骰子の眼

cinema

東京都 中央区

2015-11-16 23:00


世界の注目作が集結!東京フィルメックス11/21より開催、学生審査員賞が薦める9作品

ジャファル・パナヒ、ツァイ・ミンリャン、園子温の新作など上映
世界の注目作が集結!東京フィルメックス11/21より開催、学生審査員賞が薦める9作品
『タクシー』より

アジアを中心とした世界から独創的な作品を集める国際映画祭、東京フィルメックスが今年も11月21日(土)より行われる。

今年は、釜山映画祭ディレクターのイ・ヨンガンさんを審査委員長とする審査委員によって選ばれるコンペティション部門の「最優秀作品賞」 「審査員特別賞」のほか、観客の投票により決定する「観客賞」、そして3人の学生審査員による「学生審査員賞」が選ばれる。webDICEでは、「学生審査員賞」を運営する東京学生映画祭企画委員会の十河和也さん、村田愛理さん、石川諒さんから、コンペ出品作品と特別招待作品から気になる作品を3作品ずつ、計9作品ピックアップしてもらい、レコメンド文を寄せてもらった

「学生審査員賞」は、誰もが簡単に映像を撮り、観てもらうことができるようになった現在、学生は何を感じ、どう考えているかを知ってもらいたいという思いから2011年に創設。関東最大規模の学生映画のコンペティションである東京学生映画祭が、審査員の選任から賞の決定まですべてを運営し、議論と審査のうえ「学生審査員賞」を選出する。昨年の第15回では、イスラエルのアサフ・コルマン監督による『彼女のそばで』が「学生審査員賞」を受賞した。スタッフの十河さんは開催にあたり「審査員たちの、生に受け取った衝撃が、溢れんばかりの映画愛が、世界の監督、そして観客の皆様に、余すことなく届くようにと願います」とコメントしている。

特別招待作品

『山河故人』(原題)

『山河故人』(原題)
© Bandai Visual, Bitters End, Office Kitano

『長江哀歌』、『世界』のジャ・ジャンクー監督。クロージング上映となる本作は、あらすじを繁々と眺める限り、果たして、監督の特有の人物描写がどこまで色濃く現れるのかが気掛かりだ。急変する、中国社会で生きる女性、タオの半生を、過去・現在・未来と、26年に及ぶ壮大なスケールで描いている本作。私は、ジャ・ジャンクー映画を見る度、何故だろうか、作家、村上龍の物語、文体を思い出すのだが、この『山河故人』でも、タオという女性にまた、じわじわと、胸を熱くさせられそうだ。(十河和也)

監督:ジャ・ジャンクー
英題:Mountain May Depart
配給:ビターズ・エンド、オフィス北野
中国、日本、フランス/2015年/125分




特別招待作品

『タクシー』

『タクシー』

原題『Taxi』。今年のベルリン国際映画祭では、最高作品賞、金熊賞を受賞している。さて、私の中で、ジャファル・パナヒ監督と云えば、2006年の『オフサイド・ガールズ』が思い出される。(イランに住む女性は、スタジアムでサッカーの観戦ができない。どうしてか。簡単だ。法律で禁止されているからだ。)社会性に富んだ、エンタテインメントでありながら、リアリスティックな描き方も見せている。同じく、母国、イラン、―今回の主役はタクシー運転手に扮した、監督自身と、その乗客たちだ―を描いた本作に、期待は膨らむ。(十河和也)

監督:ジャファル・パナヒ
原題:Taxi
イラン/2015年/82分




特別招待作品

『あの日の午後』

『あの日の午後』
© Homegreen Films, 2014

11月28日から7日間、有楽町スバル座にて特集上映も組まれるツァイ・ミンリャン監督。『愛情萬歳』でヴェネチア金獅子賞、他、ベルリン、カンヌでも受賞歴のある、言わずと知れたツァイ監督。本作は、ツァイ監督が、劇場商業映画引退宣言後に撮影された、最新作。ツァイ映画の常連、俳優リー・カンションとの対話。長い長い対話。前情報はそれだけだ。『愛情萬歳』に描いたテーマ「孤独」など、彼らの歩みを更に知ってみたいと思う。さて、その着実な、如実な歩みについて、スクリーンの中で、語ってはもらえるのだろうか。(十河和也)

監督:ツァイ・ミンリャン
原題:Afternoon/那日下午
台湾/2015年/137分




特別招待作品

『最愛の子』

『最愛の子』
© 2014 We Pictures Ltd.

ヴェネチア国際映画祭にも出品された本作は、『ラヴソング』で知られるピーター・チャン監督の最新作である。三歳で誘拐された幼い少年は、実の親のことを覚えていなかった。その上彼は、誘拐犯の妻を母親と慕っている――。そんな皮肉めいた物語は、中国で実際に起きた誘拐事件をもとにしているという。わが子を誘拐された生みの親と、誘拐した子供に慕われる育ての親、双方が抱える葛藤をどう描くのか。本作で香港電影金像奨主演女優賞を受賞し、「中国四大女優」の一人とも評されるヴィッキー・チャオの熱演にも注目したい。(村田愛理)

監督:ピーター・チャン
英題:Dearest
配給:ハピネット、ビターズ・エンド
中国、香港/2014年/130分




特別招待作品

『約束』/『昼も夜も』

『約束』
『昼も夜も』
© 2014「昼も夜も」Partners

『黄泉がえり』で日本アカデミー賞監督賞と脚本賞を受賞した塩田明彦監督の東京フィルメックス上映作品は、二本の短編映画作品である。『昼も夜も』で主演を務めるのは、今勢いのある実力派若手俳優の瀬戸康史と吉永淳だ。はたして彼らは、スクリーンの向こうでどのような顔を見せてくれるのか――そして、大学時代から自主映画を制作していた塩田監督の原点とも言える両作品が、今大学生の私たちになにを伝えてくれるのか、期待が高まる一方だ。(村田愛理)

『昼も夜も』
監督:塩田明彦
日本/2014年/69分

『約束』
監督:塩田明彦
日本/2011年/15分




特別招待作品

『華麗上班族』

『華麗上班族』

今作の監督、ジョニー・トーは『エレクション』で知られ、国際的な注目を集める香港のベテラン監督である。主演を務めるチョウ・ユンファといえば、ハリウッド作品にも多く出演し、まさに香港を代表するといっても過言ではない国際派スターだ。そして脚本を手掛けるのは、東京フィルメックスでも上映される『念念』の監督も務めるシルヴィア・チャン。まさに“香港映画80年代黄金トリオ”の復活ともいえる今作に、胸が躍らずにはいられない。ジョニー・トー監督初のミュージカル作品とのこともあり、どのような新境地を見せてくれるのか楽しみだ。(村田愛理)

監督:ジョニー・トー
英題:Office
中国、香港/2015年/118分




コンペティション

『わたしの坊や』

『わたしの坊や』

カザフスタンの監督ジャンナ・イサバエヴァの監督第5作目。この映画のテーマは復讐だ。復讐というテーマは、今まで数々の映画で描かれてきた。『レオン』、『キル・ビル』、『オールド・ボーイ』と枚挙に暇がないが、その中でも本作はより復讐の本質に迫ってきている。なぜそう言い切れるか、その理由は主人公の状況設定にある。5歳で母を事故で失くし、14歳で手術しなければ余命数ヶ月の身体であることを告げられた少年が主人公だ。かつて、ここまで絶望的な状況な主人公がいただろうか。コミカルさを一切排除した本作で、主人公が絶望の果てに何を見いだすのか注目すべきだろう。(石川諒)

監督:ジャンナ・イサバエヴァ
原題:Bopem
カザフスタン/2015年/78分




コンペティション

『コインロッカーの女』

『コインロッカーの女』
© 2015 CJ CGV Co., Ltd. ALL RIGHTS RESERVED

本作はコインロッカーに置き去りにされた過去を持ち、闇金業を営む"母(オモニ)"に育てられた女性が主人公の愛憎劇だ。舞台は韓国の仁川の暗黒街だが、コインロッカー置き去り事件は日本でも度々発生し日本人も無視できない問題であるので、ぜひこの映画を通してもう一度考えるべきである。コインロッカーに置き去りにされた過去がどのように主人公に影響を与えるのか。新進気鋭のハン・ジュニ監督の描写に期待がかかる。(石川諒)

監督:ハン・ジュニ
英題:Coin Locker Girl
韓国/2015年/111分
配給:「コインロッカーの女」上映委員会




特別招待作品

『ひそひそ星』

『ひそひそ星』
©SION PRODUCTION

『愛のむきだし』、『冷たい熱帯魚』など数々の名作を世に送り出してきた奇才園子温監督の最新作。本作は、東日本大震災の傷跡が残る福島を舞台に、宇宙宅配便の配達アンドロイド鈴木洋子(神楽坂恵)が主人公の全編モノクロで描いたSF映画だ。日本映画で地球外を舞台にした本格的なSFはあまり例がないので、ぜひ注目すべきである。トロント国際映画祭でNETPAC賞を受賞した本作はオープンニングを飾るにふさわしい作品であることは間違いない。(石川諒)

監督・脚本:園子温
配給:日活
日本/2015年/100分


東京学生映画祭

関東最大規模の学生映画のコンペティション。東京近郊の大学に所属する映像制作団体から作品を募集し、予選を通過した作品を本選で上映、グランプリ作品を決定・表彰する。その企画・運営の一切を学生のみで行っている。
公式Twitter:https://twitter.com/tougakusai

十河和也さん
東京学生映画祭企画委員会の十河和也さん
村田愛理さん
東京学生映画祭企画委員会の村田愛理さん
石川諒さん
東京学生映画祭企画委員会の石川諒さん



第16回 東京フィルメックス
2015年11月21日(土)~ 11月29日(日)

東京フィルメックス

会場:有楽町朝日ホール[有楽町マリオン11階/メイン会場][地図を表示]
TOHOシネマズ 日劇[有楽町マリオン9F/オープニング・レイトショー会場][地図を表示]
有楽町スバル座[特集上映ツァイ・ミンリャン会場][地図を表示]
※上映時間・料金などの詳細につきましては、
東京フィルメックス公式サイトをご覧ください。


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フィルメックス


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