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大倉順憲さんの日記

  • 2012

    2月

    10

  • ロバート・アルトマン監督「ロング・グッドバイ」(DVD)を観て。

    レイモンド・チャンドラー原作。主演エリオット・グールド。 ああ、これか!松田優作が「探偵物語」のモチーフにしたという作品は。なーんだ、衣装や事務所がペントハウスというところまで、モチーフ…いやパクリじゃないか。気だるいカンジのエリオット・グールドが秀逸。ソフトに葉巻とトレンチじゃないところが良い。でも、こんなにヘビースモーカーっているのか?「カレー印の猫缶」「マッチ」などのディテールも納得。


  • 2012

    2月

    08

  • 阿部正良監督「アロハ慕情」(中野ZEROホール)を観て。

    平成のケーシー高峰、ウクレレえいじ主演映画。案外マジメなストーリー展開。盲目のえいじの嫁が、みつまJAPANに轢き逃げされて死ぬ。追いかける刑事が、がっぽり建設とおいおい教の元気安。終演後に舞台挨拶という名の演芸大会。本編中にすべりまくっていた、がっぽり建設、名誉挽回するどころか、余計に深みにはまってしまっている。なんなんだ星川桂の原節子のモノマネは!ここでやるか、おいおい教!阿鼻叫喚、酒池肉林じ...

    You-Keys entertainment 「贋作・一条さゆり」(新宿ゴールデン街劇場)を観て。

    ストリッパー若林美保の、ひとり芝居。マリを人に見立てて会話したり、得意の踊りを数箇所入れたりと、独り芝居の成立の難しさの苦労が偲ばれた。波乱万丈で堕ちていった女性の凄みが、もう少し欲しかった。でも、生ワカミホに、小生興奮!感情過多な部分もあったけど、マンゾク!60分はちょうど良い尺。神代辰巳監督の一条さゆり物語は、DVDであるだろうか。再見してみたくなったぞ。

    You-Keys entertainment 「アブニール夢見ヶ丘」(新宿ゴールデン街劇場)を観て。

    久しぶりに田中優樹の舞台を観る。自分で制作会社を作ったそうだ。その会社のプロデュース作品。男と男、男と女、女と女という、3組のショートストーリーがラストの場面で交わる。 原作はコントだったのだろうか。会話の妙は良いのだけど、成立しないであろうボケ方には少しついていけない。場面のつなぎ方に、ちょっと無理がある。俺に書かせれば、なんとかしたのに!そして、優樹の役者としての存在感があり過ぎて、他の若手...


  • 2012

    2月

    03

  • 布袋寅泰  WE ARE DREAMER~50th BIRTHDAY SPECIAL CELEBRATION GIG~(さいたまスーパーアリーナ)を観て。

     初めて行くさいたまスーパーアリーナ。関係者入口から席に着くまで、かなり歩く。満席12000人と聞いたが、何かドーム並みの大きさに感じる。開演時間前というのに「ホテイー!」の叫び声。まるで武道館の永ちゃんコールのようだ。小学生ぐらいの男の子もチラホラ。10分オシで開演。ビートルズの「バースデイ」がフルコーラス流れる。こちとらアリーナにご招待頂いた身なのに、本日布袋氏の誕生日というのを知らなかった。...


  • 2012

    1月

    29

  • SABU監督「疾走」(DVD)を観て。

    夏目漱石の「草枕」からの引用。 智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣りにちらちらするただの人である。ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人で...


  • 2012

    1月

    24

  • “裸足のルシファー”=松岡恭子:ユナイテッドモンモンサン(新宿MARZ LIVE)を観て。

     オープニング。ボーカル松岡恭子が裸足で出てきたら、あのカルメン・マキさんが頭に浮かんだ。マキさんが裸足で唄った「時には母のない子のように」の演出は、寺山修司だったっけ。松岡恭子はいつも裸足でライブに出ているのだろうか。これは躁鬱的な歌詞と攻撃的な(自虐にも見えるけど)パフォーマンスに合うぞ。無垢な子供が、ケガなんか恐れず考えもせず、大地を裸足で走り回って遊ぶように、限界点を越えるまでブッ飛んで欲...

    萩原健一映画祭 深作欣二監督「いつかギラギラする日」(銀座シネパトス)を観て。

    俺が30才の時か。川谷さんを試写会場で待ち伏せて、この映画を無理矢理見せてもらったのは。あれからもう20年か。改めて観ると、深作監督の「資金源強奪」や「暴走大パニック」と似たようなシーンが多いぞ。カーチェイスで逃げる通行者や道路工事のオッサン役のエキストラの使い方。ラストシーン、ショーケンと多岐川裕美さんが乗るバスから見る、沿道の銀行のショット。まるっきり同じシーンがあったんじゃないかな。木村一八...

    萩原健一映画祭 五社英雄監督「226」(銀座シネパトス)を観て。

    1989年の作品。久々に観てみると、これ松竹映画なのに、出演者が東映オールスターだ。まるで「忠臣蔵」のキャストだぞ。五社監督だからか?志し達せず、青年将校安藤大尉(三浦友和)が兵を引き上げるシーンで、川谷拓三さんがかけよってのセリフ「死んだらあかんきに」が印象的。このシーンに賭けてたんだな、川谷さん。どーも皆さん兵隊言葉で、気張った口調ばかりなんで、全部同じキャラに見えるし、聴こえる。ショーケンの...

    マーチン・スコセージ監督「ジョージ・ハリスン/ リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」(DVD)を観て。

    高校生の時、奈良の猿沢池畔にあった映画館に、友人と壁を乗り越えトイレから忍び込んでタダで観た「ザバンド/ラストワルツ」。4年前、試写会で観て興奮した「ザ・ローリング・ストーンズ/シャイン・ア・ライト」。スコセージ監督が撮った音楽フィルムには、いずれもシビレタ。しかし、今回の3時間28分は長い。天下のビートルズのジョージの生き様なのは、わかるけど、もうちょっと短くならなかったのだろうか。3時間半もか...


  • 2012

    1月

    16

  • ゲイリー・マーシャル監督「ニュー・イヤーズ・イブ」(新宿バルト9)を観て。

    タイトルと、豪華キャストのラインアップを見て「ああ、こういうカンジのストーリーなんだろうなあ」と思ったとうりの展開。やはり、予想的中がスッキリする。競馬と同じか。(しかし、ラストシーンの王子様が1年間待った相手が、サラ・ジェシカ・パーカーは如何なモノか?彼女が多額の出資してるのかと勘ぐってしまうぞ)名優デ・ニーロも控えめで良いカンジ。ボン・ジョビの歌は良いのだけど、衣装は70年代。これでいいの?バ...


  • 2012

    1月

    15

  • ユナイテッドモンモンサン (新宿TOWER RECORDS インストアライブ)を観て。

    先日、奈良に帰省した際、32年振りに高校の同級生[上林]に会った。[上林]は、乾杯をしようとする俺にいきなり「大倉先生!うちの息子を頼んます」と、あるバンドの白盤を手渡した。バンドの名前は[ユナイテッドモンモンサン]。なんじゃこりゃ?と[上林]に聞くと、息子がドラムで参加していて、メジャーデビューしたそうだ。「大倉先生」には困ったもんだが、同級生の息子が東京でライブをやるというんだから、気になって...


  • 2012

    1月

    10

  • 萩原健一映画祭 伊藤俊也監督「誘拐報道」(銀座シネパトス)を観て。

    ショーケン32才の時の作品。やっぱりカッコいいぞ。アパートの台所で、妻の小柳ルミ子に「財布落としてしもて、1万円貸してや」と、切羽詰って言うシーン。誘拐した子供の取り扱いに煮詰まってしまい、公衆電話の中で「もう時計もないんだ!時間がわからへんのや!」(質屋に売ってしまったから)と悶絶するシーン。故郷で昔の女、池波志乃を車の中で抱くシーン。ああ、なんて真に迫ってるんだ。実生活でもあったのか。ショーケ...

    園子温監督「ヒミズ」(試写)を観て。

    ちょっとキツ過ぎるぞ。「冷たい熱帯魚」には、でんでんさんのコミカルな味や、セクシーな場面があって、ちょっとホッとさせられたけど。これは全員暴力的でシンドイぞ。ま、テーマとして、希望と絶望と欲望が混沌としているからなのだろうけど。ラストシーンにも、救いが感じられなかった。エンディングロールが脱兎の如くのショート尺で上がったのも、余韻を残す為なのだろうか。後味が悪い。そういえば、叫び、走り、詩を朗読…...

    川島雄三監督「わが町」(DVD)を観て。

    辰巳柳太郎主演。原作は織田作之助。織田作の中では「夫婦善哉」に匹敵するほどの、人情喜劇。大阪の長屋モノには泣かせられるなあ。俺の生家が、そういう場所だったからか。これはもいちど観てみたい。

    リチャード・アッテンボロー監督「マジック」(DVD)を観て。

    若い頃の、アンソニー・ホプキンスが主演。後年の「羊たちの沈黙」を予想させる怪演ぶり。 腹話術師が、腹話術人形に精神を乗っ取られてしまう。意識と無意識の狭間に悶え苦しみ、精神異常になり・・・カタストロフィーへと誘われる。こんな役柄ばかりやっていて、彼は発狂しなかったのだろうか。自伝が出てたら読んでみたい。監督は「遠すぎた橋」の大作も良いけど、この小品の出来も佳作。アン・マーガレットが悩ましい。


  • 2011

    12月

    27

  • 萩原健一映画祭 蜷川幸雄監督「魔性の夏~四谷怪談より~」(銀座シネパトス)を観て。

    う~ん。ショーケンはいつもの如くカッコよろしいんだけど、演劇的な絵と展開がしっくりこないなあ。演劇は演劇、映画は映画じゃないか。寺山修司の映画じゃあるまいし。ちょっと鼻につくなあ。痩せてた頃の石橋蓮司さんが良い。眉毛をつぶした小倉一郎さんが良い。端役で加藤善博さんが出てたのは知らなかった。目黒の公園のジャングルジムでクビをくくって自死した加藤さんだ。加藤さん、この頃は死ぬなんて考えもしてなかったろ...

    萩原健一映画祭 神代辰巳監督「恋文」(銀座シネパトス)を観て。

    25年ぶりに観た。美術の先生役のショーケンが、部屋の窓にマニキュアで絵を描くシーンに感化されて、当時住んでた沼袋のアパートの窓に水彩画を描いたっけ。とにかくこの頃のショーケンは、天才的な感性のカタマリのようだ。めちゃめちゃ良い。今、50近くになって観ると、高橋恵子と倍賞美津子の間を揺れ動く男の気持ちがよく分かる。男は勝手な生き物だ。こんな理解ある女性(しかも美人!)の狭間でもがき苦しむ(いや、ショ...


  • 2011

    12月

    19

  • 五社英雄監督「薄化粧」(DVD)を観て。

    欲望の誘惑にかられるままに酒と女に溺れ、金を遣い、妻子まで殺してしまった男の逃亡劇。 彼にシンパシーを感じてしまう自分が怖い。犯人を執拗に追いかける川谷拓三さんの抑えた芝居が心を打つ。緒形拳さんを立てているのか?生前の川谷さん家を訪れた時、壁に「王将」「緒形拳 川谷拓三 三谷昇」と毛筆書きの半紙が貼ってあった。緒形さんの趣味である書の影響を受け、書き始めてたらしい。坂田三吉の役は緒形さんだったの...



大倉順憲

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大倉順憲


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