2013-09-24

新大久保の在特会への、しばき隊最初の日 このエントリーを含むはてなブックマーク 

bcxxx https://twitter.com/bcxxx さんのツイートをbcxxxさんの許可をいただきまとめて転載します。

bcxxx :
リンダさんが初めてヘイトデモを観て泣いたというのは、もし新大久保のデモのことであれば、しばき隊の最初の出動の日のことだろうと思う。しばき隊の初期の目的は、ヘイトデモ自体へのカウンターではなく、その後にレイシストたちが商店街で行う、「お散歩」という行為の阻止だった。

そのため、しばき隊は隠密行動を取りながら、デモ自体はスルーすることになっていた。配置に付く時、自分たちはちょうどデモ隊のコースにデモ隊側歩道を逆行する形で遭遇した。さんざん映像で観たことはあるし、反原発デモのカウンターに来ていた奴らの醜い顔を見たことはあった。

だが個人的には、奴らのデモをまともに間近で目にするのは初めてだった。凄まじかった。この世にはここまで醜悪なものがあるのか、とショックを受けた。今は猛烈なカウンターと機動隊に押し潰され、存在感が限りなくゼロに近い在特も、我が世の春を謳歌していた。ヘイトのエネルギーを爆発させていた。

奴らは野放しだった。誰も奴らを停めなかった。ものすごく悔しかった。今その場でそいつらを見過ごさなければならない自分が非力に感じた。後で絶対に叩き潰してやる、と思いながらも、奴らが「お散歩」に来るかどうかも確信はなかった。来たらどうやって停めることができるか、も。

デモ通過から長い長い時間が過ぎた。しばき隊の面々は分散して、新大久保商店街の「イケメン通り」目指して奴らがやって来るのを待った。イケメン通りの入り口で連中を阻止する。ただし往来妨害罪になるかも知れない。もし通してしまったら一人ずつ補足して「説得」するという作戦だった。

だがどうなるかは全くわからなかった。そんなことが可能なのか。警察は、以前の「お散歩」では連中について歩きながら、商店への嫌がらせは黙認していたのだ。警察は連中の味方なのかも知れない。むしろしばき隊の側を検挙しようとするかも知れない。

そしてついに、本当に奴らがやってきた。デモ解散場所の柏木公園から、職安通りを通って新大久保商店街に接近してきた。沿道の商店や通行人に罵声を浴びせながら、数十人がやってきた。どうなるか。どうするか。その時しばき隊の何人かが「オラーッ!」と言いながら突入して行った。そこから始まった。

奴らに随伴してきた機動隊員や刑事が慌てて間に割って入った。機動隊員はまだ防具をつけておらず、制服だった。レイシストの進撃は、そこで完全に停まった。初めて停まった。イケメン通りの手前、数百メートルの歩道上で。

連中は回り道をして、別の路地からイケメン通りに接近しようとした。そこにも駆けつけて阻止した。信じられない思いだった。本当に奴らを停めることができるなんて実は全く思っていなかった。イメージできていなかった。それが突然実現したのだ。

あの時「オラーッ」と最初に突っ込んで行ったしばき隊メンバーこそが「始めた」のだと思う。自分ではない。彼らは逮捕を恐れていなかった。批判も恐れていなかった。ただ無心に、衝動に任せて、状況に自分の身を投じた。しばき隊の当初のミッションですらいきなり無視した。偉大な人々だ。そういう人々こそが新しい事を始め、歴史を動かしていくんだと思う。

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わたなべりんたろう

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わたなべりんたろう

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