2013-03-19

オーストラ・マコンドー公演「素晴らしき哉、人生!」(吉祥寺シアター)を観て。 このエントリーを含むはてなブックマーク 

 フランク・キャプラ監督、ジェームズ・スチュアート主演の同名映画が原作。
 ほとんど原作の映画通りのストーリー展開、いやセリフまでもほとんど同じに思えた。
 舞台は舞台にしか出来ないことを、映画には映画にしか出来ないことを。TVドラマしかり、ラジオしかり。というのが俺が常々から何かを制作する際に肝に銘じていることだ。著作権の関係で、あまり改訂出来なかったのだろうか。もう少し、演劇ならではの展開があってもよかったのではないか。ダンスシーンで、床が開いて階下のプールに落ちる場面。映画を観ていない人には理解出来たのだろうか。思い切って、設定を日本にしては…などと批判的なことばかり感じるのは、あまりにも道徳的で、人生の教訓じみたことばかりなのがちょいとシャクに障るからだろう。(これは原作通りだから仕方がないか。俺がひねくれてるだけか)しかし、仁科貴は好演。初主役、よくぞ立派に務めた!ようやったぞタカシ!若松武史さんは怪演。太田彩乃さん、「アニー」のソロ・タップシーン覚えてますよ。キレの良いダンスと、落ちぶれ娼婦になって貴を右足でメスカマキリのようにくわえ込む動き。シビレたぞ。貴の弟役のハイジャンプのような、肉体的特権は観ていると嬉しくなる。なんだかんだいっても、ラストシーンにじんときて、目頭が熱くなった。しかし、しかしである。終演後の「ゲストトーク」なるおまけ。映画監督のI氏を出演者と演出家が囲んでの、ぶっちゃけトークだったのだが、あまりにも映画監督の不遜な態度に辟易し、途中退場してしまった。せっかく心温まるエンディングだったのに、もったいない。これは要らないと思うぞ。以上。

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大倉順憲

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