FILM SOCIALISME
アピチャッポンだのアモス・ギタイだの『スプリング・フィーバー』(!)だの…色々観ていたのだけど、すっかりご無沙汰してしまいました。よかったら覗いてやってください。
http://ameblo.jp/nakatabun/
でも、ゴダールの感想ちゃんと書きますね(作品情報は公式サイト等をご参考に)。
初日初回は、非売品ポスターや特製ポストカードといったプレゼントがあったらしい(行けた人が羨ましい…)@TOHOシネマズシャンテ。↑パンフレットにはシナリオも掲載されていて充実の内容なのでおすすめ。
偽ゴダール目撃情報なんかがTwitter上に流れてて…嬉しくなっちゃってついつい出かけてしまいましたw
本人不在のままカンヌ国際映画祭で上映されたいわくつきの作品(らしい)。
とにかく始まり方も終わり方もカッコイイ。80歳とか年齢のことばかり言われてるけど、その辺の若者なんかよりはるかに過激。この緊張感は何だろう?と不穏なくらいドキドキさせられながら始まったのだった。
その過激さというのは、様々なタイプの画像…それこそインターネットや携帯カメラ、監視カメラの画質に近い映像からエフェクトのかかったものまで縦横無尽に立ち現われる。不吉なまでに響き続けるノイズ…
イメージの断片が直感的なダンスのように見え隠れしたかと思うと、なりふり構わず伝えたい言葉が突然横切ったりする。
こういう人がいなければいけないと思う。たとえ日本でしか公開されないとしても、こういう作家がいなくちゃ困る。
ゴダールは今回の作品をデジタルで撮影し、これら映像の氾濫を35ミリ変換して仕上げている。そして『フィルム・ソシアリスム』というタイトルで発表した。これはまさに彼の現状そのものであり、ゴダールは意識的にそれを形にしてみせている(現代人や映画界の現状でもあるのだけれど)。
シネフィルなんかじゃなくたって、スクリーンに映る地中海の風物、人種、子供、動物(動物はひたすらおとなしくその立場を受け入れ、存在しているのだよ)…を見ているだけで、それらが共存する難しさは人間が作り出しているのだということはわかる。でも、もはや今の世の中は、そういった鼻持ちならないエゴを生きる支えにするのも困難なところにまで来ているのかもしれない。
せめて個人規模(+友人や動物くらいの)のささやかな光を携えて…明るく晴れ渡った絶望と隣り合わせだとしても…冬の散歩道を行こう。
ゴダールは難解だからとかいう先入観を捨てて、イメージの洪水に身を委ねるだけでもいいから、ぜひ劇場へ足を運んでほしいです。