2021-10-30

キャリー・ジョージ・フクナガ監督「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」(新宿TOHO)を観て。 このエントリーを含むはてなブックマーク 

 20数年前、吉祥寺にあった丹波哲郎邸に番組制作の為、1年間程通った事があった。武家屋敷のような門を入ると、保護樹林がそびえ立ち、外車が悠々と数台駐車出来るスペースがあり、屋上に上がると、何故か広々としたヘリポートが存在した。個人宅にだ。丹波さん曰く「007で、ショーン君と共演して帰ってきたら、この家が出来てたンだよ。ボンドがヘリで来るかも知れないからね。ワハハ…」と、あの、なんとも胡散臭い低音響く独特の節回しで語られたら、こちらも「はあ…」と納得するしかなかった覚えがある。(ヘリポートは物干しになっていて、洗濯物が、はためいていたけれど。)当時は1ドル360円位のはずだったから、かなり高額のギャラだったンだろう。豪快な話だ。

 丹波さんが出演した「007は二度死ぬ」は、第5作目。そして今回が第25作。ボンド役が替わっているとはいえ、ようやるよなあ。ダニエル・クレイグは50も過ぎているのに、アクションは素晴らしい。冒頭の追っかけシーンは痛快だった。劇中に、畳、作務衣、酒屋の前掛けなど、日本グッズが出てきたけど、これは、日本企業が資本に絡んでいるせいなのか。それとも次回作が日本を舞台とする予告なのか。そうだとしたら、あの丹波さんのように、押し出しとインチキ臭さでボンドまでも煙に巻ける(撮影現場で遅刻魔だった丹波さんを叱りに来たボンドを、丹波さんはハグして誤魔化したらしい)俳優は、今の日本に存在するのだろうか。吉田鋼太郎…う~ん。どうかねえ。なにしろ丹波さんは、「大俳優」だったからなあ。とにかくオリンピックよりも、007誘致の方が経済UPになるンじゃないのかな、と気付いたのであったのです(丹波さんの口調で)。

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大倉順憲

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