所幸則氏の今年度最大の展示に行ってきた。
狭い階段を上ってすぐに大型出力の作品が目に飛び込んでくる。
そのインパクトに迎えられ、ギャラリー内部に入って行くと、様々な「1秒」を切り取った渋谷の街を見る事が出来る。
「渋谷」というよく知っている土地がおさめられているはずなのに、まるでサイバーパンク小説に出てきそうな風景であったり、異次元の世界のようだったりと「1秒」という世界でこんなにも世界は変わって見えるのかと驚く。
作品に一貫してこめられているのは「時間」であるのだけども、日常生活において、私たちが体験しているその「時間」を具象化しているのがこの1secシリーズなのだと思う
作品に添えられた月森砂名氏の寓話も作品にマッチしている。
寓話を通してまた一つ違う渋谷が顔をのぞかせる。
また2種類の印画紙で刷られた作品は片方が細密画、もう片方はまるで銅版画のようでもあった。
このギャラリー内で日常と非日常の境界に立つ事が出来る。
しかもその舞台は私にとってもなじみ深い「渋谷」なのだ。
これは「感染」せずにはいられない。