2010-04-17

「1Q84」第3巻は神話か聖書の世界 このエントリーを含むはてなブックマーク 

「・・・150ページ過ぎで『えっ、そっち!?』と思ったが、読者の希望にピタッと沿った注文建築なみの親切設計。究極の純愛小説はお伽話に限りなく近づく。ていうか、これはもう神話か聖書の世界ですね」

上記は今日(4/17)の朝日新聞朝刊に掲載の斎藤美奈子氏の「1Q84」第3巻に関する文章の最後の箇所だが、全く同感。「クーリエ・ジャポン」のスペインのメディア向けのインタビューで村上春樹氏は

「作品の仕上がりには大変満足しています。登場人物たちをとても気に入っています。登場人物はもっとも重要な要素ですからね。彼らと長いあいだ付き合うのは、とても快い経験でした」

と語っているが、作者がそういうのは分かる完成度に仕上がっている。ストーリーテリングとキャラクター描写に磨きがかかっていて、その両者に興味のある者としてもとても好きだ。

こちらは村上春樹氏よりも村上龍氏のほうが、同じ村上なら好みだが(基本的に草食系よりも肉食系が好きなのもあるかも。森ガールとか全く好きになれないw)、「1Q84」は実に読み応えがあった。

なお、上記の「クーリエ・ジャポン」のインタビューは良質な内容なだけでなく、スペイン北西部のサンティアゴ・デ・コンポステラにある高校のロサリア・デ・カストロ高校からの賞を受賞し、村上春樹氏がスペインを訪れた際に行われたものなのも興味深い&そのフットワークの軽さというかアクティブさは素直に素晴らしい。

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わたなべりんたろう

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わたなべりんたろう

“「ショーン・オブ・ザ・デッド」の監督・主演コンビの傑作「Hot Fuzz」の公開署名運動をしています。 <Twitter> http://twitter.com/RintaroWatanabe ”