2012-02-04

 『夜の緋牡丹』@「よみがえる日本映画 新東宝篇」 誰かの幸せな恋は、誰かの不幸な恋の上に成り立っている… このエントリーを含むはてなブックマーク 

ムチっとした太モモも露わな女のコが天井からブラ下がり、床にペタンと座っている男と今にもキスせんとしている。
この、なんともソソられるワン・シーンが今回の特集のフライヤーの表紙なんだけど、これは是が非でも観たくなる!
というワケでその映画、『夜の緋牡丹』 を観てきた。
新東宝製だし、そんな場面が出てくるんだからボクはテッキリいかにもカルトな1本かと思っていたんだけど、実際はフランス映画を意識した激情型の恋愛映画という感じだった。
復員後、日雇い労働をしながら小説家を目指している隆介は、ある晩出かけた夜のお店で芸者のたい子に出逢う。
いかにも貧しい、だけどマジメな隆介をたい子は初め同情心で見ていたが、自分の身の上を心から心配してくれる彼の優しさに胸打たれ、すると隆介にもたい子への愛が芽生えて、いつしか2人は隆介のアパートで同棲を始める。
一方、同じく作家志望の美樹は、卑劣な愛人を見限って勤め始めたキャバレーのマネージャーを愛するように……。

たい子役の島崎雪子は新東宝のフレッシュ・ガールに応募してデビューし本作で初主演を果たしたそうなんだけど、脱ぎっぷりもよく(もちろん乳はNGだが)チャーミングで、体はアレだけど心は純真という理想的ヒロインを演じている。
母親がサーカス団の一員という設定から写真のような素晴らしいシーンが生まれたワケなんだけど、それ以外にも、滝ツボでターザンみたいなマネをするところも可愛いし、甘え方とかぐずり方とか、マンガが好きとか、ホント理想的。
およそ62年も昔の映画とは思えないはじけたヒロイン像。
だからなのか隆介はそんなたい子にどこかついていけず、新人賞の入選で知り合った美樹とよしゃあいいのに寝てしまい、たい子を棄ててそのまま彼女の家に住んでしまう。
まぁ紆余曲折を経て最終的にはたい子の元に戻るんだけど、一方美樹は、妄執に憑かれた元愛人により殺される。
急にどシリアスなラストにボクは記事タイトルのような理屈を想い浮かべてしまったというワケ。“愛”って難しいねぇ。

ブログ「瓶詰めの映画地獄」 http://eigajigoku.at.webry.info/

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栗本 東樹

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“浮世離れた坊主でも木魚の割れ目で想い出す”


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