渋谷アップリンクで開催されたUSREAMシンポジウム
映画『100,000年後の安全』のマイケル・マドセン監督が来日、昨日12月19日にUSTREAMでのシンポジウムに池田香代子、鎌仲ひとみ、高橋健太郎、佐藤潤一、小嶋裕一各氏とともに出演した。監督はこの後、12月21日(水)渋谷オーディトリウムでのトーク付上映会に登壇する。
今回行われたシンポジウムには、マドセン監督に加え、ドイツ文学翻訳家・口承文芸研究家の池田香代子氏、『六ヶ所村ラプソディー』『ミツバチの羽音と地球の回転』他の映画監督鎌仲ひとみ氏、文筆家・音楽評論家で市民側の科学技術情報の発信を検証する目的で設立されたNPO団体APAST理事の高橋健太郎氏、グリーンピースジャパン事務局長の佐藤潤一氏、ジャーナリスト津田大介氏のデータマンである小嶋裕一が参加。「十万年という想像出来ない未来を作り出した人間の十年後…」というテーマで議論が交わされた。当日の模様はアーカイブで視聴可能となっている。
『100,000年後の安全』マイケル・マドセン監督
(「日本では政府や東電の発表に嘘がある事が分かっていても、それに抗議する人が非常に少ないです」という問いに)
「日本は民主国家ですよね。それはミステリーです!」 (マイケル・マドセン)
「現在、汚染された土の仮置き場すら決まってない。日本にオンカロのような所をどう作るのが問題だ」(小嶋裕一)
「日本人が一番力を出す所で一番権力が使っているのが、愛国心、愛郷心。献身的な気持ちは残っているが、諸刃の剣。良くなるために自分を捧げる行為の結果が戦争で、今回の事故でも利用されている」 (鎌仲ひとみ)
「科学的社会的合理性に基づく判断は日本ではものすごく教育されている、だからこそテクノロジーを発展させ利益を出せる社会を作るには洗練されていて、今の日本がある。ただ欧州では一方で個人の倫理観というもののバランスあるが、日本ではこちらが欠けているのではないか」(高橋健太郎)
「私は『100,000年後の安全』を見て、哲学倫理を感じた。でも出てくる科学者は科学。監督としての思考が伝わってくる、その齟齬が非常に面白い」(池田香代子)
「欧州のような民主主義への戦いという観点が根付いてないので、本当の民主主義や自分の意見の体現について学ばずに表面的にきたのが今まで。原発事故も観客席というのが当たり前になっている」 (佐藤潤一)
(左より)鎌仲ひとみ氏、池田香代子氏、高橋健太郎氏
(左より)佐藤潤一氏、小嶋裕一氏
12月21日渋谷オーディトリウムでのトークセッション付上映では「はんげんぱつ新聞」編集長の西尾漠氏を迎え、USTREAMシンポジウムとはまた異なる角度からの対談が期待される。イープラスでの前売発売は終了しているため、現在アップリンクでメールにて当日21日の昼12時まで予約を受付中、会場受付にて当日券も発売される。
当日はバリアフリー上映となっており、ご希望の方は副音声で映画を鑑賞することができる。
また会場では12月23日にリリースされるDVDも先行販売。今回の日本版では日本語吹替版に田口トモロヲ氏を起用、視覚障害者のための日本語音声ガイドも完備されている。
▼映画『100,000年後の安全』監督来日緊急シンポジウム・アーカイブ
http://www.ustream.tv/recorded/19251141
イベント情報
『100,000年後の安全』マドセン監督×西尾漠トーク付上映会
日時:2011年12月21日(水)
19:00開場/19:30上映開始 21:00トーク開始(~1h)
会場:オーディトリウム渋谷(東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F)[地図を表示]
ゲスト:マイケル・マドセン(本作監督)、西尾漠(「はんげんぱつ新聞」編集長)、他
料金:1,500円
★ご予約も承っております(当日会場にて料金をお支払い下さい)
※ご予約は21日12:00まで受付中
このイベントへの参加予約をご希望の方は、
(1)お名前
(2)人数 [一度のご予約で3名様まで]
(3)住所
(4)電話番号
以上の要項を明記の上、
件名を「予約/12月21日『100,000年後の安全』マドセン監督×西尾漠トーク付き上映会」として、factory@uplink.co.jpまでメールでお申し込み下さい。
<※携帯電話からのご予約は『@uplink.co.jp』からのメールが届くように設定の上、お申込み下さい。>
本上映会は副音声でもご視聴いただけます。
バリアフリー上映はクローズ方式です。一般の方は、副音声なしでおたのしみ頂けます。副音声でのご視聴希望はご予約を承っております。
バリアフリー上映ご予約方法: 参加予約をご希望の方は、 (1)お名前 (2)人数 [一度のご予約で3名様まで] (3)住所 (4)電話番号 以上の要項を明記の上、件名を「予約 12/21バリアフリー上映会」として、 film@uplink.co.jpまでメールでお申し込み下さい。ご不明な点はお電話にて、お気軽にお問い合わせください。(TEL:03-6821-6821 担当:松下)
マイケル・マドセン プロフィール
1971年生まれ。映画監督、コンセプチュアル・アーティスト。ストリンドベリの「ダマスカスへ」をベースに、都市と景観を上空から撮影した映像作品「To Damascus」(2005)のほか、何本かのドキュメンタリー作品を監督。また、コペンハーゲンのタウンホール広場の地下にある、面積900平方メートルのサウンド・ディフージョン・システムを備えたギャラリー「Sound/Gallery」の創始者及び、芸術監督を務める(1996-2001)。ニューミュージック&サウンドアート・フェスティバルSPOR 2007のデザインやデンマークのオーデンセの音楽図書館のコンセプトを考案。また、ゲストスピーカーとして、デンマーク王立芸術学校、デンマーク映画学校、デンマークデザイン学校で講演している。
西尾漠 プロフィール
NPO法人原子力資料情報室共同代表。「はんげんぱつ新聞」編集長。東京生まれ。東京外国語大学中退後、広告制作会社に勤務。1973年、電力危機を電力危機を訴える電気事業連合会の広告に疑問をもち、原発問題に携わるようになる。『原発を考える50話』(岩波ジュニア新書)、『原発は地球にやさしいか』(合同出版)ほか著書多数。
『100,000年後の安全』より
リリース情報
DVD『100,000年後の安全』
2011年12月23日発売
監督・脚本:マイケル・マドセン
脚本:イェスパー・バーグマン
撮影:ヘイキ・ファーム
編集:ダニエル・デンシック
2009年/75分/デンマーク、フィンランド、スウェーデン、イタリア/英語/カラー/16:9/ビデオ
ULD-617
3,990円(税込)
アップリンク
★作品の購入はジャケット写真をクリックしてください。
Amazonにリンクされています。
▼『100,000年後の安全』予告編
【関連記事】
[TOPICS]『10万年後~』のフィンランド 新型原子炉公開(2011-11-09)
http://www.webdice.jp/topics/detail/3296/