビート映画祭
［東京］新宿バルト9：
2015年10月8日（木）～12日（月・祝）
［大阪］梅田ブルク7：
2015年10月23日（金）～25日（日）
［横浜］横浜ブルク13：
2015年10月30日（金）～11月1日（日)、3（火・祝）
主催：LBFF実行委員会
プロデューサー＆プログラミング・ディレクター：アルベルト・カレロ・ルゴ
運営：（株）ティ・ジョイ
運営協力：新宿バルト9、梅田ブルク7、横浜ブルク13
公式サイト：http://lbff.jp/
公式Facebook：https://www.facebook.com/LatinBeatFilmFestival
公式Twitter：https://twitter.com/LBFF_2015
