
NOBOBONさんの日記
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2011
7月
09
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変奏曲 〜cent vingt-deux jours の主題による〜
父がいつも鞄にいれて持ち歩いていたエッシェンバッハの単眼鏡を、いまは私がいつも鞄にいれて持ち歩いている。彼がそれを覗いて何を見ていたのかは私は知らない。使っているところを見たこともない。いつも持ち歩かれていたそれは、やはりいつも持ち歩かれなければならない気がして、それでいつも持ち歩いている。 それは覗いて遠くを見るためのものなので、時々、覗いて遠くを見てみる。自転車をとめて、野川のほとりで、...
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2011
7月
08
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cent quatre-vingt-un jours
ちょうど半年会っていないあなたのことを考えている。とりたてて仲がいいわけでもないのに、あなたと出会ってから、こんなに長く会わずにいるのははじめてだ。あなたは会わずにいることに、ほっとしているのだろうか? 私はほっとしているわけでもなく、淋しい思いをしているわけでもなく、ときどき、〈あなたがいない〉ことを思い出してちょっと驚くというやりかたで、〈あなたがいた〉ことを思う、ということを繰り返している。...
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