2015-07-26

椿組2015年夏・花園神社野外劇 「贋作 幕末太陽伝」(花園神社境内特設ステージ)を観て。 このエントリーを含むはてなブックマーク 

久しぶりに観るテント芝居だ。20年ぐらい前だろうか。同じ花園で唐組の芝居を観たのは。
生まれて初めて観たのは、確か35年位前の状況劇場。大阪のどこかの神社だったと思う。客席は全部桟敷。雨降る中、隅っこにうずくまった18才の少年は見世物小屋を見物するような気分で2時間目を皿にして大変疲れた。エンディングで李礼仙が虚空を木馬にまたがって飛んだときの衝撃は忘れられない。芝居をやろうと思わせたキッカケのひとつだ。そうだ。こうなっちまったのも、このテイタラクなのも、このテント芝居のせいなのだ!ここはひとつ責任をとってもらおうじゃないか。

出演者自らの客入れ、誘導がテキパキとしていて素晴らしい。チンタラチンタラやってる小劇団の方々は見習って欲しいぞ。冒頭、アイスクリーム売りに扮していたピンクの名優下元史朗さんが、そのまま登場。よくある演出だけど、これはなんだか懐かしくって嬉しい。2時間40分という上演時間は思いのほか長くは感じなかったけど、もうちょいと短くしてもいいのではないか。ショーアップされたシーンやコミカルなオバハントリオ、被差別者への毒のある愛情。皮革職人の自殺。そしてエンディングのホリゾント落とし。どれも良いんだけど、何かひとつ足りない。あっ、そうだ。大芝居、大見得を切る役者がいないんだ。下元さんはそういうタイプじゃないし。何かスカッとするセリフが聞きたかったんだ、俺。扉座の犬飼クンあたりに振ってもよかったんじゃないか。ちょっと煮え切らない感があったので、打ち上げには参加せずゴールデン街「蛾王」で引っ掛ける。まあ生涯無責任ということでいいか。俺。

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大倉順憲

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