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  • NOBOBONさんの日記


NOBOBONさんの日記

  • 2016

    8月

    26

  • 遺された物・語り(histoire) - 『フリーダ・カーロの遺品』と『Frida is』

    もうずいぶん前のこと、聴くとはなしに流れていたラヂオから、「フリーダ・カーロは不幸のどん底だったにもかかわらず、vive la vida 人生万歳と描いて死んだ」というようなナレーションが流れてきて、憤慨したことを思い出す(開局間もないJ-waveだったような気がする)。「不幸」「にもかかわらず」という、本人の意思とはかかわりない思い込みの言葉遣いが、どうしようもなくいやだった。彼女は不幸と思って...


  • 2011

    7月

    09

  • 変奏曲 〜cent vingt-deux jours の主題による〜

    父がいつも鞄にいれて持ち歩いていたエッシェンバッハの単眼鏡を、いまは私がいつも鞄にいれて持ち歩いている。彼がそれを覗いて何を見ていたのかは私は知らない。使っているところを見たこともない。いつも持ち歩かれていたそれは、やはりいつも持ち歩かれなければならない気がして、それでいつも持ち歩いている。 それは覗いて遠くを見るためのものなので、時々、覗いて遠くを見てみる。自転車をとめて、野川のほとりで、...


  • 2011

    7月

    08

  • cent quatre-vingt-un jours

    ちょうど半年会っていないあなたのことを考えている。とりたてて仲がいいわけでもないのに、あなたと出会ってから、こんなに長く会わずにいるのははじめてだ。あなたは会わずにいることに、ほっとしているのだろうか? 私はほっとしているわけでもなく、淋しい思いをしているわけでもなく、ときどき、〈あなたがいない〉ことを思い出してちょっと驚くというやりかたで、〈あなたがいた〉ことを思う、ということを繰り返している。...


  • 2011

    6月

    14

  • グラシアーヌ・フィンズィ コンセール・ポルトレ

    今年も初夏のコンセール・ポルトレ、「いつものように」のはずだったのに、全然いつもと違う初夏を迎えている。1月に書いたブログからもう半年(あ、、、)、そこにも書いた祈りの連鎖は、形を変えて想像を超えて、終わりがない。3月に起こった/3月にはじまった出来事によって、ほかのみんなと同じように、「今まで通り」がありえない場所にいる。あるいはとても個人的な出来事によって、「今まで通り」ではありえない時間が流...


  • 2011

    1月

    23

  • PARDONNE, N'OUBLIE PAS 旅の祈り / 祈りの旅

    セーヌ左岸からアルシュヴェシェ橋を渡ってシテ島の東の突端、上流のほうを見やると、公園の中にほとんど見過ごしてしまいそうな石の低いモニュメントがある。 «1940 AUX DEUX CENT MILLE MARTYRS FRANÇAIS     MORTS DAN LES CAMPS DE LA DEPORTATION 1945»  (強制収容所における20万人の死せるフランス人犠牲者のた...


  • 2010

    12月

    15

  • 丹波明 講演「音楽における伝統と創造」

    偶然とかアイディアとか、そういうものが「降ってくる」ことの僥倖とはうらはらに、それをいくつも並べてみたって、偶然は偶然のままだしアイディアはアイディアのままでしかない。そこに企図がはたらくこと。そのことを思ってみる。 丹波明さんとの出会いは、たいていのことがそうであるのと同じように、たまさかの偶然だった。1通の手紙、1本の電話、それからここ数年の間の、新宿のとある老舗の前で待ち合わせた幾度か...


  • 2010

    6月

    02

  • レジス・カンポ 関連企画あれこれ

    もう6月になってしまった。カルチエ・デテ2010まであとわずか。 いろいろバタバタと決まりました。 レジスは15日に来日。もう2週間しかない!(実はあせりはじめてる) まずは早稲田大学での公開講義。 テーマは『現代音楽における愉悦の観念について』。 小沼純一さんがレジスからどんな話を引き出してくれるか、楽しみです。 レジスの作品の演奏の予定もあります(ヴァイオリン、富山ゆりえ)。 ...


  • 2010

    5月

    07

  • 今年はレジス・カンポです

    昨年のエディットのコンセール・ポルトレが終わるより先に、今年のカルチエ・デテの準備は着々と(?)進んでいた。ミレイユから紹介された作曲家のひとり、マルセイユ生れのレジス・カンポ。その後の綿密なリサーチの結果(嘘です)、彼に白羽の矢がたち、エディットのコンサートが終了するやいなや、カルチエミュジコの黒幕アドミは、彼に会うために、フランスへと飛んだのだった。本当はアヴィニヨン演劇祭のついでだったともい...


  • 2010

    5月

    05

  • コンセール・ポルトレなのだ!

    新作委嘱シリーズを目論んだとはいえ、その作曲家の作品だけでコンサートを構成することは、最初は考えていなかった。エディットの時にたまたま思いついた、といってもいい。カルチエミュジコのそれまでのコンサートは、ヴァイオリン+αのデュオかトリオのコンサート(その理由は察してください)。少し大きな編成を交えてエディットの作品だけで行こうと決断したのは、彼女の作品リストのヴァラエティのおかげである。それをコン...


  • 2010

    4月

    30

  • 1年以上ぶり

    気がついたら1年以上も書いてなかった。日記じゃなくて年記だね。 ま、ちょっと、いろいろあったんです。 でもしまったなー。 2009年7月に、カルチエミュジコの初の新作委嘱コンサートをやったのに、そのこと全然書かなかったよー。ウィレムであんなに一人盛り上がりしたのになー…。ちょっとそこまでさかのぼるか。 去年のコンサートは、〈カルチエ・デテ2009 エディット・カナ=ドゥ=シズィ コ...


  • 2009

    4月

    26

  • 静寂の音

    音楽の話ではない。 どうも最近、耳鳴りがしているようなのだ。 そう話すと、ある音楽家に「何の音」と尋ねられ、さすが音楽家と感心した。 で、何の音かとよーく聴いてみると、高音すぎて何の音だかわからない。 たぶん、3つぐらいの音が鳴っているような。 シ・ミ・ソの和音(もっとたくさんの音かも)が、 ときどきうなりながら鳴っているような。 金属音みたいな、キーン、シーンという感じの音が、ずー...

    新実徳秀の世界ー螺旋をめぐって:生命の原理ー

    セシオン杉並で、「世界音楽入門II 新実徳秀の世界ー螺旋をめぐって:生命の原理ー」という、レクチャー・コンサートを聴いた。(2009.04.25 14h00) 前半は北沢方邦の世界音楽をめぐるレクチャーと、新実徳秀のピアノを含むデュオ、トリオ作品のコンサート、後半は新実徳秀とこのコンサートのチラシなどのグラフィック・デザインを手がけた杉浦康平の対談と、パーカッションのための作品という構成で、...


  • 2009

    2月

    08

  • 去年の秋のコンサートいろいろ

    「macbookの乱」のせいばかりではないんだけど、秋以降に聴いたコンサート、書きたいと思いながら怠けていた分を、さらっといきます。 このブログでも紹介した、クレール・メラニーちゃんの新作初演コンサート。 11月2日に横浜公演、11月29日に京都公演がありました。ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのトリオの作品で、" In between ” sur les pas de sanem...

    macbookの乱

    去年の大晦日、愛用Macbookが接続したUSB機器全部道連れに、自爆テロを決行して、そりゃもう大変な騒ぎだったのだ(無理心中させられたのは、テンキー、Mighty Mouse、USBハブ、外付けHDD)。こんなにずっと愛し続けてきたのにこの仕打ち、あまりに憤懣やるかたないので、既に古い話だし、つまんない話だけど書いちゃう。 予兆はあったのだ。その10日ほど前に、頼んでもいないのにMacbo...


  • 2008

    10月

    24

  • クレール=メラニー・シニュベールの新作

    えーと、このまえの『ジェルヴァゾーニとクレール=メラニー・シニュベール』で書いた、メラニーちゃんClaire-Melanie SINNHUBERの新作初演コンサートがあります。 11月2日(土)15時 横浜赤レンガ倉庫1号館。 横浜トリエンナーレの中の、フランス・デーのイベントのひとつ。たぶん無料。 新作のタイトルは ■In Between (sur les pas de Sa...

    グリゼー

    サントリーホールのサマーフェスティバル2008の続き。 ジェラール・グリゼー没後十年に因んで、2つのコンサートがありました。 8月25日 ■ジェラール・グリゼー:音響空間  プロローグ-ヴィオラのための(1976)  周期-7人の奏者のための(1974)  部分音-18人の奏者のための(1975)  変調-33人の奏者のための(1978)  過渡状態-大管弦楽のための(19...


  • 2008

    10月

    21

  • ジェルヴァゾーニとクレール=メラニー・シニュベール

    8月の終わり、サントリーホールで行われた、サマーフェスティバル2008に、ちょっとばかり通いました。今年のテーマ作曲家ステファーノ・ジェルヴァゾーニの室内楽と管弦楽、<音響空間>-ジェラール・グリゼー没後十年に因んで-の管弦楽と室内楽、4つのコンサートを聴きました。 ジェルヴァゾーニは、ベルガモ出身のイタリア人、ノーノのすすめで作曲をはじめ、ロンバルディ、カスティリオーニ、コルギに師事、パリ...


  • 2008

    10月

    13

  • ラチュウミア聴こっ!14 新しいCD son nouvel disque

    まだ続くねー、ラチュウミア。新しいCDがリリースされました。フランスでは10月13日に発売。日本でもぼちぼち出るみたいです。 Impressões / Wilhem Latchoumia  Heitor Villa-Lobos : Ciclo Brasileiro           A Pròle do bébé           Les Poupées        ...


  • 2008

    9月

    22

  • ラチュウミア聴こっ!13 その後のラチュ Il est tres occupé..

    コンサートも終わったし、もうラチュ聴こっ!も終わりなんですが、その後のウィレムくんのことを少しご報告。 インタビューをした時に、ブログのURL教えてねと言われたので、タイトルだけフランス語もつけて、一応こんなこと書いてると簡単な説明つきで、ウィレムにメールを送ったら、これでインターネットの楽しみが増えた!なんてオアイソの返事が来ました、いいやつだ…。 そして、フランスに戻ってからは、7月1...


  • 2008

    8月

    10

  • ラチュウミア聴こっ!12 いまさらですがLTM Les concerts de Les Temps Modernes

    気がつけばもう8月も半ば、6月のフェスティヴァルなんてもう束の間の幻影、光年の彼方…にもかかわらず、いまさらですが、アンサンブル・レ・タン・モデルヌのコンサートの、遅ればせながらの報告です。 レ・タン・モデルヌは、リヨンのコンセルヴァトワールの教授たちを中心に結成された、現代音楽の演奏をそのアイデンティティとしている室内楽合奏団で、メンバーは、フルート・クラリネット・2ヴァイオリン・ヴィオラ...



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